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【純潔工房】 実用貞操帯製作
日本国内初の 本格的貞操帯製作及び既製品の修理調整を行う 「純潔工房」 のブログです。相談など、気軽にくださいね。
 



 ええっ!? これ小竹原の?
 いきなりの小竹原の出現に、俺は別に悪いことしているわけでもないのにドギマギした。
 バクバク言う心臓をおさえて、平静を装ってなんとか声を出した。

「ああ、良かった。今みつけてどうしようか困ってたんだ。『ウチ』っていう履歴に電話しようと思ったところさ」
「な、中を見た?」
「え? 履歴とプロファイルは仕方なく見たけど……」
「あー良かったー! ありがとう、神山くん」
「こっちこそ、本人が現れて助かったよ。知らない人の家へ電話して、事情を説明して、とか、俺苦手で。ハハハ」
「ねぇ、まっく寄ってかない? 何かオゴるよ」
「べ、別にいいよ」
 バカか俺。
 成り行きとはいえ、プチデートのお誘いだぞ!?
「そんなこと言わずにさ。おうちで夕飯ちゃんと食べないとお母さんがうるさいなら、コーラとかだけでも」
「じゃぁ、ちょっとだけ。かえって悪いね」
 小竹原と連れ立って、駅の近くにあるまっくに寄った。

 実際、並んで歩くだけでドキドキする。
 信号待ちの時俺の前にずいっと半身出た小竹原の、背中まであるロングヘアを素っ気無くまとめただけの黒髪の束から、柔らかく甘い、健康的な香りが漂ってくる。
 背中の一部が汗で張り付いたブラウスに、ピンク色のブラジャーが透けていた。

 こうやって間近でじっくり観察すると、俺の憧れの対象としての小竹原と、人間として現実の生活をしている小竹原のギャップが曖昧になる。
 こいつだって俺と同じく毎日食事をし、排泄をしているはずだし、下着だって汚すだろう。
 それを自分で洗うのか家の人間が洗うのか知らないが洗濯し、また穿くわけだ。
 当然ヨレた下着や黄ばんだ下着などもあるだろう。
 しかしここまで近くで観察してもとてもそんな風には見えず、まるで育ちの良いお嬢様かトップアイドルのように、下着なんて常に新品で、少しでも汚れたら捨てるような生活をしているようにしか見えない。

「ねぇ、何にする?」
「じゃ、予定どおりコーラで。Mサイズね」
「いいよ。ヘヘヘ実は…… ジャーン! お父さんが何かの景品でもらったまっくカードがあるんだ。あたしはこのヨーグルトにフレーク入れるやつにしよっかな」

 トレーを受け取って禁煙席に座る。
「じゃ、遠慮なくいただきます」
「どーぞどーぞ。でも本当に助かったな。ヘンなヤツに拾われてたらもう大変だったよ、きっと」

 俺は小竹原の容姿も好きだが、このサッパリした性格にも惹かれるのだ。
 オタク好きのする女子と言ってしまうと小竹原に申し訳ないが、男子とも屈託なく話す隔たりの無さが、俺のようにオクテな男子にでも『もしや』というチャンスを期待させる。
 しかしさすがにネット歴が長い俺は、それが単なるオタク側の幻想で、気さくな女子ほど男の好みがうるさかったり、白馬の王子様を夢見ていたり、とにかくいざ男女関係になると扱いにくいということを良く知っている。
 だから俺は自分が傷つかないためにも、小竹原に心までは入れ込まない。

「神山くんてクラブやってたっけ?」
「あー、俺、帰宅部」
「なーんだ、クラブくらい入ればいいのに。って、かく言うあたしも帰宅部なんだけど」
「あれ? だって水泳……」
「あ、あれは個人で入ってるスイミングクラブ。もう幼稚園の時から行ってるから」
「それでそんな締まった体なんだ」
「あーーっ! エッチ! 体育の水泳でそんなトコばっかり見てたのー?」
「あっ! ごっ! ごめん! そんなつもりじゃ……」
「いいよ、いいよ、べつに減るもんじゃないから」
 俺はその時の小竹原の言葉を聞いてギョッとした。
「ん? どうしたの?」
 大きな目がきょろんと上目遣いになり、眉が悪戯っぽく寄る。
「なんか付いてる?」
「いや、小竹原さんって、なんか男子みたくサッパリしてていいなって……」
 とたんに小竹原の瞼がすっと下りて、不快な表情になる。

「あ! いや、ごめん! 悪い意味でなく…… その……」
「あーぁ、あたしそうなの…… 女の子の友達からは、『ゆっきーってちょっと見(み)楚々としてるけど、喋ってるとモロ男子だよね』って言われてるの。あ、ゆっきーってあたし。裄野(ゆきの)だからゆっきーね」
「えーっ? 男子の間では小竹原さんて超人気だし、俺的にも、その……」
 俺は思わずノリで告りそうになって焦った。
「だから、女子で口の悪い子はあたしのこと超キライって言ってるらしいの。こういう行動も男子ウケを狙って媚ってるんだろうって」
 この美少女的風貌なら、もっと美少女然としたブリッ子的振舞いが要求されるのだろう。
 女子仲間の陰湿な部分には、自分達に分類不能なものを異端視して排除しようとする部分があるのも俺は良く知っている。

「媚ってるなんて見えないけど」
「あたしだってそのつもりよ。あーでも今、神山くんに喋ったらスッキリしたぁ。2回も助けられたね。携帯とグチ聞きで」
「俺も小竹原さんて近寄りがたい高嶺の花って感じがしていたけど、今日話してすごく身近に感じたよ。俺も良く見てる2ちゃんスレが登録してあったりして……」

 突然、小竹原が顔色を変えて叫んだ。
「ちょっ! 携帯の中を見たの!?」
「えっ? ごめん、プロファイル登録を探してる時に…… だって『お気に入り』がキーアサインされてるじゃないか」
「えっ! あぁ…… そうか…… 失敗だなぁ…… で、どのスレのこと?」
「その…… 『女の子に貞……』」
「キャーーーッ!! やめて!!」
 俺に掴み掛かりそうな勢いで席を立った小竹原は、店中の注目を浴びた。

 立ち上がった姿勢のまましばし固まったあと、真っ赤になって席にそのままストンと腰を落とした小竹原は、しばらく俯いていた。
 そのうち、肩を震わせて、店の喧騒にかき消されそうな小さな声で、搾り出すように言った。

「どっ……   ……奴隷に……なるよ……」

 ポテトフライを揚げる油臭い匂いが立ち込めるまっくの店内で、俺は自分の耳が激しい耳鳴りに襲われたように感じた。


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「はァ?」

「秘密を知られちゃった…… だから、なんでも言うこときくよ…… だからお願い! 皆には黙ってて!!」

「ちょ、ちょっと、何の話?」
「あたしの携帯の登録サイト見たんでしょ?」
「うん、まぁ、ちらっと」
「神山くんも知ってたんでしょ?『女の子に貞操帯を』」
「え? うん…… まぁ……」
「だったら、どんな内容のスレをあたしが見ていたか、知ってるわけでしょ?」
「うん…… まぁ…… あ、でもそんなのって、みんな見てるんじゃない?」
「え? そ、そうなの?!」
 小竹原は、本当に火がついたように見えるほど真っ赤になった。
「いや、俺も自信ないけど、多分」
「……ごめん、ちょっとトイレ」
 湯気が出そうに赤面したまま、小竹原はトイレに立った。

 俺が気持ちを落ち着かせる間もなく、小竹原はすぐに戻って来た。
「ふぅ。」
「大丈夫?」
「うん、ナプキン貼っ…… あわわ!なんでもない! それよか、……えーと、『忘れて』って言っても無理だよねぇ?」
「いやべつにかまわないけど。俺だってソコ見てるわけだし」
「そそそそうじゃなくて! 『奴隷になるよ』って言ったコト!」
「あ! ああ…… いやぁアハハ、あまりに非現実的な言葉なんで、耳に入ってこなかったよ。あ、でもこの際だから言うけど、小竹原さんに貞操帯嵌めたいっていうのはずっと思ってた」

「え?」

 俺は他人の腕にハッキリ鳥肌が立つ瞬間というのを初めて見た。
 俺を見つめる小竹原の目が歪み、瞳が潤んだかと思うと、テーブルに添えた両腕に、見る見るプツプツと鳥肌が立った。
「嵌め…… たいの……?」
「え?」
「あたしに……」
 小竹原が今にも泣きそうな顔になり、困った目をしたまま俯いた。
「アハハハ、妄想だよ妄想! 健康な男子なら、多かれ少なかれ持ってるモンだと思うけど? あ、でも俺なんかの妄想のネタじゃ小竹原さんは不愉快だよね…… ごめん……」

「…… いいよ…… 嵌めても……」

「へ?」

「お金、あるの?」
「ま、まぁ、貯金なら9万くらいなら……」
「あたしも10万ちょっとあるから」

 俺は店内中に響きそうな音で、ゴクリと生唾を飲み込んだ。

 ここでいきなりお金の話が出て、それが会話として成立するということは、小竹原も貞操帯の値段を知っているということだ。
「どんなのがいいの?」
 ほとんどヤケクソのカマ掛けだった。
「あたし水泳続けたいから、やっぱりスポーツタイプじゃないとダメ」
「そうか。じゃ一番大手のメーカーのスポーツ型がいいよね。ロックが目立つけど大丈夫?」
「もうスクールはやめるから。会員制のプールで趣味で泳ぐの」
「すごいね」
「お父さんの会社の福利厚生でタダ券が貰えるの」
「なるほど」
 やっぱり小竹原は全部知っている。
 現代の貞操帯の詳細まで。

「ジムもタダ券使えるから、神山くんも少し運動しなよ。神山くんこそ、もうちょっと筋肉ついてお腹引っ込んで、顎周りスッキリするとイイ感じだよ?」
「アハハ、俺そっち方面ぜんぜんダメだ」
「どうせ帰宅部なんでしょ? 明日の帰りに行こうよ」
「えー? マジ?」
「ジャージとTシャツくらい持ってるよね」
「うん」
「絶対持ってきて、明日。あとタオルも」
「まぁ、いいけど」
 信じられない非現実的会話から、至極日常的な会話へ勝手に流れて、俺は内心ホッとした。

 小竹原は小型のフルーツパフェみたいなプラスチックの器に入ったヨーグルトフレークをガガガと掻き込み、俺は氷の溶け切ったコーラを一気に啜って店を出た。


 店の外は蒸し暑かった。
「えーと、ごちそうさま」
「アハハハ、じゃ、明日忘れないでね」
「うん」
 店の前で別れ、家に向かった。
 二人ともかなり頭に血が昇っていたらしく、途中まで一緒の道なのに別々の方向へ向かった。
 俺は途中で気付いたが、今更一緒に帰ろうと後を追うのも恥ずかしかったので、無理に別ルートを通って家に帰った。

 帰ってから持ち物を片づけるのももどかしく、小竹原をオカズにオナニーしまくった。

 あの上目遣いの表情、『奴隷になるよ』と言った時の仕草、『嵌めてもいい』と言った時の潤んだ瞳、すべてが俺の妄想なんて簡単に蹴散らすほどの、リアルが持つ真実のクオリティだった。


 翌日、学校で会うと小竹原は思ったより素っ気なかった。
 それはまぁ、そうだろう。
 本意でなかろうと、仮にも『奴隷になるよ』と言った相手が俺じゃぁ、彼氏としても不自然すぎる。

 俺は自分の欲望が暴走したあとの惨めさも良く知っているし、そのあとの後味の悪さも知っているつもりなので、こういうとき妙に慎重で謙虚なのだ。

 なんてことない一日が過ぎ、小竹原に声すら掛けられなかったのをやや不審に思いながら、校門を出た。
 やっぱりあの時だけの口から出任せで、俺が学校で口外する気配がないのを確認したら、あとはもうどうでもいいのかも知れない。
 また、反撃して先に俺を潰す気なら、今日のうちに先回りしてあることないこと言いふらせば、クラスのみんなは俺の言うことよりも小竹原の言うことの方を信じるだろう。

 校門を出てしばらく歩いたところで呼び止められた。
「神山くん!」
 振り返ると小竹原がいた。
「小竹原さん」
「いやーごめんね、やっぱり教室ではいきなりベタベタするのヘンだから、声かけづらくって…… あたしのこといちいち監視してるイヤな女子もいるしね」
「人気者も大変だね」
「ほんと、男に生まれたかったな。もっとサバサバ生きたいよ。 ね、例の物、持ってきてるよね? 行こっ!」
「あ、うん……」

 小竹原と連れ立って駅の方へ向かう。
 駅を通ると同級生たちに見られる心配があったが、駅までは行かず、途中の高級マンションへと入った。
 豪華なエレベーターに乗り、小竹原がカードキーを差し込むと、自動的に最上階へと向かった。

 ドアが開いて目の前に現れたのは、およそ俺の日常からは想像できない、上流の空間。
 それこそ映画とかで、大金持ちの住まいのシーンとして見たことがあるような空間だ。
 人の少ない寂しい感じが異様だが、暗めの照明が高級感を醸し出し、広く取られたスペースはまるで貸切のような錯覚を覚える。
 受付の女性も美人で、少ない人数のためだけにずっとここに座っているのだとすれば、このクラブの会費の高さが想像できる。

 小竹原と受付でチェックインを済ませ、男女の更衣室にそれぞれ分かれて入る。
 更衣室も高級な内装で、上質なタオルがふんだんに置かれていて驚かされる。

 上をTシャツ、下をジャージに着替え、更衣室を出た。
 ほぼ同時に女子更衣室から、上がTシャツ、下がスパッツ姿の小竹原が出てきた。
「あたし泳ぎメインなんだけど、軽くランニングしてからの方が好きなんだ。神山くんもランニングだったら出来るでしょ?」
「うん」

 ランニングマシーンに小竹原と隣同士それぞれ乗り、センサーを取り付けて負荷プログラムをセットする。
「べつに体育の授業じゃないんだから、超軽めでいいよね」
「うん」
 小竹原が横から手を出して、俺のマシンのパネルを操作する。
「はい、スタート」

 動き出したベルトの上で、飼われているネズミのように機械的に足を動かす。
 俺一人なら絶対にやらないようなバカげた運動だ。
 しかし、今は小竹原が一緒なので、何でもやれそうな気がする。

 ペースを表すLEDの点滅に合わせて走っていると、なんとなく体が軽く感じるようになってきた。
 調子が出てきたところで負荷がきつくなり、長く続く上り坂を駆け上がっている感じになる。
 肺から出る息が黄色くなりそうなほどきつくなったところで、今度は緩い下り坂へと負荷が変わる。
 隣を見ると小竹原が真剣な表情で汗を垂らしている。
 きっと俺よりハードなメニューなんだろう。

 小竹原の全身から吹き出た汗でTシャツはぴったりと張り付き、形良く突き出た胸がリズミカルに上下するのがよくわかる。
 しかも下に着ている競泳水着の蛍光色がはっきりと浮き出ていて、その水着のラインがそのままスパッツに吸い込まれているのが実に艶めかしい。

 いずれはあの腰に…… スポーツタイプの貞操帯が食い込むのか……
 つるんと落ちたスリムな下腹部に、南京錠の突起が2つ縦に並んで浮き出るのか……
 半ば現実になりつつある俺の妄想は、本当に実現するという実感についてはまだまだ希薄だった。

 小竹原に見とれているうちに、俺のマシンのランニングプログラムも終盤となり、やがて止まった。
 小竹原はまだプログラムが続いている。
「お先ィ…… ハァ…… ハァ……」
 俺はセンサーを外し、マシンを降りた。
「フウッ…… フウッ…… ごめーん、あたしはもうちょっとだから…… フウッ…… フウッ……」
 小竹原もランニングを続けながら、激しい呼吸の中で答える。


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 俺はまだ息が切れていて、マシンの横にあるベンチでひと休みした。
 ふと小竹原の姿が、マシンの命ずるままに走らされているように見えてきて、ヤバいことにチソコが勃ってきた。 
 小竹原は正面からの俺のいやらしい視線に気付いたらしく、汗みずくになりながら鼻にシワを寄せてアッカンベーをした。

 萌え死ぬ!

 どこが男子っぽいだよ!
 細かい動作がいちいち意外性を含んでいて、そしていちいちエロい。
 そしてこんなアニメかエロゲーにしか出てこないようなシーンを、素でさらりと自然にやってのける女子がいることに驚いた。

 俺がアッカンベーに見とれていると、小竹原もプログラムが終わったらしく、マシンを止めて汗を拭きながらこっちへ来た。
「ハァ…… ハァ…… ……エッチ」
「ごめん」
「ねぇ、泳がない?」
「俺、水着無いし」
「フロントで安く買えるよ」
「うん、じゃぁ行って来る」
「先に行ってるね」
 水泳も苦手だが、正直あのTシャツに浮き出た競泳水着のラインに惹かれた。
 ここまで誘われて、あれを拝まない手はないだろう。

 フロントに行くと、水着1200円、ゴーグル500円だったので両方買った。
 ハードに泳ぐ予定でもなく、股間のモッコリを見られて困るほど人がいるわけでもないので、サポーターは買わなかった。

 更衣室で着替えてプールに出ると、屋上の構造をうまく使った、天井までガラス張りの豪華なプールで、気合入れて泳ぐことも、プールサイドでゆったりくつろぐこともできる仕様だった。
 キャップは必須だが、これはその場で貸してくれる。

 小竹原は早速泳いでいた。
 力の入らない優雅なフォームで、パシャン、パシャン、と数回水音を立て、あっという間に25mを泳ぎ切る。
 餌を探る水鳥のように、きらめく水の膜をまとった美しいお尻が、つるんと水面で回転してターンを終える。
 そのままトーンと蹴伸びして水中を進み、浮き上がってまたパシャン、パシャン、と優雅に対岸へ。
 学校での小竹原の厚手のスクール水着もいいが、このバックが大きく開いて超ハイレグの競泳水着の破壊的エロさにはかなわない。

 性格やプロポーションその他、人間としての質そのものが俺なんかとは根本的に違うのだと言うことを見せつけられているようだ。
 そんな女の子が俺に貞操帯嵌めてもいいと言うなんて……
 やはり、あれは成り行きで言っただけだろう。
 しかし成り行きとはいえ、こんな所で水着でデート出来るんだから、もう成り行き大歓迎だ。

 しばらく泳いだところで小竹原はプールサイドに上がってきた。
「泳げば? きもちいいよ」
「苦手で」
「じゃ、バックは? 浮いてるだけでいいじゃない」
「うん、やってみるか」

 ゴーグルをして水に入り、仰向けに浮く。
「こうやって掻いてみて」
 プールサイドから身ぶりをする小竹原の姿がゴーグルに歪んで映る。
 泳ぐ時はキャップしていたけど、今はキャップを外していて、彼女のロングヘアがそれはそれは美しく競泳水着にまとわりついている。
 ゴーグルの視界を通してすらそのエロさが伝わってくる。
 小竹原の言う通りのフォームで何回かゆっくりと掻く。

 顔を振っていたら耳に水が入って、ちょっと聞こえづらくなった。
 ゴボゴボとくぐもった水の濁音が支配する世界の中で、小竹原がしきりに何か言っている。
 突然小竹原の表情が歪んだかと思ったら、思い切り頭を殴られて、目から火花が出た。

 俺はプールの内壁に頭から激突したのだ。
 おーいて。
 立ち上がって見ると小竹原が腹を抱えて笑っている。
 ほとんど裸同然の極薄の競泳水着に包まれた、弾けるように張りのある体を、無造作にくねらせてヒクヒクと笑う。

 脇の梯子からプールサイドに上がり、ちょっとむくれて言った。
「そんなに笑わなくてもいいじゃん」
「アッハッハ、ごめん、普通手が先にぶつかるんだけど、頭直撃っていうのがおかしくて……」
「ちぇっ」
「でも神山くんも、なんだかんだ言って色々とできるじゃない」
「まぁ、最初めんどくさいと思うだけで、動機があれば何でも試してみるのは嫌いじゃないからね」
「へー、あたしそんなヒト好きだなぁ」
 俺はギクリとしたが、すぐに初心に帰って、心までは小竹原に入れ込まないように戒める。

「悪いけどあたしもう少し泳ぎ込んでくるから、神山くんも適当に泳いでてよ」
「ああ、どうぞ。俺バック気に入ったかも」

 神山はコースロープの張られた区画に行って、またさっきと同じように泳ぎはじめた。
 俺はせっかくだから背泳に慣れようと思い、タラタラとしたペースでゆっくり泳いだ。
 今度は天井の模様とサイドの様子を気にしながらだから激突はしない。

 俺はパシャパシャと泳ぎながら、あの小竹原の競泳水着の下に貞操帯が装着された様子を想像した。

 蛍光色の薄い生地の下、下腹部にポコポコと浮き出る2つの円盤型の部品。
 それは貞操帯をロックする南京錠をボルトカッターやノコギリなどの破壊工具で壊されないようにするためのプロテクターだ。
 臍寄りの1つは貞操帯本体をロックする南京錠で、やや下のもう一つは自慰防止板と呼ばれる短冊状の部品をロックするための物だ。

 現代の貞操帯には2つの大きな機能がある。
 1つは文字通り貞操を守りまたは守らせるための機能。
 これを実現させるためには装着者女性の性器への男性器の侵入を防止すればいいわけで、特に厳重に穴を塞がなくても、周囲に内向きのトゲを植えたり、縦の細長い穴にするだけで用が済む。
 最もポピュラーなのが、女性器を縦スリットのついた金属板で覆い、そのスリットから陰唇を絞り出すものだ。

 しかし、もう1つの大きな機能、すなわち自慰防止・快感剥奪ということを実現するためには、穴やスリットだけでは役不足だ。
 性器をいじって快感を得られそうな道具、指・綿棒・コヨリ等が侵入できないように、また侵入しても快感を得る操作まで至らないようにしなくてはならない。
 そのための工夫が各社あるが、通常はスリットから絞り出した陰唇を自慰防止板という部品で覆い隠して鍵を掛け、2つめの機能を実現している。

 だから鍵が2つ。

 最初から自慰防止板が溶接されているものや、別の工夫で自慰防止を実現しているものもあるが、俺の趣味としてはこの2つの鍵を使う方法が好きだ。
 貞操帯本体の固定は、滅多に外さない鍵で。
 オナニーの許可は別鍵で、というのに萌える。

 泳ぎながら妄想していたら激しくチソコが勃ってきて、サポーターを穿いていない競パンからはみ出しそうになったので焦って立ち上がった。

 プールサイドに上がったら、リクライニングチェアに小竹原が寝そべっていた。
「だいぶサマになってきたわよ」
「おかげさまで」
「今日はそろそろ帰ろうか」
「うん」
 気が付けばガラス張りのプールの天井は夜の星やネオンを映し、日はとっぷりと暮れていた。

 更衣室を出た所にあるラウンジで、濡れた髪を気にしながらタダで飲み放題のスポーツドリンクに喉を鳴らしていると、髪まできっちり乾かしていつものように束ねた小竹原が来た。
「おまたせ。あ、ちょっと飲ませて」
 希望すればストロー付きボトルまで無料でくれるので、俺はそのボトル容器で飲んでいたのだが、自分のをもらえばいいのに俺のボトルを取り上げて、小竹原がゴクゴクと飲んだ。
「あ!」
 その行為を目で追う俺に、小竹原は屈託なく笑った。
「へーきよぉ、あたしビョーキなんて無いよ?」

 いやそうじゃなくて。
 俺と間接キスでいいのか?
 コップの飲み口なんかより遥かに唾液混ざる率高いストローで。
 すでに俺の唾液は小竹原の口の中、というか胃の中。
 そしてこのストローを口に含めば小竹原の唾液が俺の口へ……

「いや、べつにいいけど」
 俺は何も気にしないそぶりでストローを口に含んでゴクリと飲んだ。
 なんだかさっきよりも甘い気がした。

 晩のオカズはもちろん小竹原の水着姿。
 そしてそこに貞操帯のロック部が浮き出たという妄想。
 今の時点でもすでに充分欲望が満たされてしまっているような気分だが、あのプールでの妄想を現実のものとするため頑張ろう。

 まずは計測だ。
 以前調べておいた女性用スポーツタイプ貞操帯の計測法の資料データを引っ張り出し、プリントアウトする。
 自作の計測キットで測る方法も書かれているので、それに従ってキットを作る。
 ちょうど家に梱包用のppテープがあったので、記事に従って組み上げた。

 あとはどうやって測るかだ。
 小竹原にこれと記入用紙を渡して『測って来い』と言えば、多少なりとも知識のある小竹原のことだから自力で測って来るだろう。
 でもそれではヌルい気がするし、貞操帯の記事に出てくる、”両手を頭の後ろで組んだ計測のポーズ”を小竹原にやらせてみたい。
 明日学校でキッチリ命令してやろう。


 翌日、結局学校では切り出せぬまま放課後になってしまった。
 昨日と同じ様に校門を出ると、案の定小竹原の待ち伏せに合った。
「遅いぞー」
「教室の出口で奈良橋に捕まってたんだ。悪い」
「知ってるわよ。行こっ」
「うん」

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 昨日のスポーツクラブへ行き、またランニングしてから泳ぐ。

 ぐはぁ!

 小竹原は昨日と違う水着だ。
 デザインは昨日のと全く同じ、前はハイレグで背中は大きく円く明き、ヒップは半Tバックのようなカットだが、昨日の蛍光色のツートンに対して、今日は黒の単色だ。
 小竹原はよほどこの水着のデザインが気に入っているのだろう。

 一通り泳ぎ終わってプールサイドのリクライニングチェアで休んでいる時に、勇気を振り絞って聞いた。

「採寸どうする?」

 短い質問だが、貞操帯のことを知る者には充分な内容だ。
モデルのような肢体を無造作にリクライニングチェアに預けていた小竹原は、俺が質問する瞬間までは悪戯っぽい眼つきできょろんと俺を見ていたが、俺が質問を口にしたとたん瞳孔がキュッと縮んだように見えた。
 直前まで俺を見ていたはずなのに、瞳が俺を見据える位置から全く変わらないにもかかわらず、今は俺を見ていないのがはっきりとわかる。
 瞳が濁ってしまって、目に映る俺ではなく、小竹原自身の脳内にある別な妄想の映像を凝視しているようだ。

 そして急に涙を浮かべた。

 俺は焦った。
 何かまずいことを言ったか?
 いきなり採寸の話題なんて性急すぎたか?
 しかし、まっくでの会話からすれば、性急すぎということはないだろう。

「うーー。 うーー。 神山くん、今あたしのおへそより下の方を見たらコロスーー」
 いきなり物騒なことを言うので慌てて目を逸らせたら、パッとチェアから立ち上がってタタタとシャワーの方へ走って行った。
 立ち上がった瞬間、小竹原の尻の下からリクライニングチェアまで、銀色の長ーい粘液の糸が引いて、すぐにプツリと切れたのを目撃した。

 俺はしばらく何が起きたのかわからなかったが、すぐに自分のタオルで小竹原の座っていた場所を拭い、自分のチェアに戻った。
 俺は恐る恐るタオルの匂いを嗅いだ。
 何か、なつかしい柔らかな匂いがした。

 しばらくしたら小竹原が戻って来た。
「へへ、ごめんごめん」
 小竹原はタオルを畳んで座布団のようにしてからチェアに敷き、その上に腰かけた。

「や、やっと本題だね? うふふ。ついに採寸かぁ…… あのポーズでやるの?」
「うん」
「はふっ…… そ、そうだよね。き、基本だよね」
 小竹原の腕には、また鳥肌が立っていた。

「基本てわけじゃないだろうけど、アレは貞操帯スキーのロマンでしょ。やるにしても、やられるにしても」
「あの…… はだ、はだ…… か?」
「上はブラとか水着とか着けててもいいんじゃない? それより問題は毛だよね」
「い、いいよ。頑張って全裸でやるよ。 ……毛はねぇ…… な、無いの。生まれつき。あ、あんまりだよね、赤ちゃんみたいで」
「そ、そ、そうなんだ。でもそれって貞操帯するのにお手入れ不要ってことだよね。すごく手間が省けると思うよ。下手すると永久貞操帯だってできるかも」
「え! 永久~!? あぁ……!」
「ちょっと小竹原さん、大丈夫?」

 チェアに腰かけて話ながら、小竹原は一瞬意識が飛んだようにボーッとなった。
 顔も上気していて色っぽいことこの上ない。

「……アハ、もうバレてるよね? あたしがエッチなお汁(つゆ)ダダ漏れなの」
「う、うん…… まぁ……」
「あたし、神山くんと貞操帯の話をし始めてから、毎日オナニーが止まんないの! とうとうあたしの中のヘンタイが剥き出しになっちゃったぁ! あぁぁん……」

 上気した顔に切なそうに眉を寄せて、辺りを憚った小さな声ながらも、語気の強い調子で心の中を吐露する小竹原。

 俺は普段気の利いたセリフなんてとても思いつかないボンヤリしたヤツなのに、今だけは変態パワーのなせる技か、今の小竹原の気分に一番合うセリフがすらすらと口に出た。

「毎日オナニーでもいいじゃないか。どんどんやれよ。貞操帯が来たらそれも出来なくなるんだから。俺が小竹原のヘンタイオナニーをキッチリ管理してやるよ。しかし管理されることがオカズだなんて、本当に小竹原さんは変態だな」
「あ! あああ! はあアアアッ……!!」
 小竹原は水着の股を直すような素早い仕草で、股間を指で数回刺激したあと、自分の体抱いて前屈みになり、体を震わせてしばらく痙攣した。
「あぁ…… こんな公(おおやけ)のプールサイドでイッちゃった……」
 俺は慌てて周囲を見回した。
 まだビジネスマンの人たちが来るに早い時間だったので俺たちだけしか居なかったのが幸いだった。

「あたしも、どこかでハジけられる自分を模索してたんだと思う。でも、ブレーキ効かなくなりそうで、怖くて…… どこかで誰かに繋ぎ留めてもらいたかったんだと思う。 ……いいかな?甘えても」
「うん」
「神山くんて何でも『うん』だね」
「うん」
「あはははは。 帰ろうか。 あーべとべとだぁ」

 俺は女の子がイクところを生で見てチソコ煮え千切れそうだった。
 ふと自分の股間を見ると、俺こそ先走り汁が水着から水滴のように染み出していて大恥だった。
「あ! 神山くんも変態だぁ!」
 監視員も居ないのをいいことに、小竹原は俺の水着に浮き出た先走り汁を指先でキュッとすくった。
「はうッ!」
 水着の上からとはいえ生まれて初めて他人にチソコの先を触られて、あまりの衝撃的な快感に反射的に腰を引いた。
「はむっ」
 何をするかと思えば、更衣室に向かいながら小竹原は俺の汁のついた指を自分の口に入れた。
「わあっ! やめろよ! 汚ねぇぞ」
「あたしのを見た代金だよ」
「そ、そんなモンが代金でいいの?」
「んー、味しないんだね」
「知らねぇよ」
「あはははは」

 更衣室前で小竹原がハタと立ち止まる。
「採寸用の計測キットって、今持ってるの?」
「うん」
「恥かいたついでだから、今測ってよ」
「ええっ? どうやって?」
「今、誰も居ないでしょ? 会社に勤めてる人たちが来る時間帯までまだ30分以上あるから、あたしジャージに着替えてそっちに行くわ。シャワールームで測って」
「う、うん」

 一旦2人で男女それぞれの更衣室へ入る。
 俺は荷物の中から自作の計測キットと書類を出し、油性サインペンを用意した。

 女の子の貞操帯の採寸。
 ネットで貞操帯を知った時から、ずっと憧れていたこと。
 何度も頭の中でシミュレーションした。
 実物を前にして同じようにできるかどうか分からないが、一応そつなくこなす自信はある。

 プール側の戸が開き、ぎっちりジャージを着込んだ小竹原が入ってきた。
 髪の毛はジャージの中へ入れて、サングラスをしてる。
 そのまま俺の横を通り過ぎ、シャワー室へ直行した。
「はやくー」
 シャワー室から声がする。

 俺は水着のまま、計測用具をまとめてシャワー室へ行った。
 ここのシャワーブースは上から下まで扉があるタイプなので、2人で入っていても外からはわからない。
 俺が入ると小竹原はもうジャージを脱いでいた。

 俺の顔をチラッと見て、黒い競泳水着の肩紐に手を掛ける。
 自分自身に言い聞かせるように短く「ウン」と頷いて、スルリと水着を脱いだ。
 パパッと脱いで足から水着を抜き取ると、小竹原の腰にはまだベージュ色のサポーターが残っていた。
 こんなハイレグの水着にもちゃんとそれに合うサポーターがあることに感心していると、すぐにスルリとそれも脱いで、俺の目の前で本当に全裸になってしまった。
 俺のチソコは水着を破りそうなくらい勃起していた。

「めっ、命令……してよ……」

 雑誌のグラビアがそのまま、目の前で立体になっている。
 しかも男の俺が見ても切なくなるほど、乳首は固く勃起している。
 股間は本人が言う通り飾り毛一つ無く、大人サイズの幼女のような割れ目から美しいピンクの肉ひだが覗いているのが、目に痛いほど淫媚だ。
 肉ひだの下部から光る突起の頭が見えている。
 あれがクリトリスか?

「はっ…… はやくぅ、いじわるぅ……」
 涙目で小竹原が訴える。
「ご、ごめん、綺麗なんで、見とれて……」
「ありがと。でも本題を、ね?」

 俺はゴクリと生唾を呑んでから、少し裏返りそうな声で言った。
「じゃぁ、手を頭の後ろで組んで、足を肩幅くらいに開いて」
「はふっ…… はい……」
 蕩けそうに淫らな微笑みを俺に向け、従順に貞操帯の計測をするときの作法とされているポーズを取る。

 肌が触れそうな狭いシャワールームで、俺から視線を逸らして正面を見据え、手を頭の後ろで組み、足を開く小竹原。
 一番隠したい部分から一番遠いところで、手錠を掛けられるでもなく自らの従属する意思で手を組み、トロトロに濡れて憚らないオマソコを自ら開示するように股を開くその小竹原の心中を察すると、ただでさえ光輝く肢体なのに、その後ろから後光が差すようにさえ見える。

「エッチな裄野(ゆきの)の、あ、あそこを管理するための、貞操帯の計測をお願いします。 ……はアッ!」

 囁くような小声で呟いて、最後に大きくあえいだ。

「よし」
 俺は小竹原の腰に計測キットのベルトを回すと、ぎゅっと締めて留めた。
「本当は一度仰向けに寝ないとダメなんだけど」
 小竹原はサッと床に寝て、腰ベルトと腹の間に手を差し込んで、
「ゆるいね」
 と言った。
 シャワールームの狭い床に仰向けで、股を開かざるを得ないので、もう小竹原のオマソコ見えまくりだ。

 俺がその場でベルトを締め直すと、すぐに立ち上がってさっきと同じポーズを取った。
 俺はすぐに股間を通るベルトを取り出し、金属リングを取り付けた部分にペンを通した。
 それを小竹原の尻の穴に突き立て……ってマジかよ?
「いいよ……」
 実際の手順が頭に入ってる小竹原のその一言は、彼女の決意の固さを物語る。
 俺だってここまでやって、中途半端は嫌だ。
 傍にあったせっけんを薄く塗って、小竹原の尻肉を捲り、ピンクにすぼまった可憐な菊模様の肛門に突き立てた。

「ウッ……」
 小竹原は真剣に辛そうな顔をしている。
 しかし俺はそれを無視し、背中側の中心でそのベルトを留めた。
 すかさずベルトを小竹原の股を潜らせて前に回し、オマソコに軽く食い込むようにして正面で留めた。
 次に尻の上で左右Yの字に分かれるチェーンに相当するベルトも前に回して留めた。
 これで完成だ。
 小竹原の尻からペンを抜く。
「あうっっ。 ちょ、ちょっとペン貸して」
 小竹原がタオルでペンを拭う。

「そのまま屈んでみて」
 小竹原はヒンズースクワッドのように屈んだ。
 特にベルトがずれたりはしないようだ。
「こんどは前屈」
 言われた通りに前屈する。
「平気みたい」
「よし」
 俺は計測項目の書かれた書類を元に、必要個所に油性ペンで印を付け、項目の番号を書き入れた。
 項目の内容が理解できていれば、計測は一瞬だ。
「できた」
 ベルトを全部外し、歪まないようにまとめて仕舞った。
「早く出ろよ」
「うん」
 サポーターは穿かず水着だけサッと着て、ジャージを着てサングラスを戻し、手にサポーターを握り絞めて小竹原が出て行った。
 俺も荷物をまとめ、シャワー室を出た。

 着替えてラウンジに戻ると、小竹原がもう座っていた。
 今日は髪の毛は濡れっぱなしだった。
「おつかれー」
「おう」
「あのね、お願いがあるんだけど」
「なに?」
「今日その計測キット借りて行ってもいい?」
「えっ? どうして?」
「自分でも採寸してみたいの。採寸ポーズのロマンはロマンとして、なんせ高価な買い物だし、自分自身の着心地に直結するから、自分の目でも確認したいのよ」
「ああ、それならいいよ。ていうか、是非」
「ありがとう」
 小竹原に計測キットと採寸表を渡した。

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 今日は夕方早い時間帯なので、まだ陽が高い。
 濡れた髪に夏の夕方の風が心地よい。
「じゃぁね。あたしこれからもう1回自分で格闘してみる」
「うん、明日返してくれよ。早速注文するから」
「おっけー」

 翌日、小竹原からキットを返してもらうと、既に表に数値が記入されていた。
「一応書き込んだけど、神山くんも測ってみて」
「うん」
 今日もスポーツクラブに寄ったが、さすがに今日は萌える出来事は無かった。
 しかし、毎日小竹原の水着姿が見られるというのはなんとも贅沢な話だ。
 俺も少し体力がついてきたので、ランニングのメニューなども少しハードにしてみた。
 だんだん体も締まって来た気がする。

 楽しく運動して、いつものように小竹原と別れた。

 帰ってから着替えるのももどかしく包みを開け、机の上に計測キットを平らに置いた。 
 一緒に布メジャーが入っていた。
 これですぐ測ることができる。
 オマソコの長さなど、本人が測った方が絶対正確そうな数値は小竹原の値を採用するとして、ほかの数値についても3回確認したが、殆ど違いは無かった。
 俺の付けた黒の油性ペンの印に添えて、赤の油性ペンの印があったので、小竹原はただ俺の計測をメジャーで測ったのではなく、自分でも位置を確認したということだ。
 これなら間違いないだろう。

 小竹原に電話する。
「よう、今電話してて平気?」
『大丈夫だよー』
「計測バッチリだったぜ」
『ほんとー? よかったー』
「オプションどうする?」
『あんまり欲張ると高くなるよね』
「でも2人の予算合わせると、少しは余裕あるよ」
『あのね、まずは神山くんのお金で買って?』
「ああ、もとよりそのつもりだったからいいけど」
『だからシンプルなのでいいよ』
「わかった。でもアナルディルドーくらいは買ってもいいか?」
『……ぁぁぅ…… ……まっ、任せるよ。KH(KeyHolder=貞操帯鍵管理者)は神山くんなんだから。めーれーしてよ。従うよ』
「うん」
『それで注文してみて、最悪ピッタリ合うわなくて常時着用が無理なら、誤差についてメーカーに連絡して、あたしのお金でもう1つ買うよ』
「そこまで……」
『あたしそのくらい真剣だし、ずっと憧れてたんだもん』
「わかったよ。じゃ、早速注文するな」
『おねがいしまーす』

 しかし2つ買う気だったとは恐れ入ったな。
 小竹原の真剣さがわかり、おれはKHとしての責任の重さに手の中にジットリ汗を握った。

 確かにそうだ。
 他人の性を完全に支配してしまうのだから、その真剣さというのは単なるセックスよりも重いのではないだろうか。

 俺はKHとして小竹原の日常生活の細部にまで神経を遣い、『性器の拘束による性快感の剥奪』という目的を達成し、『貞操帯による性器および周囲組織の怪我』という事故を回避するようにきちんと管理をしなければならない。
 そして、貞操帯が露見することにより社会的立場の問題が生じることも未然に回避しなければならないし、お互いの家族に迷惑をかけるわけにもいかない。

 実際バレたら、どんなに『好きでやってるんです』と言っても理解されないだろうから。

 そうなるとこういったことは夫婦でやるのが一番なんだろうけど、まぁそこまで理想を追及してもいられない。
 小竹原と結婚?
 いや、それは美味しすぎるだろう、俺。
 いずれにしても小竹原の言葉で、俺にも現実のKHとしての自覚を持つきっかけが出来た。

 実際注文してしまうと、出来上がって来るまですることが無い。
 俺と小竹原は相変わらずスポーツクラブ友達と言う感じだ。
 前述の通り、俺は自分が傷つくのが怖くて、自ら積極的に恋人という関係にはなりたくない。
 それはズルくもあるが、純粋に貞操帯への興味からKHを求めている小竹原のような人間にとっては、勝手に恋人やご主人様気取りにならないという点では好都合なはずだ。

 運動の方は、小竹原の口車に乗っていろいろなメニューをこなすうちに、俺もそれなりに体が出来て来た。
 水泳の授業の時、クラス女子の視線が痛いぜ、と思っていたが、結局彼女が出来るなどの実質的変化が何も訪れぬまま夏休みに突入してしまった。
 もちろん、小竹原が彼女になってくれれば最高なのだが、今の俺がそこまで高望みをするのはまずいし、万一小竹原に『神山くんに頼んだのって貞操帯の管理だけだよ?』なんて言われようものなら、俺はもう立ち直れないかもしれない。

 夏休みに入っても、まだスポーツクラブ通いは続いていた。
 蝉の鳴き声がうるさい公園で待ち合わせする。
 俺がベンチで待っていると、すぐに小竹原が来た。

「おはよー 暑ッいねー」
「んー、まぁな」
「どうしたの? 元気ないぞ?」
「貞操帯来た後って、俺は管理だけしてればいいんだろ? 小竹原さん、彼氏とか出来たらどうすんの? 鍵返す?」
「アハハハハハハハハハハ!! まだ貞操帯が来てもいないのに、鬼が笑うよ! ばッかだなぁ! それで暗いんだ」
「悪いかよ。 そんなに笑うなよ」
「ごめんごめん、ウフフ…… やっぱり、ちゃんと言わなきゃダメ?」
「なっ、何を?」
「今の引き締まった神山くん、カッコ良くて好きだよ」
「それは前にも聞いたよ」
「だから、好きだってば。好きでもないヤツに貞操帯のこと頼むわけないでしょ」
 俺はガラにもなく真っ赤になってしまった。

「そ! だ、だって! それは……! 俺に秘密を知られて……」
「そりゃぁ最初はね。でもきっかけなんて、何だっていいじゃない?」
「そりゃそうだけどさ」
「逆に今の神山くんて、クラス女子の憧れの的なんだよ」
「ばーか、ンなことあるわけないだろ」
「はぁ~ 知らぬは本人ばかり、か。あたし神山くんがカッコ良くなってから話し掛けるの怖かったんだから。何て噂されるかわからなくて」

「じゃ、小竹原さんと俺は付き合ってるってことにしていいの?」
「うん。中途半端にコソコソやってると、へんに誤解するやつがいっぱい出るから、もう堂々とね」
「あはは、実感ないや」
「じゃ、実感!」
 公園のベンチに座ってる俺に、いきなり前屈みに顔を近づけて、チュッと唇同士短いキスをした。
 俺はまたガラにもなく赤面した。

「行こ?」
「あ、あぁ……」
 茫然とする俺の手を引いてズンズン行く小竹原。
 未だそのフワリとした感触が残る自分の唇を、俺は恐る恐るチロリと舐めた。

 午前中いっぱいくらいスポーツクラブで過ごす。
 俺は完全にやる気モードになっていて、水着もちょっとマシなのを揃えたし、サポーターやキャップも買った。
 マシンの時もジャージをやめ、Tシャツに短パンを愛用している。
 泳ぎも小竹原に教えてもらい、クロール・ブレスト・バックとそれなりに泳げるようになった。
 バタフライは挑戦してみたが俺には無理だ。

 相変わらず小竹原の水着姿はたまらない。
 プールサイドから小竹原が泳ぐ姿を眺めながら、貞操帯が来たあとのことを色々考えた。

 小竹原はいったいどうして欲しいのだろう。
 貞操帯が好きなのだから、俺とのセックスには興味ないのかもしれない。
 今の時代に処女にこだわるのも笑えるとは思うが、もし小竹原が処女だったら、そっちには手をつけないようにしよう。
 いや、むしろ小竹原が抱いてくれと言っても、無理矢理処女を守らせよう。

 だが俺はどうすればいい?
 たった今でも、目の前を行ったり来たりしている美マソコに、自分のチソコ突っ込んでみたい!というのが俺の偽らざる欲望だ。

 小竹原とつきあって、それを我慢するのはとても出来そうにない。
 そうだ、小竹原にはオマソコの代わりにフェラをしてもらおう。
 フェラチオなら後始末も楽だ。
 そして少し慣れたらアナルもいけるかもしれない。
 せっかくディルドー買ったのだから、強制装着させてアナル訓練させよう。

『めーれーしてよ。従うよ』

 俺は今、やっと小竹原が電話で言った言葉の意味を完全に理解した。
 小竹原は管理して命令して欲しいんだ。
 そうだとすると、貞操帯が到着するまでにもいろいろとやることがあることに気付いた。

 スポーツクラブの帰り。
「なぁ、ひとつ聞いていいか? 小竹原さんって男性経験無いんだろ?」
「うん。これまでの話から分かるでしょ。 ……って、さらっと聞かないでよもう! さらっと答えるあたしもあたしだけどさ」
「よしよし。 ところで、これからアダルトショップ行かね?」
「うわぁ、いきなり何よ。べ、別にいいけど、へ、平気よ、そんなトコ。で、でも、ちょっと変装させてよ。また同じ公園に30分後でいい?」
「ああ。俺も荷物置いてくる」
「じゃ、後(の)ッちー」
「ん」

 俺が公園に戻ると、綿のワンピースを着た眼鏡の女の子が立っていた。
「アハ」
「うわ、小竹原さん? 眼鏡にして髪をアップにしたらぜんぜん分からないな。でもスタイルいいのが逆に目立つな」
「い、いいのよ、クラスの誰かに目撃されなければ」
「まぁ、そうだよな」
 スポーツクラブに行く時はあまり感じなかったのに、今こうやってデートのように連れ立って歩くとドキドキする。
「な、何を買う気?」
「んーと、アナル用品」
「ひ!!」
「貞操帯来るまでまだかかりそうだから、今から慣れておいた方がいいことを先にしとこうと思ってね」
「何するの?」
「夫婦だとこういうとき便利なんだけどなぁ…… えーと……」
「いいよ、夫婦で。神山くんが良ければ、だけど」
 俺は真っ赤になってしばらく口が利けなかった。

「なぁに? 赤くなってんの? おっかしー」
「ま、まぁ、それには早いけど、えと、なんだっけ、そうだ、アナル」
「うん、何するの?」
「浣腸してみて欲しいんだ」
「ひ!! 無理ッ! それは無理ッ! うんち出すとこなんてとても見せられないッ!」
「ばっ、ばか、違うよ。自分でだよ」
「え? あ、あぁ…… なぁんだ。良かったー」
「俺もさすがにスカはまだダメだ。でもお尻でのセックスには興味あるんだ。ネットで調べたら、ちゃんと洗浄することがスマートにやるコツみたいだから」
「そ、そうなんだ」
「だから、浣腸セットとお尻の栓を何サイズかとローションを渡すから自分で試してみてくれよ」
「わ、わかった」

 電気街の外れにあるアダルトショップに着いた。
 ここは安くてディスプレイが楽しいので、暗いイメージがなく、みんな気軽に入れる。
「へー、もっと怪しいとこかと思った」
「いや、置いてあるものは充分に怪しいぞ」
「うわ、いやだー、刺激強すぎるー、なにあれー、おちんちん?」
「見たことないの?」
「ないよー、あたし一人っ子だもん、えー、あんなにイボイボしてんの? 神山くんのもー? ひー」
「ちょ、バカ、あれは誇張してんだよ」
「あうー、2本生えてるー、神山くんのもー?」
「おいおい、自分で貞操帯嵌めたいってヤツがどこまでカマトトなんだよ。あの小さいのは、その…… クリッ…… ク……」
「何よう、自分だってハッキリ言えないじゃない。あたし言えるよ『おちんちん!』て」
「おい!」
 アダルトショップの店内ですっごいかわいい子が、大きな声で『おちんちん!』なんて言うもんだから、一気に視線が集中した。
「あ……」
 さすがの小竹原も恥じ入って真っ赤になった。
「さっさと済まそう」
「ごめーん」
 小竹原は照れくさそうにペロリと舌を出した。


 医療器具のコーナーで使い捨て浣腸を大量に買い、最大径1.5cm、2.5cm、3.5cmの3種類のアナルプラグを買った。

 なんで浣腸液ってこんなに高いんだ?

 原液とシリンジの組み合わせの方が、コスト安いかと思い値段を比較してみたが、薄める手間や感染のリスクにはとても見合わない程しか安くならない。
 だったら1つずつ50%グリセリン液がパックになっている方が小竹原も絶対楽なはずだ。
 ローションは2Lの巨大ペットボトル入りで安かった。

 帰り道に使い方を説明する。
「最初はローションをたっぷり使った方がいいみたいだぜ。慣れたら必要部分だけにしないと、そこらじゅうベッタベタになるって」
「うん」
「あとの細かいことは俺も自分でやったことないからわからない。任せるから、最終的にこの一番太いアナル栓が入るようにしてよ」
「わ、わかった。これって3cmなのね?」
「いちばん太いところが3.5cmで根元のくびれてるところが2cmだってさ。貞操帯用に注文したディルドーは根元まで4cmの同じ太さだから、実際にかなり太いよ」
「そんなに拡げちゃうのぉ~? 拡げてどうするのぉ?」
「俺のを入れさせてもらう」
「あなっ! アナルセックスぅ?!!」
 歩きながら大声で叫ぶもんだから、また人目を集めてしまった。
「ごめん……」
「ま、ゆっくりやろうぜ」
「うん。 あははははは」
 小竹原は俺の脇にスッと自分の腕を通した。


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