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グスタボ・デ・トレレウ

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 サンティアゴから一気に2,500km、ブエノスアイレスから南に1,400km離れたトレレウ(Trelew/英:トレリュー)に行ってまいりました。昨年小川紀美代さんのCDでご一緒したグスタボ・ジョーンズに会うためで、空港ではグスタボと、お父さんのオマール、お母さんのエルビラ、お兄さんのギジェルモが出迎えてくれました。

 瀬賀倫夫さんからつながるもうひとつのご縁、昨年9月に紀美代さんとDaijitoさんが南米ツアーをしてこのトレレウでグスタボとのコンサートを行ったとき、実は私もとても行きたかったのですが残念ながら日程が合わず・・・それでも4ヶ月半後に追ってトレレウに来ることができました。紹介いただき感謝です!

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 当初はただパタゴニアに行きたい、グスタボ家に遊びにいくつもりだったのが、今回来るにあたって紀美代さんから教えていただいたオマールのメールアドレスで何度かやりとりをしているうちに、「コンサートをやろう!」ということになり、2日後にいきなりセッティングいただいてしまいました。会場はMEF(Museo Egidio Feruglio)という博物館内のホール。紀美代さんとDaijitoさんもこちらでコンサートを行ったそうです。


 コンサート前日グスタボと練習。つい昨日初めて直接会ったばかりなのですが、レコーディングですでに「共演」しているのでまったくそんな気がしません。Kimiyo-Chiei-Gustavo-DaijitoによるCD「Encuentro」には比較的タンゴが多く収録されていますが、今回はアルゼンチンのフォルクローレづくし。サンバ、チャカレーラ、サンバ、と一緒にできる曲をどんどん増やしていくうちに20曲を超えてしまいました。結局お互いのソロとアンコール2曲を含めて18曲、予備2曲ということで落ち着きます。


 彼は目が見えないのですがその分本当に耳が研ぎすまされていて、ピアノやギターも迷いなく力を発揮しきってるのがすごいです。気がついたら昼寝をはさんで6時間以上弾いてました。

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 当日は20時半開演。直前のブッキングにも関わらず、地元の新聞に大きく掲載された効果もあってたくさんのお客さんがみえました。司会の方に一人ずつ紹介されてステージへ。もちろんグスタボはオマールのエスコートで入ります。グスタボのMC。これまで練習の時以外あまりしゃべらなかったグスタボが流れる水のごとく語り始めます。さすがアルゼンチン人、マイクを持たせたらすごいです。

 グスタボはピアノ(キーボード)をメインに時々ギターに持ち替えながら、私も2曲だけボンボで参加。タンゴもそうですが、サンバやチャカレーラも一曲が2~3分ととても短いのであっという間に進んでいきます。無料のコンサートなのでお客さんもどんどん入ってきて、いろいろかけ声をかけてくれたり一緒に歌ってくれたりして、最終的には満員に、休憩なし90分のステージになりました。

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 アンコールにこたえてグスタボ「もっと聴きたい?」「Si !」すっかりのってます。予備曲も投入して結局アンコール4曲もやってしまいました・・・最後は手をつないで中央の通路を一緒に退場。花道みたいですね。


 2月早々またしてもすごいコンサートになりました。しかしその反動とこれまでの累積でとうとう翌日ダウン・・・2年に1回くらいかかる胃腸炎の症状がでてしまいました。その週の後半はオマール宅で療養、スープパスタなどメニューも変えつついろいろ面倒をみていただきました・・・

 それでもだいぶ回復して、週末にはトレレウ近郊の町や海に連れてってもらいました。オマールとグスタボはイギリスのウェールズにルーツがあるそうです(グスタボのひいひいおじいちゃんが19世紀にトレレウ近くにあるガイマンに入植)。パタゴニア北部の大地を走ります。とても乾燥していて砂漠化が進み環境問題にもなっていますが、はるか昔は緑に覆われていて、恐竜や2億年前くらいの動植物の化石がたくさん見つかっています。MEFの展示で初めて知った内容ですいません。

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 日曜日はオマール宅でのアサドをごちそうに、間に合ってよかったです。そして海。途中の道路脇に普通にグアナコがいます。60kmドライブして港町プエルト・マドリン近くの保護区でアザラシの群れ(!)を見学。崖の上から眺めるので望遠でしたがものすごい鳴き声でした。9月ごろはペンギンも北上してくるそうなので、その時期また来たいです。

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 グスタボが「何が見える?」といろいろ聞いてきます。彼も風の音を聴き、大地に触れ、海の香りをあおぎ、時々みんなでほこりをかぶりながら・・・静かに、めいっぱいアンテナを開いているようで、見ていて私も感動してしまいました。翌日私はブエノスアイレスに戻り、グスタボもお母さんや仲間と車でアルゼンチン北部を旅行するそうです。こちらにきてからずっと感じているのですが、自分の主観として旅をしているだけでなく、一緒に過ごす人たちの「ある夏」に立ち会っている、それがとてもうれしく思います。こちらの旅もあと3週間、ゆっくり楽しんでまいります!


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