アジア映画巡礼

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『ミッション・マンガル』ミッション5:脇役も光る謎を解け!

2020-12-27 | インド映画

2020年最後の週となりました。年末は大掃除に追われるものですが、今年は原稿に追われております。書くのがとっても楽しい内容の原稿ではあるものの、結構なボリュームがあるので、早くも両肩はガチガチ&コリッコリ状態。その隙を見つけて、ブログを書いている次第です。しばらく間が空いてしまった『ミッション・マンガル 崖っぷちチームの火星打ち上げ計画』ご紹介ですが、このミッション、あと3つ課題が残っております。まずは、ミッション5遂行命令をご覧下さい。今回も、映画のデータから開始です。

© 2019 FOX STAR STUDIOS A DIVISION OF STAR INDIA PRIVATE
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『ミッション・マンガル 崖っぷちチームの火星打ち上げ計画』  公式サイト
 2019年/インド/ヒンディー語/130分/原題:Mission Mangal
 監督:ジャガン・シャクティ
 出演:アクシャイ・クマール、ヴィディヤ・バラン(ヴィディヤー・バーラン)、タープスィー・パンヌー、ソーナークシー・シンハー、キールティ・クルハーリー(「クリティ」は間違い)、シャルマン・ジョシ(ジョーシー)
    配給:アット エンタテインメント

1月8日(金)より新宿ピカデリーほか全国順次公開

前回、主演のアクシャイ・クマールとヴィディヤ・バランに加えて、主演級の女性スターが3人いることをご紹介しましたが、今回は「崖っぷちチーム」残りの3人です。

キールティ・クルハーリー(ネハ)

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キールティ・クルハーリーが演じるのは、「愛らしい」という意味の名前「ネハ(正しく音引きを付けるとネーハー)」がファースト・ネームながら、姓は「シッディキー(シッディーキー)」なので、イスラーム教徒です。名前からイスラーム教徒とわかるため、劇中でも部屋を借りようとして断られるシーンがあります。ネハは宇宙船の自律システムの専門家で、夫と離婚したばかり、という設定です。離婚後の部屋探しとかの苦労が描かれ、ヘコむような事実に直面する時もありますが、チームの仲間の支えで助けられるネハ。女性メンバーの中では、一番堅実な人として描かれています。こういうしっかりした女性役はキールティ・クルハーリーの得意とするところで、彼女の出世作となった『ピンク』(2016)でも、法廷に立たされる3人の女性――他の二人はタープスィー・パンヌーとアンドレア・タリアング――の中でも一番しっかりしていました。なぜかこの時も、イスラーム教徒の役でしたね。

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キールティ・クルハーリーは1985年5月30日ムンバイ生まれ。家族のルーツはラージャスターン州北部のジュンジュヌー地方だそうで、砂漠地帯ですね。舞台の役者から2010年にヒンディー語映画デビュー。ここ数年、その魅力と実力が認められつつある女優です。『ピンク』の演技では多くの賞にノミネートされ、受賞もしていますが、日本版ソフトが出ている『URI/サージカル・ストライク』でも、空軍パイロットである女性として印象的な演技を残してます。『ミッション・マンガル』でまた、一段と評価が上がったことでしょう。

 

シャルマン・ジョシ(パルメーシュワル)

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この顔にピンと来ない人は...いませんよね。そうです、『きっと、うまくいく』(2009)の3バカの一人で、ランチョーに揶揄されながら、ヒンドゥー教の神々に必死で祈っていた学生です。今回も神様やら占いについ頼ってしまう男子を演じていて、これでは「彼女いない歴○○年」なのは当たり前、と思わせられてしまいます。名前からして「パルメーシュワル(最高神)」なのでしょうがないんですが、こういう役柄をやらせると上手ですね、シャルマン・ジョシ(ジョーシー)。専門はペイロード(積載)関係で、しっかりお仕事もするのですが、同僚のエカが気になって、少々気もそぞろ。このあたりの「ミッション告白」も、遂行できるかどうか注意して見て下さいね。シャルマン・ジョシ、『フェラーリの運ぶ夢』(2013)のような主演作と言える作品も撮っているのですが、脇を固めるのがうまいので、重宝されています。1979年4月28日生まれなので、もう41歳なんですね。

 

H.G.ダッタトレーヤ(アナント・アイアンガー)

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役名の姓は「アイエンガル」の表記の方がいいのですが、定年退職目前の老エンジニアを演じているのが、カンナダ語映画のベテラン俳優H.G.ダッタトレーヤです。私もお馴染みのない顔ですが、1991年にデビューしてからすでに約60作品に出演している大御所です。1942年4月20日生まれの78歳なので、本作の役柄には年を取り過ぎている感じですが、舞台となっているベンガルールはカルナータカ州の州都であるため、カンナダ語映画の大物俳優に出てもらいたかったのかも知れません。

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というわけで、かなり豪華な配役である「崖っぷちチーム」ですが、ほかにも豪華な顔ぶれが。タラの夫を演じているのが、何と、サンジャイ・カプールなんですね。兄のアニル・カプールの方が有名ですが、サンジャイ・カプールも1995年にデビューしてのちの10年ぐらいは、甘いマスクの二枚目俳優として活躍していました。その頃の顔写真がこちらです。

Photo by R.T. Chawla

ゲスト出演ですが、シャー・ルク・カーン主演作の『たとえ明日が来なくても』(2003)にも顔を出していますし、TIFF出上映された『チャンスをつかめ!』(2009)にも、結構重要な役で出ていました。『ミッション・マンガル』では心配性の口うるさいお父さん、という役どころですが、タラと共に娘を迎えるためクラブに行ったシーンでは、昔の格好良さの片鱗を見せてくれます。1965年10月17日生まれなので、もう55歳になっちゃったんですね。今ではソーナム・カプールの叔父さん、と言った方が通りがいいかも知れませんが、こういうスターも出ていますので、お見逃しなく。

最後に予告編を付けておきます。初夢はぜひ、火星に行く夢をご覧になって下さいね。

映画『ミッション・マンガル 崖っぷちチームの火星打上げ計画』予告編

 

 


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