対コロナウィルス・ビタミン剤、2回目の「お薬、出しておきますね」です。
前回の「Stay Home 短編映画」はなかなか好評で、友人から「ビタミン剤受け取りましたよ~」というメールをもらったり、すでにこの短編映画を知っていた配給会社勤務の知人からは、「短編映画“Family”、あれは面白いですね! ロックダウン中の外出禁止を逆手に取ってありえない共演、ああいうのをフットワーク軽く作れるのはすごいと思いましたし、コメディというのもこういった状況だからホッとします」というコメントをいただきました。「湿布」と違って効き目が高かったようで(私のブログにはよくミルクボーイの漫才ネタが出てきます。ミルクボーイの漫才は関西人のツボを押しまくってくれて、私には一番のビタミン剤です)、まずはめでたい。この短編映画、YouTubeでもいろんな所が再度アップしていますが、その中からインドの映画情報サイトcoimoiがアップした動画にリンクを張っておきますので、未見のかたはご覧になってみて下さい。
あの短編映画の中で、ひげそり姿で登場したのがテルグ語映画界の超大物俳優であり、政治家でもあるチランジーヴィ(上写真。Wikiのサイトより)なのですが、この出演からアイディアがひらめいたのか、今度はチランジーヴィが面白いものを作ってくれました。彼を中心に4人のトリウッド(テルグ語映画界のこと)男優が出演する、コロナウィルスへの注意を促すミュージック・クリップで、先週YouTubeにアップされました。ギターを弾いているのは作曲を担当した音楽監督のコーティで、歌も彼が歌っています。
Telugu Actors come together for Coronavirus awareness video
チランジーヴィのほかに3人の男優が出てきましたが、誰が誰だか、おわかりになりましたか? ギターの前奏に合わせてまずチランジーヴィがカメラを据え、続いて出てきたオレンジ色のポロシャツ姿のナーガールジュナもカメラを据えて調整します。その次に登場する白Yシャツ姿はサーイ・ダラム・テージで、最後に小豆色のシャツのワルン・テージが加わります。若いサーイ・ダラム・テージとワルン・テージはクールに演じていますが、おじさんたち3人、チランジーヴィとナーガールジュナ、そしてコーティは演技力たっぷりで、男気溢れる映画の中のミュージカルシーンを見ているみたいです。これも皆さん自分の家でそれぞれに撮影して、それをうまくつなぎ合わせているのですが、先週の短編に比べて編集が上手です、というか、インド映画界お手の物のミュージカルシーンなので、劇映画と違って作りやすかったのでしょうね。とても楽しいクリップになっています。英語字幕がありませんが、歌の中に英語の単語が出てくるのと、それぞれの動作で、何を歌っているのかはおわかりいただけると思います。
ところでこの俳優4人の関係ですが、ナーガールジュナ(上写真。Wikiより)、あるいはアッキネーニ・ナーガールジュナと姓を入れて呼んだりする彼以外の3人は親戚です。現在30歳のワルン・テージは、チランジーヴィの弟でやはり俳優であるナーガバーブの息子、そして現在33歳のサーイ・ダラム・テージはチランジーヴィの妹の息子なのです。ですからチランジーヴィからすると甥、その息子である『マガディーラ 勇者転生』のラーム・チャランから見ると、二人とも従弟ということになります。余談ながらもひとつオマケを付けると、ナーガールジュナの前の奥さんはラクシュミ・ダッグバーティと言い、ラーナー・ダッグバーティの叔母に当たります。南インド映画界の縁戚関係図は「最中」の家系図よりも複雑で、いろいろたぐっていくとどこかでみんな繋がっている感じです。興味のある方はこちらのサイトでお勉強して下さいね。
一方ボリウッドでは、こんなの~んびりした動画が人気を呼んでいます。
Salman Khan With HIS NEW LOVE | Being taken for a ride...
サルマーン・カーンが「Stay Home」している動画なのですが、場所がムンバイ市内のバンドラにある自宅ではなく、郊外のファームハウスと呼ぶ別荘のようです。トップスターたちはだいたい皆さんファームハウスを持っていて、サルマーン・カーンのはナヴィ・ムンバイ地区のパンヴェールにあるようです。お馬さんと戯れるサルマーン、この「ビタミンP(プレーム)」もぜひお試し下さい。
インドのモーディー首相は、昨日の国民への演説で、4月14日(火)までのはずだったロックダウンの延長を告げ、19日間延長して5月3日(日)までとする、と伝えました。「感染者数がまだたった500人の時に、インドは他国に先駆けて21日間のロックダウンを宣言した。効果は大いにあった」と自慢そうに言っていましたが、インドの感染者数は一昨日1万人を超えました。外出禁止令を守るよう、警官が警棒で外出者を叩いたり、地面に座らせて制裁したりしているのですが、その一方で都市を脱出しようと地方からの出稼ぎの人がバスターミナルに押しかけたりする現象が起きており、昨日もムンバイのバンドラ地区に何千人という人が集まって、「帰省するためのバスを出せ!」と迫ったそうです。日本よりも、状況はさらに厳しいインドです。