消費者金融と広告

消費者金融と広告についてマーケティングの面から色々な情報を提供していきたいと思います。

サラ金広告激減(電通「2006年年日本の広告費」から)

2007-03-26 00:39:47 | Weblog

●2006年、日本の広告費は329億円増えて5兆9954億円に
2月20日、電通の発表によると「2006年:日本の広告費」は329億円増えて5兆9954億円になりました。しかし、主に増えたのは「インターネット広告費」で、前年から822億円増えて3630億円となりました。

●「マスコミ4媒体」は、733億円減少、
逆に「マスコミ4媒体」は、733億円減少しており、これで2年続けて減少しているのですが、特に「新聞広告費」は、391億円、「テレビ広告費」は250億円減少しています。

●「金融・保険」は、207億円減少。理由は「消費者金融の広告自粛」
「マスコミ4媒体」の広告費で前年比最も下回った業種は、「金融・保険」で、7%、207億円減少し、2874億円になってしまいました。特に「消費者金融は不祥事による広告出稿自粛で大幅に減少した」と書いてありました。

ただ「金融・保険」に関しては業種別に見た場合、2005年は2位、2006年は3位だったのですが、10年前は8位で2000億円以下だったわけで、その後1999年あたりから消費者金融の広告が増えたことにより上位にランクされるようになったわけです。
ということで、昨年消費者金融会社で不祥事がいろいろと起きたのですが、やはり無理に拡大してきたことが今、このような形で現れたのかなと思います。

●消費者金融、インターネット広告でも広告費縮小
消費者金融の広告費の減少ですが、実は「インターネット広告費」にも影響があったと、「週刊東洋経済の3月17日号」に書いてありました。ヤフーの06年の広告売上げは40%増の847億円だったのですが、四半期ごとの数字を見ると、05年10~12月は、180億円、次は205億円と13%伸びたのですが、その後は212億円、212億円、217億円と伸びが止まっています。
中堅ポータルのエキサイトは、06年4~6月から広告売上高が減少し、オールアバウトやサイバーエージェントのメディア事業も06年は伸びが止まっているとのことです。

そしてネット広告失速の原因として指摘されているのが、大手消費者金融会社からの出稿の落ち込みで、消費者金融はバナー広告や、検索連動型の広告の大口広告主だったのですが、経営が悪化し昨年中盤以降、ネット広告予算を大幅に縮小しています。

●今後の動向
グレー金利撤廃により消費者金融会社は莫大な利益を上げられなくなるため、営業所を大幅に閉鎖するなど大胆なリストラを断行しました。もともと、消費者金融の広告は、電通が動いて拡大してきたものであり、このように社会から反感を買ってしまった以上、今までのような派手な広告展開ができなくなったわけで、消費者金融の広告費は10年前のレベルに戻ると思われます。