世田谷区立 千歳台福祉園のブログです!

ここでは千歳台福祉園のことを紹介していきます。

集中か、共感か、大事にすることは何なのか

2012年08月06日 18時19分17秒 | インポート

 実習生を受け入れ、学校教員や母親の見学の場面にしばしば出会っています。その中でいくつかズレを感じる状況に立ち会いました。目の前の事態をどう感じ取るかで次の対応が変わるだけに、生活センスや支援観を考える機会でもありました。

●「私がいると集中しないから・・・」(母親)

 実習生Aさんは、ペグ刺しに取り組んでいる時、得意課題ということで表情良くペグに手を出していました。その折、机の向かい側の母親を覗いたり、声が出たり・・・。母親は「私のことが気になって、集中しないから」と目を合わせないようにされ、そのうちに廊下に出て行かれました。母親は今することに集中させなくてはと、彼の足を引っ張るようなことはしたくないとの思いだったようです。では、彼の思いはどうだったのでしょうか。彼の思いと母親の受け止めとの間に大きな開きがあり、何とももったいないずれになっていると感じました。

●「見て、見て、上手でしょ・・・」

 母親は、なぜ集中しないからと目を合わせないのだろう?後で、母親は次のように話しています。集中することで、できることが確かになる、これは大事なことだから邪魔にならないようにと遠慮したのだ、と。集中=技能の積み上げという発達促進につながる視点に立って、彼の行為を解釈したようです。では、彼はどんな思いで、母親の方を覗いていたのでしょう?この問いには、「甘えてしまって・・・」と言葉がつながりませんでした。母親の方を覗く行為を集中しない姿と母親の視点で解釈し、大事な発達促進の点でマイナスになっていると認識したようでした。

 しかし、このことで、私の受け止めと母親の解釈との違いや落差の大きさに驚きを感じました。彼の思いは、「できたよ」「上手でしょ」「お母さん見てよ」と言わんばかりの気持ちではなかったのか。私にはそのように感じられたのです。母親に共感を求めて覗き込んだのに目を合わせてくれず、気持ちの高ぶりが空回りしたことでしょう。発達促進を優先する母親と、共感を求める彼とがかみ合わなかったのです。

●共感が生み出すもの

 「そう、できたね」「上手だね」と共感してもらうことで、「よし、もう1回」と意欲に、「どう、上手でしょ」と自信に、「お母さんはちゃんと見てくれる」と信頼に、「やっぱり、これでいいのだ」と安心等々につながっていく土壌なのだろうと思うのです。

 一方で、集中できるかできないかに力点を置くと、彼の思いとのずれが際立ち、「これではダメなのか」と不安に、「もっと頑張るの?」と焦りに、親子のつながりの土壌が揺れてしまう一こまになりかねない、と心配されました。

 さて、発達促進を大事にするにしても、「やってみよう」との気持ちを揺さぶらなければ始まらないのですから、「それでいいね」と注ぎ込むことで自信に、意欲に、さらに集中力につなげ、発達促進の土壌にも大きく反映していくと言えます。

施設長 村瀬精二


8月の予定

2012年08月06日 08時20分44秒 | インポート

皆さん、暑い日が続いていますがいかがお過ごしですか。熱中症にお気を付けください。

8月の予定です。

28日 Bグループ一日外出

29日 Dグループ昼食外出

31日 Cグループ喫茶外出

お知らせ

今年も9月が近づいてきました。

第10回秋桜祭を9月15日(土)に1階千歳台地区会館利用者の方々と開催します。当日は、地域の方々のイベント出し物や、保護者の会による模擬店やバザー、千歳台福祉園利用者の作品販売等々、いろいろな催しがありますので、皆さん、ぜひ足をお運びください。ボランティアも募集中です。興味のある方はご連絡ください。

℡ 03-3789-9801  

ボランティア担当 青山・重岡