食品業界の衝撃的な裏側を告白している本です。
添加物の怖さを語り、非添加物信者を誘発する
書籍や記事は色々あります。
この本はそうではなく、
事実を語り、消費者の知識を高めることを目的としています。
著者は、添加物の専門商社に勤めるトップセールスマンでした。
そんな彼がある日、家に帰ると、
娘が美味しそうにミートボールを食べていました。
著者はそのミートボールに驚愕。
そして著者は、娘に
これは食べてはいかん!!
と言い、美味しそうに食べているミートボールを取り上げました。
娘から取り上げたそれは、
自分が提案した添加物で出来上がったミートボール。
廃棄寸前のカタチにすらなっていないクズ肉を
何十種類という添加物で食品に仕上げたものでした。
この出来事に著者は言いようのない衝撃を受けます。
自分の娘に食べさせたくはないものを、
平気で売り込んでいたその自分に。
著者はこの事実を受けてこう語っています。
「兵器売買をする死の商人と同じだ」
と。
と言う出来事を発端に、
著者は食品の裏側を告白する人となりました。
で、この本にはその告白が書かれています。
いくつか例が出ています。
明太子、ハム、かまぼこ、カップラーメン、
フレッシュサラダ、コーヒーフレッシュ...等々。
実際の商品名は出していませんが、
想定可能なものもあります。
例えば、コチニール色素という添加物を使用した食品。
コチニール色素とは、
サボテンに寄生するエンジムシ(学名:コチニールカイガラムシ)
という虫をすりつぶし乾燥させたものです。
想定するに、大塚製薬のファイブミニ。
調べてみると原料にコチニール色素が入ってました。
それが危険かそうでないかは別にして、
この事実を知って、なお好んで買う人がいるかどうか。
あと、なんでコチニール色素なんていう名前になるんですかね?
乾燥コチニールカイガラムシ
って表記すればわかりやすいと思うんですけど。
ま、コチニールは大昔から使用されている着色料で、
エンジ色の衣料なんかには良く使われるらしいです。
あと、コーヒーフレッシュ。
これは真実を知って衝撃を受けました。
お店で無料で提供しているコーヒーフレッシュは、
はサラダ油と水を乳化剤で混ぜ合わせて、
添加物で味付けしたミルクとはまったくのニセモノ。
この事実を知って、なお好んで使う人がいるかどうか。
プリンハムの話も衝撃的でした。
とまあ、こんな事例がたくさんでてきます。
詳しい話は実際に読んでください。
食品添加物を使えば安く、手軽で便利な食品を手に入れることができます。
その恩恵は我々自身が大きく理解していることだと思います。
でも、それと引き換えに多くのものを失っています。
それに気づいて欲しい、
という強い思いが書かれています。
私はよく、嫁さんに
安けりゃいいってもんぢゃない
と言います。
これは結婚する前から言ってました。
が、家計を預かっている身としては
そうも言ってられない現実があるとは思います。
でも、この本を読んで、
なんでもかんでも安いからって、買って食べると言うのは
やはり考えなければならない
と強く思いました。
そして最後に食品に対する姿勢に言及しています。
料理と言うのは手間隙が非常にかかるものだということ。
そして、料理と言うのは尊いものだということ。
その尊さを未来を担う子供に教えていかなければならないということ。
以前、
お金を払っている給食を食べるのに、
子供に「いただきます」と言わせるな!
という親からの苦情を受けたという学校の話を聞きました。
こんな愚か者にこそ、この本を読んで欲しい。
「いただきます」は、
その食品の命をいただきますという意味。(本書より)
そして、
作ってくれた人に対して感謝するという意味。
があります。
作ってくれた人と言うのは、
原料を作った農家の人から、食卓に届けてくれた人、
そして調理してくれた人と、
その料理が出来上がるまでに関わった人々のことです。
お金を払っているから感謝を示さなくていいというのはまさに愚の骨頂。
では、
タクシーに乗った後、運転手にお礼を言わなくていいのですか?
散髪してもらった後、理容師にお礼を言わなくていいのですか?
志望校に合格した後、塾の講師にお礼を言わなくていいのですか?
ちょっと話がそれてしまいました...。
とにかく、この本は、今の日本において、
極めて重要な位置づけにあると思います。
是非とも、日本の全国民に読んでもらいたい本です。

食品の裏側
独断評価:★★★★★★★★★★