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(中国)上海での電力不足深刻、きらびやかなネオンが姿を消す?

2005年05月10日 | 環境一般
上海のネオン照明は「夜の上海を着飾る美容師」とも称され、「不夜城」の華やかさと美しさを彩ってきた。ところが、電力不足が日に日に深刻になるにつれ、上海は、電力やエネルギーを消耗して作り出す「人工不夜城」よりも省エネを選択し、ネオン照明を行わないことにした。

 9日行われた、2005年中国緑色(グリーン=環境面重視の意味合いを持つ)照明国際会議および第6回国際高効率照明会議上で、上海市副市長の胡延照氏は、「上海は、ネオン灯や街灯の省エネモデルプロジェクトを始めており、今後3年内に黄浦江両岸のネオン灯の技術改革を行ない、一部のビル電力過度消費、エネルギー浪費と光汚染の基準超過問題を解決し、合理的に省エネ環境保護を行う一方で、きらびやかさと美しさを失わず、幽雅かつ調和のとれてた照明作りの実現を目指す」と話した。これは上海が今後「人工ネオン照明」をしていかない方針を示している。

 近年、国民経済の急速な発展と生活水準向上に伴い、上海の電力消費量は日増しに増えている。2004年の全市電力消費量は821.44億キロワット/時で、前年と比べ10.1%も増えている。さらに、上海はエネルギーを自己供給しておらず、ほとんど他の市や省に頼っている。従って、省エネは上海にとって様々な影響をもたらすことになるだろう。
 
 上海は循環経済を積極的に推進し、資源節約型都市の構築に力を入れている。上海は国家発展改革委員会が実施している、全世界環境基金(GEF)と国連開発計画(UNDP)より援助を受けている「中国グリーン照明促進プロジェクト」に参加、42万個の高効率照明器具を普及させ、計53社がこのプロジェクトに参加した。既存の照明器具を省エネモデルに切り替えることで、ピーク時の電力消費は6620キロワット減少し、年間の節電量は700万キロワット/時に、発電用の炭の消費も年間で4000トン節約できることになる。

 また上海で始まったネオン灯や街灯の省エネモデルプロジェクトでは、淮海路商業街にある35基の電灯に備え付けられている約6500個の40ワット白熱電灯をすべて3ワットの省エネ型ランプに切り替えた。これにより、電力は90%も節約でき、更に既存の景観も損なわずにすんだ。

 「日不落(日が落ちることがない)」、「不夜城」という上海の形容詞はもはや国際化や近代化の象徴ではない。発展中の上海とっては、省エネ電灯で一新された町並みこそ、明るい未来が待ち受けているだろう。

新華通信
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