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希望の道

我が愛娘の記録です。

盾(シールド)

2006-08-15 14:17:11 | 
村上龍の盾(シールド)を読みました。


人間の中心にあるやわらかいものを守るための盾とは何なのか?

それを、人生の数十年をかけて、
キジマとコジマという二人の男が
見つけるまでの過程を綴っています。

日本のある部分を縮図にしたような本で、
大人向けの絵本といった感じです。


読み終わった後、私の盾は何なのか考えてみました。

まずは
今勤めている会社
です。
これがなければ生きていけません。
でも、今の会社でなくても、
生きていける自身はあります。

そして、
極めて楽観主義のこの性格
この性格が変わらない限りは、
まず大丈夫だろうなぁ、
と思ってます。
嫁さんにもよく言われますし...

あとひとつは、
嫁さんかなぁ
なんて思いました。
顔見ただけで和めるから。(笑えるから?)
というのと、
家族のために後ろに引けない
ってゆ~この思いを起こさせてくれてるから。
って考えたら、
嫁さんの盾になっているのが私
という気がしました。


児童推薦図書でも良いと思います。

独断評価:★★★★


ドリームボックス ~殺されてゆくペットたち~

2006-08-04 14:02:32 | 
ドリームボックス ~殺されてゆくペットたち~
を読みました。

日本の巨大市場になっているペット産業。
その裏側の闇の部分を小説化したものです。

動物愛護センターの現実を綴っています。
フィクションだけど、実情はノンフィクション。

この本を読むと、
日本人の無責任さ、道徳のなさに打ちひしがれます。
腹立たしさ、虚しさ、悲しさ、
と、色んな感情が湧いてきます。

この本を読む前から、
年間約40万の猫・犬が殺処分されている
ということは知っていましたが、
より詳しい現状を知ることができました。

ペットが欲しいと思っている人が、
その前にまず読んでおくべき本と言えます。
ペットを飼っている人も同様。
それ以外の人にも、是非読んでもらいたい本です。

独断評価:★★★★★


ドリームボックス



半島を出よ

2006-06-02 10:39:50 | 
村上龍の超大作です。

時は近未来の日本。
北朝鮮軍が、日本侵略を目的に福岡県から攻め入ってきます。
侵略軍を封鎖するため、日本政府は九州を切り離します。
が、それ以上の対応を何も打つことができず、
九州に住む人々は不安な日々を暮らしていました。
そんな日々の裏で、社会から不適合とされた人間の一集団が動き始めました。

と、大雑把にまとめるとこんな内容の話です。

北朝鮮の社会が、結構細かく記されています。
かなりの取材を積んだことが感じられます。

そして、社会不適合集団の人々。
最近の日本を見ると、
結構、物語上だけの存在とは思えないような気がします。

かなり残酷な描写が多々出てきます。
結構、気分を害します。
そういった表現が苦手な人は読まない方が良いです。
あまりにも、鮮明に想像できてしまうので。

起承転結の承の部分が非常に長いです。
で、転に入ったら、一気に突き進みます。
転に入ってからは、
一気に読み進めないではいられませんでした。

独断評価:★★★


半島を出よ(上)



半島を出よ(下)


東京タワー ~オカンとボクと、時々、オトン~

2006-05-29 10:48:56 | 
母親の子に対する想いの深さと、
子の母親に対する想いを綴った本です。

文章はコミカルで、非常に読みやすく、
楽しみながら読むことができます。

はっきり言って、
文章の文学度を求める方には合わない本です。
小学生にでも読めるレベルですし。

細かいことを気にせず、
素直に物語を楽しめる人には感動作となります。

読み終えた後、自分の母親に会いたくなる本です。

独断評価:★★★★


東京タワー

きょう一日を、生き抜いて

2006-05-18 15:17:35 | 
般若心経を説く御年99歳になる
お坊さんが書いた本です。

生きていくための心がけ、智慧、
そして人の世を説いています。

仏教の教えを基に、
著者の解釈を交えて、
わかりやすく説いています。
反対する部分もありますが、
全般的に、諭されます。

私は無宗教ゆえ、今まで知りませんでしたが、
仏教の教えに感動しました。
仏教は人のあるべき姿を説いているものなんですね。
特に大乗仏教の教えには感動しました。

昨今の世知辛い世の中に生きる我々に、
大きな「気づき」を与えてくれる良書です。
何回でも読み返したい、そんな本です。

独断評価:★★★★★


きょう一日を、生き抜いて


Amazon

食品の裏側

2006-05-10 11:48:04 | 
食品業界の衝撃的な裏側を告白している本です。

添加物の怖さを語り、非添加物信者を誘発する
書籍や記事は色々あります。
この本はそうではなく、
事実を語り、消費者の知識を高めることを目的としています。


著者は、添加物の専門商社に勤めるトップセールスマンでした。
そんな彼がある日、家に帰ると、
娘が美味しそうにミートボールを食べていました。
著者はそのミートボールに驚愕。
そして著者は、娘に
これは食べてはいかん!!
と言い、美味しそうに食べているミートボールを取り上げました。
娘から取り上げたそれは、
自分が提案した添加物で出来上がったミートボール。
廃棄寸前のカタチにすらなっていないクズ肉を
何十種類という添加物で食品に仕上げたものでした。

この出来事に著者は言いようのない衝撃を受けます。
自分の娘に食べさせたくはないものを、
平気で売り込んでいたその自分に。
著者はこの事実を受けてこう語っています。
「兵器売買をする死の商人と同じだ」
と。


と言う出来事を発端に、
著者は食品の裏側を告白する人となりました。
で、この本にはその告白が書かれています。

いくつか例が出ています。
明太子、ハム、かまぼこ、カップラーメン、
フレッシュサラダ、コーヒーフレッシュ...等々。

実際の商品名は出していませんが、
想定可能なものもあります。

例えば、コチニール色素という添加物を使用した食品。
コチニール色素とは、
サボテンに寄生するエンジムシ(学名:コチニールカイガラムシ)
という虫をすりつぶし乾燥させたものです。

想定するに、大塚製薬のファイブミニ。
調べてみると原料にコチニール色素が入ってました。
それが危険かそうでないかは別にして、
この事実を知って、なお好んで買う人がいるかどうか。
あと、なんでコチニール色素なんていう名前になるんですかね?
乾燥コチニールカイガラムシ
って表記すればわかりやすいと思うんですけど。
ま、コチニールは大昔から使用されている着色料で、
エンジ色の衣料なんかには良く使われるらしいです。

あと、コーヒーフレッシュ。
これは真実を知って衝撃を受けました。
お店で無料で提供しているコーヒーフレッシュは、
はサラダ油と水を乳化剤で混ぜ合わせて、
添加物で味付けしたミルクとはまったくのニセモノ。

この事実を知って、なお好んで使う人がいるかどうか。

プリンハムの話も衝撃的でした。

とまあ、こんな事例がたくさんでてきます。
詳しい話は実際に読んでください。

食品添加物を使えば安く、手軽で便利な食品を手に入れることができます。
その恩恵は我々自身が大きく理解していることだと思います。
でも、それと引き換えに多くのものを失っています。
それに気づいて欲しい、
という強い思いが書かれています。

私はよく、嫁さんに
安けりゃいいってもんぢゃない
と言います。
これは結婚する前から言ってました。
が、家計を預かっている身としては
そうも言ってられない現実があるとは思います。
でも、この本を読んで、
なんでもかんでも安いからって、買って食べると言うのは
やはり考えなければならない

と強く思いました。

そして最後に食品に対する姿勢に言及しています。
料理と言うのは手間隙が非常にかかるものだということ。
そして、料理と言うのは尊いものだということ。
その尊さを未来を担う子供に教えていかなければならないということ。

以前、
お金を払っている給食を食べるのに、
子供に「いただきます」と言わせるな!

という親からの苦情を受けたという学校の話を聞きました。
こんな愚か者にこそ、この本を読んで欲しい。
「いただきます」は、
その食品の命をいただきますという意味。(本書より)
そして、
作ってくれた人に対して感謝するという意味。
があります。
作ってくれた人と言うのは、
原料を作った農家の人から、食卓に届けてくれた人、
そして調理してくれた人と、
その料理が出来上がるまでに関わった人々のことです。

お金を払っているから感謝を示さなくていいというのはまさに愚の骨頂。
では、
タクシーに乗った後、運転手にお礼を言わなくていいのですか?
散髪してもらった後、理容師にお礼を言わなくていいのですか?
志望校に合格した後、塾の講師にお礼を言わなくていいのですか?
ちょっと話がそれてしまいました...。

とにかく、この本は、今の日本において、
極めて重要な位置づけにあると思います。
是非とも、日本の全国民に読んでもらいたい本です。


食品の裏側


独断評価:★★★★★★★★★★

即戦力の磨き方

2006-04-25 10:33:16 | 
雑誌や、メール、Web では大前氏の記事を良く読むのですが、
書籍を読むのは初めてです。

内容は、

これからの時代を生きていくのに必要な要素。

・語学力
・財務力
・問題解決力

それが必要とされる背景、
そしてそれを身に付けるための方法に関して
書かれています。
氏がよく使う
・マルチプル経済
・サイバー社会
・ボーダレス経済
という単語も度々出てきます。

ひとつひとつ、非常に納得できる内容です。
ただひとつ、
「住居は賃貸で良い」
という意見だけは反対ですが。

これからの社会を生きていくビジネスマンとして、
危機感を持っている方には、
良い励みの書となるのではないでしょうか。

私はこの本を読んで、
早速 CNN の Podcast をダウンロードしました。

独断評価:★★★★★


即戦力の磨き方



追記:
「住居は賃貸で良い」へ反対の理由
住居は購入すれば、例えローンが多く残っていても、
それは資産になります。
私が不慮の事故で死んだとしても、住居は残ります。
そして、ローンは私の命とともになくなります。
結果、残された家族の支えとなります。

残された家族が、人生を歩んでいくのにゆとりのある
財力、能力を持っているのであれば別ですが、
そうでなければ、多少生活が苦しくなっても、
住居は購入すべき、と私は考えます。

結婚して家族を持つと、自分の人生だけを考えればいい
というわけにはいきませんからね。
生命保険や入院保険も、自分より家族のことを考えて、
というのものですし。

ということで、
私は一昨年、頑張って住居を購入しました。
さすがに、高額なローン返済はきついですけどね...。

きみの友だち

2006-04-24 11:35:26 | 
恵美を中心にして、
その家族、友人の学校生活を描いています。

恵美は小学校五年生の時に、
交通事故で脚を複雑骨折し、
一生松葉杖が離せない身体になってしまいました。
それをきっかけに、いつも一人でいる由香と付き合うようになります。

という話から始って、
周りの人たちへの物語へと展開していきます。

重松氏の得意な、学生同士でのいじめや友情が描かれています。

友だちとは何でしょう?
みんなとは?
人間関係とは?

そんなことが描かれている作品です。

人間の暗い部分、弱い部分、強がっていないと自分を保っていられない部分。
出演者それぞれが持つ人間くさい部分を繊細に描いています。

終盤は、ところどころで涙します。
読み終わった後は爽やかな気分になれます。

独断評価:★★★★


きもの友だち



アシュリー

2006-04-04 10:34:38 | 
TV のドキュメンタリーで、
プロジェリアという病気を知り、
その病に犯されているアシュリーと言う少女を知りました。

で、早速本を購入。


みじかい命を抱きしめて


まずはアシュリーの母親の自伝。
まさに波乱万丈。
というか、過去の彼女は腐ってます。
ドラッグパーティなどに通い、ドラッグ漬けの日々。
その中でアシュリーを生みます。
アシュリーの病気は、
そんな母親の日々が原因のような気もしないではないですが...。
しかし、そんな母親を見ながらも育ったアシュリーは、
純情&究極的な前向き指向。
そんな環境でどうしてそのように育って行ったのかが
非常に不思議です。
この本は、アシュリーのことというよりは、
アシュリーの母親のことについて書かれています。
そんな中、感動したのは、
「生まれ変わったら何になりたい?」
という質問に対してのアシュリーの回答。
「もう一度私になりたい」
この一文には涙しました。
私も比較的(というか究極的に近い)前向き指向。
後悔というものには、基本的に縁がありません。
でも、アシュリーが置かれている状況に自分がなったとき、
アシュリーと同じような回答が出るかは、
まったく自信がありません。


アシュリー ~All About Ashley~


こちらは、写真と直筆のイラストとともに、
アシュリーがテーマごとに書き綴ったものです。
悲観的な部分は一切ありません。
常に「私はハッピー」と言い続け、
自分が直面する人生を全力で生きていることを伝えています。

後ろ向きになっている人は、
この本を読んで元気つけられるかも知れません。

独断評価:★★★★★

死にゆく者からの言葉

2006-03-14 10:34:07 | 
十年前に出版された本ですが、
PRESIDENT に紹介されていたので、
買って読んでみました。


死にゆく者からの言葉


修道院のシスターである著者が、
死を目前とした方々との、
死を迎えるまでの時間を書き留めた本です。

生きることの意味

これを深く説いている本です。

泣ける話が多くありますが、中でも
幸福のいる場所
鎮魂歌

は号泣です。
耐え難き感動を呼び起こします。
共に子供の話ですが、
涙無しには読めません。
何回読んでも涙します。

死に対しての物語ですが、
決して後ろ向きな気持ちになる本ではなく、
むしろ、前向きな気持ちになれる本です。

何回でも読み返したい本です。

独断評価:★★★★★