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コルクのぶらぶら日記 

いつもぶらぶらしているようだけど....やっぱりブラブラしています。

安倍晋三と原発

2012-09-29 06:49:13 | 原発
 自民党の新しい総裁が安倍晋三に決定しましたね。多くのマスコミはまるで新しい総理大臣が誕生したようなはしゃぎようです。なにしろ今回の5人の候補はそれぞれ原発推進派。安倍氏は核燃料サイクルが完成すれば放射性物質は減るなんてことを平気でテレビで言っているような人です。もんじゅがどれだけ危険で、どれだけ無駄なカネをつぎこんできたか(税金を1兆円 1,000,000,000,000円ですよ)わかっているんでしょうか?
ちなみに安倍氏は総理大臣時代「津波が起きたら原発は危ないじゃないか」という共産党の質問に対して「原子炉の冷却ができないという状況にはならないようにしているので、そういった心配はしていない」と答えた張本人です。あんまり面白いので以下に吉井氏の質問と安倍氏の答弁を並べて引用しておきます。

(吉井氏質問)
 停止した後の原発では崩壊熱を除去出来なかったら、核燃料棒は焼損(バーン・アウト)するのではないのか。その場合の原発事故がどのような規模の事故になるのかについて、どういう評価を行っているか。

(安倍氏答弁)
 経済産業省としては、お尋ねの評価は行っておらず、原子炉の冷却ができない事態が生じないように安全の確保に万全を期しているところである。

(吉井氏質問)
 原発運転中に、膜沸騰状態に覆われて高温下での冷却不十分となると、核燃料棒の焼損(バーン・アウト)が起こる。焼損が発生した場合に、放射能汚染の規模がどのようなものになるのかをどう評価しているか。原子炉内に閉じ込めることができた場合、大気中に放出された場合、さらに原子炉破壊に至る規模の事故になった場合まで、それぞれの事故の規模ごとに、放射能汚染の規模や内容がどうなるかを示されたい。

(安倍氏答弁)
経済産業省としては、お尋ねの評価は行っておらず、原子炉の冷却ができない事態が生じないように安全の確保に万全を期しているところである。
(参考:低気温のエクスタシーbyはなゆー

 さてこんな人間を総理大臣にしようと原発ムラはこれからフル稼働(笑)でマスコミにプレッシャーをかけてくるんでしょうね。尖閣問題に国民の関心を向けつつ気がついた時にはあっちでもこっちでも再稼働という状況を作りたいんじゃないでしょうか。

 それにしてもこの人、ずいぶん勇ましいことを言っているけれど今度オナカが痛くなったらどうするんでしょう????? 薬ってそんなに万能なの?




線の外交、面の外交

2012-09-27 07:30:34 | 原発
 外交の話なんだけど、日本は直接中国や韓国と話をする一方でもっと他の国と連携を取った方がいいんじゃないかな。例えばベトナムとかインドとかフィリッピンとかアメリカとかおフランスとか。当事国との交渉は線の外交。だけど本当に必要なのはもっと複数の国と連携をとることなんじゃないでしょうか。

民主党と自民党

2012-09-22 06:32:23 | 原発
 民主党の代表選挙が終わりました。でも多くの国民はしらけた気持ちで成り行きをみていたのではないでしょうか。原発問題ひとつとってみても、国民の意志に反して再稼働したり、口では30年代にゼロにするといっておきながら新しい原発の建設を認めたり、無茶苦茶な政党です。多くの党員が離党してもう青息吐息といったこの政党がもう政権担当する日は長くないと感じているのではないでしょうか。

 ではもう一方の自民党ですがね、僕はここはもっとダメだと思いますよ。
今回の5名の候補者を見ていても誰ひとりとして原発をゼロにしようなんて人はいません。日本に54もの原発を作り続け、安全だと国民を騙し続け、散々利権をむさぼってきた癖に爆発してみたら民主党に責任を押し付けてまるで他人ごとのような態度で自分の責任を全くとらず、揚句のはてに原発はまだ続けるという人たちですよ。石破に至ってはあの事故の後に娘を東京電力に入社させていますからね。 こんな人がまともにエネルギー戦略を語れると思いますか?

 正直いって政治家が何を言おうが原発はゼロにする以外ないのです。原発が無くても電力が足りるということもわかってしまったし、原発の電気が安いなんてバカバカしいウソにも気がついてしまいました。(そのウソで電気代値上げなんて言って消費者を脅迫していますが。)なによりもこれからも生み出される高濃度の放射性廃棄物(人間が近寄ると20秒で死ぬんですよ)を何万年もためておく場所なんか国内のどこにもないのですから。
 
 原発という不良資産をもつ電力会社は早晩債務超過に陥るでしょう。(きちんと国際会計基準にのっとって時価評価してもらいたいものです。)そんな企業を尻目に多くの他業種が発電に力を入れ始めています。経済は政治を超えて先に行きます。力のなくなった電力会社に利権という美味しい餌が無くなれば官僚も政治家もいつのまにかつまらないコンサートの客のように引いていきます。そうしたらさっさと発送電の分離を実現してしまえばいいだけのことです。僕は政治家には期待しません。企業に期待します。

震災から1年半たちました

2012-09-12 06:02:29 | 原発
 昨日で大震災から1年半がたちました。そして3月12日、日本で原発が爆発しました。
そして昨日の新聞は福島で子供の甲状腺癌が発見されたことを伝えています。県民健康管理調査の検討委員会(座長=山下俊一・福島県立医大副学長)で担当の鈴木真一教授は「チェルノブイリ事故後の発症増加は最短で4年」などとして、福島第1原発事故との因果関係を否定したそうです。
そりゃそうですよね。「直ちに健康に影響はない」のですから。
僕としてはもんじゅにしても柏崎刈羽にしても何度も事故を起こしては「環境に放射能の放出はない」と言い続けてついには爆発したのと同じもの言いに聞こえますけど。原発事故の影響を認めてしまうと補償問題になるので、最初から認めるつもりはないのだろうくらい今時誰だって想像つきますよ。
福島の子供の36%が甲状腺の異常をきたしているというのに、「専門家」は比較になるデータがないとか言って誤魔化しています。一方で自民党の総裁候補は安全な原発は動かしていくなんて平気で言っています。その言葉を福島の親の目の前で言ってみろよと思います。いままで散々安全だと宣伝していた原発が4発も爆発したという現実を一体どのようにとらえればそんな世迷いごとを言えるのか。

 1年半前の今日、首都圏が壊滅しかねないなんて有史以来最大の危機に日本はさらされていたのですよ。

日経新聞の原発プロパガンダ

2012-08-31 04:17:45 | 原発
 今日付けの日経新聞(WEB版)にこんな社説がでています。
日経新聞といえばそれなりのクォリティ・ペイパーだと思っている方も多いでしょうが考えていることの内実はこの程度のものです。赤字で引用しつつ僕の意見を添えておきますね。


タイトル:原発ゼロを性急に選んでいいのか
2012/8/31付  


 「政府は2030年に向けたエネルギー・環境戦略を決めるにあたり、原子力発電の全廃を選択すべきではない。
 私たちは福島第1原発事故を契機にエネルギー・環境政策を大きく変える必要があると主張してきた。原発の新設は難しくなり、原子力への依存は下がる。
 その代わり自然エネルギーを可能な限り増やし、環境影響に配慮しつつ化石燃料を賢く利用する必要がある。エネルギーの利用効率を高め、ムダをなくすことで総使用量を減らす努力も重要だ。
 しかし原子力を選択肢からはずすのは賢明ではない。日本のエネルギー自給率は約4%(原子力除く)。国産は自然エネ以外にわずかな石油と天然ガスだけだ。
 1970年代の2度の石油危機を通じ、ひとつのエネルギー源に依存しすぎる危うさを学んだ。政府が原発ゼロを選べば資源国が日本の足元をみるのは避けがたい。多様なエネルギーの選択肢を手中にとどめおくことこそ、広い意味で国の安全保障にほかならない。」


 エネルギーの選択肢を増やすべきということには僕も賛成です。でも「国産は石油と天然ガスだけ」とはどういう意味なのでしょうか? 石炭はどこにいってしまったのでしょうか? 日本の豊富な水資源を利用した水力はどこにいってしまったのでしょうか? そもそも日経の筆者はそれではウランは国産だとでも思っていいるのでしょうか? 核燃料サイクルが完成すれば原発は自前の資源といえるのでしょうが、世界中でそんな錬金術みたいなことに成功した国はありません。さらに議論は温暖化問題を引き合いに出し始めます。

 「原子力は温暖化ガスの排出削減に有効だ。世界第3の経済国である日本が世界共通の課題解決に背を向けることはできない。」

 それでは世界第1と第2のアメリカと中国は温暖化対策に背を向けていないとでもいうのでしょうか? そもそも火力発電だけが温暖化の原因なのでしょうか? (ちょっと調べたらわかりますよね)
 それから、原発は確かに発電の段階ではCO2を出しませんが原子力のサイクルそのものがCO2を排出しないというわけではありません。「世界共通の課題」というならば福島から世界の海に垂れ流している膨大な放射性物質、そして収拾のメドのつかない福島4号機の燃料プールこそ世界的な懸念ではないのでしょうか。

 「自然エネルギーの実力は未知数だ。発電コストは下がるのか。電力の安定供給に支障はないか。当面は自然エネ拡大に全力を投じるにしても、普及に伴う利害得失を常に点検し、もし限界が見えたら戦略を見直す柔軟さが要る。そのためにも選択肢は多い方がいい。」

 原発の廃炉費用も廃棄物処理のコストも未知数です。それらを計算にいれた原発の本当の発電コストはいくらなのか。計画停電や節電キャンペーンはただの脅しではなかったのか。関西の今年の夏の電力事情は本当のところはどうだったのか。ちゃんと利害得失を原発に関して点検するべきでしょう。「もし限界が見えたら戦略を見直す柔軟さが要る」(笑) それは原発のことじゃあないでしょうか? たしかに選択肢は多い方がよいです。でも原発はそういった多くの選択肢のなかの一つに過ぎません。

 このあと議論はドイツ(エネルギーの3割を自給とわざわざ書いてます)でも脱原発まで長い議論を経たとし、さらにスウェーデンでは80年代に決めた脱原発の方針を凍結しているとしていますが、ドイツもスウェーデンも日本のような地震大国ではありませんから。切実さが違うのですよ。そして彼らは日本のような重大な事故をまだ起こしていないにも関わらずそのような選択をしたのです。それでは重大事故を起こした国はどうなったのでしょうか? アメリカは事実上原発の新設を凍結。メーカーも原発は採算が合わないからと撤退(日経新聞8月29日の記事参照...苦笑)。そして日本と同じレベル7の事故をおこしたソ連という国は地球上から消えてなくなりました(哀)。

 「原発をすべて止め火力発電で代替したと仮定すると、石油や天然ガスの輸入額が年間約3兆円余分にかかる。これは東日本大震災前の10年度に国内の全製造業が稼ぎ出した経常利益(約16兆円)のおよそ5分の1に相当する。
 化石燃料の輸入が増え続ければ、19年度にも日本の経常収支が赤字に転じる可能性があると、日本経済研究センターは試算する。」


 この段落こそ日本「経済」新聞の面目躍如というところなのでしょうが、そもそも経常利益という会計上の概念が非常に操作しやすい曖昧なものであるということは日経新聞を読んでいるようなビジネスマンなら常識なのではないでしょうか。損益計算書上は利益がでても貸借対照表上は体質が悪化しているという企業は世の中にたくさんあると思います。原発の廃炉と放射性物質の処理という巨大な「負債」についても「赤字」と同様に論じなければフェアではありません。何十万年とかかる放射性物質の処理コスト(近くに行っただけで1分もたたずに人間が死んでしまう様な凶悪な物質ですよ)を固定費のような扱いにして棚上げして、あたかも限界利益(売上マイナス流動コスト)だけで利益を議論しているように僕には見えるのですよ。それから経常収支(国際収支)ついて語るために突然登場した「日本経済研究センター」ってそもそも何なんでしょう? 初代会長が誰なのか、いままでどういう人が会長をやっていたのか、面白いからwikipediaで調べてみてね。溜息がでますよ。リンクを貼っておきました。

 さらに社説は燃料調達費の増大と電力不足が日本経済に多くの面でマイナスの影響を与えるとし、企業の生産能力の低下やコスト上昇につながり工場の海外移転を加速する恐れが大きいので雇用や所得の減少をもたらし国民生活を圧迫するのが心配だとしています。
ほーう、今度は国民生活を心配してくれるのでしょうか。海外流出といいますがそもそもそれは電気代だけの問題でしょうか。ちなみに「電気の缶詰」といわれるアルミ精製業は事故前の(つまり日経の言うコスト上昇前の)段階ですでに国外に流出していましたけど。おかしくないですか?

 「家計は電気料金があがっても節約で支払いを減らし、賄えるかもしれない。しかし製造業、とりわけ円高などでぎりぎりの経営を強いられてきた中小・零細の工場にとりエネルギーコストの上昇は死活問題だ。」

 こうなるとまるで電力会社の値上げは当然のことであるかのような書き方ですが、本当にそれが妥当なのか日経は検討しないのでしょうか。それこそがマスメディアの社会的な使命だと思うのですが。

 「原子力利用は安全確保が大前提だ。従来の安全規制に問題があったのは間違いなく、国民の多くが憤りを感じている。原子力規制委員会の発足を制度刷新の機会とし信頼回復を急がねばならない。」

 その安全確保が全く不透明だということが問題なのではないでしょうか。「原子力ムラ」というものの内実を知った国民の信頼を規制委員会の発足という小手先の技で回復できるとでもいうのでしょうか? そもそも「日本の原発は安全です」と巨大な広告費を使ってさんざん言っていたのにイザ事故が起きてみたら「想定外」と言いだすような企業に安全を任せていいと思っているのでしょうか。それから国民の多くが憤りを感じているのは今までさんざん原発は安全だといって原子力ムラの片棒を担いできたことに無反省で、しかも原発が爆発して放射能が環境に漏れ出しても「この程度の放射能は安全です」なんて真顔で言うマスメディアに対してもですから。わかっているのでしょうか?

 つづいてこの社説は「廃棄物問題に道筋を」という見出しで次のように議論を進めます。

「使用済み核燃料や廃棄物の処分について政府は早期に道筋を示さねばならない。明確な方策がないまま、長く原子力を使い続けることに抵抗感を抱く人は多い。」

 道筋を示すと言ったって...ねえ。トイレのないマンションといわれたまま闇雲に原発を推進してきて、廃棄物の問題は植木等でもあるまいに「そのうち何とかなるだろう」とばかり目をつぶってきたところで「実はどうにもならない」と多くの人が気がつき始めたのが現状ではないでしょうか? 「そういうあなたこそどう道筋がつけるべきだとおもっているのさ?」とツッコミを入れたくなりますね。

 このあとも日本の技術と(事故の??)経験は世界の他の国の原発の安全の向上に役に立つといったトホホな議論を展開します。たった3日のうちに原発を4発も爆発させてしまった国の技術なんて反面教師という意味では役に立つのでしょうが、積極的に胸を張って言えるものなのでしょうか。

 さらにこのあと意見聴取会で多く支持された原発ゼロの考え方についてネガティブな意見が展開されます。
その根拠は
①30代以下の意見が少ない 
②政策決定にあたっての材料の一つにすぎない
といったものなのですが、やれやれですね。
30代以下といいますが意見聴取会ってそもそも成人が参加するのじゃないですか? 
平均寿命80歳近くの日本において30代以下の意見が少ないのを「世代間の意見の偏り」とするのは無理があるのじゃあないでしょうか。だって30代以下には小学生も入るんですよ。

 それでもってこの社説は以下の結論で締めくくられます。

「最後は政治の判断だ。何が本当に国民の安全・安心につながるのか。政府は大局的な観点から責任ある判断を下してもらいたい。」


 この書き方はちょっとどうかと思いますね。もしも本当にそう思うのならば「自分たちは原発は国民の安全・安心につながると思うので政府は原発を凍結するな。」と書くべきでしょう。なんで最後になって判断を「政治」に丸投げするのでしょう。ちなみに入試問題などで国語の読解問題の間違った選択肢を作成するとき「一般論としては正しいが文中では言われていない」というのがありますがそれを思い出しました。「大局的な判断をする」のは大いに結構です。だれも反対しないでしょう。でもそれはこの文章の作者の意見全体に誰も反対しないという意味ではありません。

 まあご興味のある方はこちらで全文を読んでみてください。