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「中絶と避妊の政治学」読み始めました。

2008-12-21 15:42:17 | Weblog


●本のタイトル:「中絶と避妊の政治学~戦後日本のリプロダクション政策」
著者:ティアナ・ノーグレン、監訳:岩本美砂子、訳:塚原久美・日比野由利・猪瀬優理
出版社:青木書店

前のブログでこの本の書評について書き、どうしても読みたいと思ったのですが、高いので区の図書館から借りようと思い、予約を入れてようやく先週ようやく借りられ、今、読んでいる途中です。

とはいうものの、大変優れたしかも、重要な本であり、どうしても早く紹介したいのでこの文章を書きました。


●外人がなぜ日本の中絶と避妊について書いたのか?
著者が疑問に思っていたのは、日本の政府が避妊よりも中絶を事実上奨励するのは非論理的であり、世界各国と較べても全く異例なことだと考えていたことです。

中絶は日本においては、1948年に合法化され、1949年の改正により日本は「社会経済的理由」により中絶を認めた世界初の国になり、1952年の改正により中絶の許可を受ける必要もなくなってしまいました。

そのため、「なぜ日本では中絶政策が相対的に進歩的であったのに、避妊政策は相対的に保守的だったのかを解明し、説明することを課題とする」(6ページ)ということでこの本が書かれました。

書くことの契機になったのが、厚生省が1999年6月に突然、低容量避妊ピルを承認したことで、それまで日本は国連加盟国で唯一ピルを承認していない国だったのです。しかもそれまで、厚生省の中央薬事審議会は過去40年間で3回もピル承認を撤回してきたという前科がありました。

それが、突然低容量避妊ピルを承認したのですが、その理由は1999年1月、厚生省は勃起不全治療薬「バイアグラ」について、わずか半年間の審議と海外の臨床試験データのみを根拠に速やかに承認したことがあります。
そのことが、厚生省のバイアグラと避妊ピルの承認基準があまりにも違うとマスコミから詮索され、女性団体から激しい抗議を受け、その圧力に耐えかねた厚生省は1999年6月ついに低容量避妊ピルを承認し、3ヵ月後にはピルが市場に出回るようになったのです。

そして、この本が2001年にPrinceton University Pressから発行されたわけです。
日本では7年遅れて2008年の8月22日に発行されたわけで、いろんな雑誌にも取り上げられ、私も知ったわけで、どうしてもっと早く出版されなかったのか不思議な感じがしました。