『ばあやのお話』
金子みすゞ
ばあやはあれきり話さない、
あのお話は、好きだのに。
「もうきいたよ」といったとき、
ずいぶんさびしい顔してた。
ばあやの瞳には、草山の、
野茨のはなが映ってた。
あのおはなしがなつかしい、
もしも話してくれるなら、
五度も、十度も、おとなくし、
だまって聞いていようもの。
上の詩は金子みすゞさんの詩です。
今の私の心に響きます。
父は認知症のため
話したことをすぐに忘れたり
何度も同じ話を繰り返すこともあります。
父が何度も同じ話をする時
心がけていることがあります。
話を遮って、「その話はもう聞いた」と
言わないようにすることです。
娘にも何度、おじいちゃんから
同じ話を聞いても嫌な顔をしたり
もう聞いたと言わないように言っています。
父が傷つくことはわかっていますし
父にはできるだけ安心して穏やかな気持ちで
過ごしてほしいからです。
父にとって一緒に暮らす家が
安心できる居場所であるように
心温まる陽だまりのような場所になるように
私ができることをしていきたいと思っています。
明日が皆さまにとってやさしい一日になりますように。
画像のビー玉の絵は以前描いたものです。
ランキングに参加しています。
下の貝殻の絵をクリックして頂けると
励みになり、うれしいです。