世田谷区立 千歳台福祉園のブログです!

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1月5日(大安) 成人式・新年会を開きました

2012年01月12日 17時52分40秒 | インポート

 あけましておめでとうございます。今年もよろしくお願いします。

 『節目の年を祝う』

 例年、成人祝会とともに新年会で30歳、40歳等の節目の年としてお祝いしています。ハレの日としてお餅をつき、思い出を振り返る時間をとったり、和やかに過ごしています。今年は二十歳の方がお一人、節目の方が三人いらっしゃいました。

 節目のお祝い席で仲間から花束をいただきます。Aさんは母親と二人してメイン席に、母親の促しで立ち、花束をいただくのですが、この間の表情が印象的でした。立ち方にも、手の上げ方にも次に花束をもらう心の準備が出ていて、穏やかな笑顔から嬉しいんだなと感じさせました。

 『どのように理解しているのだろう』

 でも、Aさんが節目をどのように理解しているのか、定かではありません。おそらく、前々から「お祝いするよ」「花束もらうよ」と伝えられてきたのでしょう。何となく自分の置かれた立場が晴れがましいことのように感じ、期待しながら今を迎えているのであろうと想像されました。

 分からなくても、感じている姿があります。いっぱいプラスの言葉かけを受けて晴れがましく、嬉しくて、何となく期待する気持ちへと、心のありようが整ってきたのでしょう。小さい頃からの写真をスライドにして、母親の説明で一緒に見ましたが、ここも穏やかな表情でした。

 『感じる力-注ぎ込む関係を大事にする』

 さて、障害の重い方の主体性はどのように描いていけばよいのでしょうか。私たちは施設ミッションとして「本人主体の実現」を掲げています。彼は対人関係が淡白であり、積極的に表現し切れない今です。構造化された環境の中で、ある程度の落ち着きを得ています。そこをベースにどのような関係を築き、どのような主体性を実現できるのでしょうか。

 彼の立ち方、手の出し方、表情に思いが表れているのですから、この姿こそ彼の主体の実現であると捉えてよいのでしょう。すると、事前の働きかけが彼の思いを形づくり、心のありようを準備してきた、と言えます。意思決定支援の考え方につながる視点です。

 私たちは日々の実践をもう一度振り返り、どんな影響を及ぼす関わりであったのだろうかと、考えながらすすめていきたいものです。