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コルクのぶらぶら日記 

いつもぶらぶらしているようだけど....やっぱりブラブラしています。

再掲載 大橋教授とラムッセン報告 

2012-06-11 16:31:14 | 原発
 昨年の8月15日の記事を再掲載します。
このとき恐れていた方向に今の日本の政府は突き進んでいます。いや、津波対策すらせずに突き進んでいるのだから、もっと悪いや。

 今回はためしに、「重要単語」に赤い色をつけてみました(笑)。

 昨夜、NHK教育テレビで「アメリカからみた福島原発事故」という番組を放送していたので観た方も多いと思います。この番組の中で「ラスムッセン報告」という言葉が説明されています。
アメリカのGE(General Electric)社が開発したマーク1という原子炉。これの設計者達が後になって設計上のミスに気がつき、事態を重く見たアメリカ政府が1975年に、5日間にわたって公聴会を開きました。そこで、原発は安全だと論陣をはったのがMIT(マサチューセッツ工科大学)のラスムッセン教授。そのなかで原発で重大な事故が起きるのが50億分の1である、だから安全であるとしました。実は当初から、このラスムッセン報告への疑問を呈するキース・ミラーなんていう数学者などがNRC(原子力規制委員会)の中にすらいたのですが、この報告によって原発の危険性を指摘した設計者の声は次第にかき消されることになったのです。そりゃそうですよね。そもそもアメリカでは、国是として「原発を進めるぜ!」と、アイゼンハウアー大統領が国連でぶち上げているんですから。

 この「ラスムッセン報告」はその後日本の原発安全神話のバイブルとなりました。2005年に佐賀(九電やらせメールで今話題の、佐賀ですよ)のプルサーマル原発の誘致をめぐる公開討論で、東京大学の大橋弘忠教授が得意になってラスムッセン報告を引用し、隕石が地球にぶつかって人類が滅亡するのとおなじ確率を論じても仕方がないと論陣をはっていたのでした。でも所詮、この人の発言の根拠はこの程度だったんですね。(この人はいまだに東大で教鞭をとっているそうですが、僕としてはこの人には「学者としての」自決をうながしたいと思います。もし、ご本人がこれを読んでいたら、是非そうして下さい。死ねといっているんじゃないですよ。そんな度胸も誠意もないだろうし。)

 そしてやがて福島ではマーク1型原発が事故を起こし、あえなくラスムッセン報告にもとずく安全神話は崩壊したのでした。

 僕としては、この大橋という教授に関しては最近怒りというよりも、憐れみの感情の方が強くなってきました。
ちょっと前に「バカの壁」という言葉が流行りましたが、まさにそれ。この人にとっては「ラスムッセン報告」がバカの壁なのでした。結局そんなものがそもそもいい加減だということに気づかず、ろくに検証もせず、安全だと言い続けてきました。ご自分の頭ではものを考えられなかったんでしょうね。本人は東大教授になったのだから自分は頭がいいと思っているのでしょうが、哲人ソクラテスの昔から、こういう自分の馬鹿さ加減を知らない人間を本当のバカというのです。単に御用学者として金のために真実を曲げていただけといいうよりも、このひとの場合はやはり単なるバカであったという側面が強いように感じられるのです。(同じ東大の中川恵一という人にもそれを感じます。この人の中ではさぞや自分は「誠実」にやってるつもりなんだろうなあ。)
 自分が誰に利用されているのかもわからないマヌケなピエロさんたちです

 で、話がとっ散らかってきましたが、何を言いたいかというと、今まで原発の安全神話を語るとき常に語られてきた重大事故事故の発生確率の低さ。これはいまから36年も前のラスムッセン報告というやつが出所で、実は当時からオカシイと指摘する数学者も原発推進機関であるアメリカのNRCにもいたということです。
ずいぶん心細い根拠だったんですね。

 だから我々は今度政府や電力会社がこういったとき首をひねらなければならないと思うのですよ。
「今度は津波対策をしっかりとしたので、原発は安全ですよ

追記)佐賀におけるプルサーマルの討論に関してはなんと佐賀県の公式ホームページで映像も議事録も観ることができます。いやーヒドイもんですけどね。このときの観客のなかにやらせの九電関係者はいたのでしょうか? 観たい方はここをクリックしてください。削除される前にね。 

原発は10年に1回くらいの割合で事故を起こします

2012-06-11 06:57:13 | 原発
1954年 ソ連 オブニンスクで原子力発電所開始
1957年 英国 ウィンズケール(セラフィールド)原子力発電所事故 レベル5
1979年 アメリカ スリーマイル島原子力発電所事故 レベル5
1986年 ソ連 チェルノブイリ原子力発電所事故 レベル7
1999年 東海村臨界事故 レベル4
2011年 福島原子力発電所事故 レベル7

 この間2007年には新潟の柏崎刈羽原発事故というのがありました。一応IAEAの評価ではレベル0ということになっているけれど、このときも2つある炉心冷却装置のうちひとつが機能しなくなりひとつの装置で2つの炉心を冷やす判断を迫られたりと結構今読むと背筋が寒くなるようなことが起きていましたね。このとき放射能に汚染された水が外部へ排水されてしまったとWikipediaに書いてあります。

 これをみるとほぼ10年に1度の割合で重大な事故が起きていますね。
しかもこのところ日本の発生率が高いです。まあ、アメリカなんてスリーマイル以降1基も原発新設していませんからね。

 さて次はどこで起きるのやら。

雑感をいくつか

2012-06-09 23:07:56 | 原発
 原発事故が起きる前の常識からいえば、今は東北関東はものすごく汚染されているし食品汚染も深刻だと思います。でも事故がおきたら突然「この程度なら大丈夫です」というオジサンたちがでてきたので驚きました。
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 そういえばチェルノブイリ事故があった時、ソ連からの帰国者の靴裏の泥の放射能汚染を空港で調べているところをニュースでやっていたなあ。少し検出されて、当時はそれでも大きなニュースだったんだよね。
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 当時、ソ連という国家は非常に大きな矛盾を抱えていて、結局限界まで来ていたんだろうけれど、その本格的な崩壊の引き金を引いたのはチェルノブイリ事故だったんだろうなあと思う。今、日本でも同じようなことが起き始めているような気がする。
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 菅直人が脱原発を掲げて記者会見を行ったらマスコミは「思い付きだ!」といってあれだけ攻撃して引きずり下ろしたのに、野田が国民の7割の意志に背くあんなとんでもない会見を開いても案外マスコミのはみなさんはおとなしいんですね。
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 知ってました? 東電の清水正孝という元社長は原発事故前に雑誌のインタビューで「電力の需要が減っているのでそれに対応するのが課題」だと偉そうにこたえているんだよ。需要が減っている??? 
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 昨日報道ステーションで言っていたけど、3・11はもしかして8・15と同じくらい大きい意味をもつのじゃなかろうか。8・15で日本は変わった。3・11でも変わることができればいいのだが。いや、変えなければならない。
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 最近の政府は国民を脅して電力会社の営業をやります。
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 東電や関電を批判するのも大事だけど、同時にさっさと新しい電力会社が作られないもんだろうか、東京都がやろうとしているみたいに。競合になったら既存の電力会社のシステムでは競争力ないから自然淘汰されると思うのだけれど。

野田総理再稼働会見の本質

2012-06-09 04:45:18 | 原発
 昨日とうとう野田総理が再稼働(再起動)をすすめるための会見をしましたね。同じころ首相官邸前では4,000人の人が集まって抗議していました。

 皆さんはこの会見を見てどう思いましたか? 僕は「ああやっぱり。」と思いました。それはどこの部分かというと、「この夏、電気が足りないから再起動」というところではなくて彼の次の発言ですね。

「そのため、夏場限定の再稼働では、国民の生活は守れません。
更に我が国は石油資源の7割を中東に頼っています。仮に中東からの輸入に支障が生じる事態が起これば、かつての石油ショックのような痛みも覚悟しなければなりません。
(筆者注:火力発電のメインはガスですけどね。石油は火力の15% )
国の重要課題であるエネルギー安全保障という視点からも、原発は重要な電源であります。」


おまけにこんなことを言っています。

 「一方、直面している現実の再起動の問題とは別に、3月11日の原発事故を受け、政権として、中長期のエネルギー政策について、原発への依存度を可能な限り減らす方向で検討を行ってまいりました。この間、再生可能エネルギーの拡大や省エネの普及にも全力を挙げてまいりました。

 これは国の行く末を左右する大きな課題であります。社会の安全・安心の確保、エネルギー安全保障、産業や雇用への影響、地球温暖化問題への対応、経済成長の促進といった視点を持って、政府として選択肢を示し、国民の皆様との議論の中で、8月をめどに決めていきたいと考えております。国論を二分している状況で1つの結論を出す。これはまさに私の責任であります。」


 おやおや、今までこの政権は菅直人の提唱した「脱原発依存」を継承するという立場だったはずですよね。それをいまさらこういったことを言いだすというのは、どういう意味か、彼がどのような「結論を出すのか」ちょっと考えてみたらわかると思うのです...ここに至って何故あれだけ菅直人がバッシングされたのか、何故自民党が「菅直人以外なら誰でもいい」なんて言ったのか、その意味も見えてきましたね。官僚の腹話術人形が欲しかったのでしょう。

 今まで新聞などの多くのアンケートでは、原発は当面必要な部分を維持しながらも長期的には廃止という国民の意見が多かったようですが、政府や電力会社がその意を汲んで自動的にその通りにしてくれると思うのはちょっと楽観的に過ぎると思います。即全原発廃止を叫ぶ多くの市民をヒステリックな人を見るような視点で「大人な」立場をとってきた多くの人に僕はお伝えしたいんですが、これでおわかりのように、一歩譲ると彼らはズルズルと全国の原発を動かそうとしますよ。悲しいことですが、彼らに反省の姿勢はありません。それを確信したのが昨日の会見でした。少なくともあの会見をみて「電力が足りないから再稼働するんだ」なんて単純に思わない方がよいと思います。

 なんてことを思っているうちに一句できました。

不安がる大飯(多い意)を無理矢理、再稼働

 国民の多数の意見などこの連中には関係ないようです。

柳泉園の瓦礫焼却

2012-06-04 06:01:42 | 原発
 僕の住む東村山の町から柳泉園というゴミ焼却場の煙突が見えます。
夜、帰宅途中に空を見上げるとその煙突から煙がたなびいているのが見えます。その柳泉園で宮城県女川町の瓦礫焼却を行うための住民説明会が開かれていたということを昨日たまたま知りました。
不思議なことにこの説明会は東久留米市、清瀬市、西東京市の住民を対象に行われており、目と鼻の先の東村山市民は対象外となっています。この焼却場(柳泉園組合)は対象となる3市から構成されているというのが理由なのでしょうが、地図をみればわかるようにこの施設は東久留米と東村山の境目に位置しています。煙は市の境を超えないとでもおもっているのでしょうか?

 さて、その説明会の内容を動画でみることが出来ました。こちらをクリックしてください。
とても納得のいく説明ではありませんね。

 いろいろ議論はあろうかと思いますが、僕の疑問点は以下の2点です。
①フィルターで放射性物質は除去されるというが、それは100%確実なのか? もしも現実にフィルターが機能しなかった場合、バックアップ機能はあるのか?
②不幸にして放射性物質が漏れ出したとき、一体どこの誰がどのように責任をとるのか?


 責任をとるといっても単に辞職するというのでは納得いきませんよね。原状回復あるいはそれに見合う補償はされるのか? (福島の現状をみていると両方とも不可能なのは容易に想像がつきますが。)
そもそもこの動画を見て、この人たちがしっかりと安全を確保し、かつ責任をとるような人種だと皆さんは思いますか?

 柳泉園周辺の地理状況についてはまとめてくれた人がいましたのでリンクを貼っておきました。クリックしてみて下さい。

おかしいよね。