風のたより #56 千葉甫 2019-07-20 14:09:38 | 短歌 時間には縛られないでいる日々と言えど時間に従わされる こんなときに思わなくてもよいことの出て来て益々寝つき遅れる 灯点さぬ窓から覗いている顔のあるのを知らぬ一人の過ぎる
風のたより #55 千葉甫 2019-07-18 14:30:26 | 短歌 七度目の命日の来る七夕と呼ばなくなった七月七日 塀の上歩く黒猫見直せばふっと飛び立つ鴉となって 思案しているのが少し長引いてコンピューターは眠ってしまう
風のたより #54 千葉甫 2019-07-16 13:59:50 | 短歌 丸齧りしているトマトに誘われて少年の日の西陽の記憶 問題を解きあぐねつつ無意識に前歯で噛んでいたピーナッツ Tシャツの袖から伸びている腕の肌の若さの眩しい季節
風のたより #53 千葉甫 2019-07-14 13:54:20 | 短歌 耳もとでBOO!と翅音を響かせた蜂に驚く暑い真昼間 曇天を保ち続けて黄昏て降り出したのか傘を差す人 待つ人の来ぬ間に小雨の刻(とき)過ぎてまたまた響いてくる雨の音
風のたより #52 千葉甫 2019-07-12 14:21:31 | 短歌 予報通り降り出してくる 一週間先まで続いている雨マーク 初めてのにいにい蝉の声あった午後に梅雨入り宣言の出る 記憶ではまだありありと見ることの出来てあれからもう七年か