昨年の8月15日の記事を再掲載します。
このとき恐れていた方向に今の日本の政府は突き進んでいます。いや、津波対策すらせずに突き進んでいるのだから、もっと悪いや。
今回はためしに、「重要単語」に赤い色をつけてみました(笑)。
昨夜、NHK教育テレビで「アメリカからみた福島原発事故」という番組を放送していたので観た方も多いと思います。この番組の中で「ラスムッセン報告」という言葉が説明されています。
アメリカのGE(General Electric)社が開発したマーク1という原子炉。これの設計者達が後になって設計上のミスに気がつき、事態を重く見たアメリカ政府が1975年に、5日間にわたって公聴会を開きました。そこで、原発は安全だと論陣をはったのがMIT(マサチューセッツ工科大学)のラスムッセン教授。そのなかで原発で重大な事故が起きるのが50億分の1である、だから安全であるとしました。実は当初から、このラスムッセン報告への疑問を呈するキース・ミラーなんていう数学者などがNRC(原子力規制委員会)の中にすらいたのですが、この報告によって原発の危険性を指摘した設計者の声は次第にかき消されることになったのです。そりゃそうですよね。そもそもアメリカでは、国是として「原発を進めるぜ!」と、アイゼンハウアー大統領が国連でぶち上げているんですから。
この「ラスムッセン報告」はその後日本の原発安全神話のバイブルとなりました。2005年に佐賀(九電やらせメールで今話題の、佐賀ですよ)のプルサーマル原発の誘致をめぐる公開討論で、東京大学の大橋弘忠教授が得意になってラスムッセン報告を引用し、隕石が地球にぶつかって人類が滅亡するのとおなじ確率を論じても仕方がないと論陣をはっていたのでした。でも所詮、この人の発言の根拠はこの程度だったんですね。(この人はいまだに東大で教鞭をとっているそうですが、僕としてはこの人には「学者としての」自決をうながしたいと思います。もし、ご本人がこれを読んでいたら、是非そうして下さい。死ねといっているんじゃないですよ。そんな度胸も誠意もないだろうし。)
そしてやがて福島ではマーク1型原発が事故を起こし、あえなくラスムッセン報告にもとずく安全神話は崩壊したのでした。
僕としては、この大橋という教授に関しては最近怒りというよりも、憐れみの感情の方が強くなってきました。
ちょっと前に「バカの壁」という言葉が流行りましたが、まさにそれ。この人にとっては「ラスムッセン報告」がバカの壁なのでした。結局そんなものがそもそもいい加減だということに気づかず、ろくに検証もせず、安全だと言い続けてきました。ご自分の頭ではものを考えられなかったんでしょうね。本人は東大教授になったのだから自分は頭がいいと思っているのでしょうが、哲人ソクラテスの昔から、こういう自分の馬鹿さ加減を知らない人間を本当のバカというのです。単に御用学者として金のために真実を曲げていただけといいうよりも、このひとの場合はやはり単なるバカであったという側面が強いように感じられるのです。(同じ東大の中川恵一という人にもそれを感じます。この人の中ではさぞや自分は「誠実」にやってるつもりなんだろうなあ。)
自分が誰に利用されているのかもわからないマヌケなピエロさんたちです
で、話がとっ散らかってきましたが、何を言いたいかというと、今まで原発の安全神話を語るとき常に語られてきた重大事故事故の発生確率の低さ。これはいまから36年も前のラスムッセン報告というやつが出所で、実は当時からオカシイと指摘する数学者も原発推進機関であるアメリカのNRCにもいたということです。
ずいぶん心細い根拠だったんですね。
だから我々は今度政府や電力会社がこういったとき首をひねらなければならないと思うのですよ。
「今度は津波対策をしっかりとしたので、原発は安全ですよ
」
追記)佐賀におけるプルサーマルの討論に関してはなんと佐賀県の公式ホームページで映像も議事録も観ることができます。いやーヒドイもんですけどね。このときの観客のなかにやらせの九電関係者はいたのでしょうか? 観たい方はここをクリックしてください。削除される前にね。
このとき恐れていた方向に今の日本の政府は突き進んでいます。いや、津波対策すらせずに突き進んでいるのだから、もっと悪いや。
今回はためしに、「重要単語」に赤い色をつけてみました(笑)。
昨夜、NHK教育テレビで「アメリカからみた福島原発事故」という番組を放送していたので観た方も多いと思います。この番組の中で「ラスムッセン報告」という言葉が説明されています。
アメリカのGE(General Electric)社が開発したマーク1という原子炉。これの設計者達が後になって設計上のミスに気がつき、事態を重く見たアメリカ政府が1975年に、5日間にわたって公聴会を開きました。そこで、原発は安全だと論陣をはったのがMIT(マサチューセッツ工科大学)のラスムッセン教授。そのなかで原発で重大な事故が起きるのが50億分の1である、だから安全であるとしました。実は当初から、このラスムッセン報告への疑問を呈するキース・ミラーなんていう数学者などがNRC(原子力規制委員会)の中にすらいたのですが、この報告によって原発の危険性を指摘した設計者の声は次第にかき消されることになったのです。そりゃそうですよね。そもそもアメリカでは、国是として「原発を進めるぜ!」と、アイゼンハウアー大統領が国連でぶち上げているんですから。
この「ラスムッセン報告」はその後日本の原発安全神話のバイブルとなりました。2005年に佐賀(九電やらせメールで今話題の、佐賀ですよ)のプルサーマル原発の誘致をめぐる公開討論で、東京大学の大橋弘忠教授が得意になってラスムッセン報告を引用し、隕石が地球にぶつかって人類が滅亡するのとおなじ確率を論じても仕方がないと論陣をはっていたのでした。でも所詮、この人の発言の根拠はこの程度だったんですね。(この人はいまだに東大で教鞭をとっているそうですが、僕としてはこの人には「学者としての」自決をうながしたいと思います。もし、ご本人がこれを読んでいたら、是非そうして下さい。死ねといっているんじゃないですよ。そんな度胸も誠意もないだろうし。)
そしてやがて福島ではマーク1型原発が事故を起こし、あえなくラスムッセン報告にもとずく安全神話は崩壊したのでした。
僕としては、この大橋という教授に関しては最近怒りというよりも、憐れみの感情の方が強くなってきました。
ちょっと前に「バカの壁」という言葉が流行りましたが、まさにそれ。この人にとっては「ラスムッセン報告」がバカの壁なのでした。結局そんなものがそもそもいい加減だということに気づかず、ろくに検証もせず、安全だと言い続けてきました。ご自分の頭ではものを考えられなかったんでしょうね。本人は東大教授になったのだから自分は頭がいいと思っているのでしょうが、哲人ソクラテスの昔から、こういう自分の馬鹿さ加減を知らない人間を本当のバカというのです。単に御用学者として金のために真実を曲げていただけといいうよりも、このひとの場合はやはり単なるバカであったという側面が強いように感じられるのです。(同じ東大の中川恵一という人にもそれを感じます。この人の中ではさぞや自分は「誠実」にやってるつもりなんだろうなあ。)
自分が誰に利用されているのかもわからないマヌケなピエロさんたちです

で、話がとっ散らかってきましたが、何を言いたいかというと、今まで原発の安全神話を語るとき常に語られてきた重大事故事故の発生確率の低さ。これはいまから36年も前のラスムッセン報告というやつが出所で、実は当時からオカシイと指摘する数学者も原発推進機関であるアメリカのNRCにもいたということです。
ずいぶん心細い根拠だったんですね。
だから我々は今度政府や電力会社がこういったとき首をひねらなければならないと思うのですよ。
「今度は津波対策をしっかりとしたので、原発は安全ですよ

追記)佐賀におけるプルサーマルの討論に関してはなんと佐賀県の公式ホームページで映像も議事録も観ることができます。いやーヒドイもんですけどね。このときの観客のなかにやらせの九電関係者はいたのでしょうか? 観たい方はここをクリックしてください。削除される前にね。