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musicapple

music + apple = musicapple (笑)

収穫と種蒔き

2007年12月02日 | その他
昨日あるご婦人の方が
「私は悲しみに感謝している。
もし悲しみがなかったら、
私は自然の美しさに気付くことがなかっただろう。」
という意味のことを言っていました。

私は山上の説教の一節を思い出しました。

「悲しむ人は幸いである。
その人は慰められるであろう。」
マタイによる福音書5章4節

中世アルメニアの詩人ナレカツィの詩に、
「悲しみの言葉の本質を理解する全てのひとに」
という一節がありますが、
このご婦人は、この「悲しみの本質」を
理解しているのだなあと思いました。

「人は自分の蒔いたものを刈りとります。
自分の「肉」という畑に種を蒔く者は、
「肉」から滅びを刈り取り、
「霊」という畑に種を蒔く者は、
「霊」から永遠のいのちを刈り取ります。」
ガラテヤ6章7-8節

この地上での喜びは、多くの場合「肉的な」喜びであるものです。

山上の垂訓のルカによる福音書の並行箇所には、
逆の表現が見られます。
「今、笑っているあなたがたは不幸である、
あなたがたは悲しみ泣くであろう。」6章25節

6章21節
「今、泣いているあなたがたは幸いである、
あなたがたは笑うであろう。」
と比較するとき、「笑う」という言葉の意味の次元が
大きく異なっていることに気付きます。
25節の「笑う」はおそらく肉的に笑うということで、
21節の「笑う」はおそらく霊的な喜びを意味するものなのでしょう。

紅葉

2007年10月22日 | その他
秋も深まりました。庭のかえでもすっかり黄色くなっています。

今日のNHKスペシャルは、ポアンカレ予想を解いた数学者
ペレリマン氏の特集でした。

トポロジーの難問が、微分幾何学や物理学の方法を用いて証明されたのは、
とても面白いなと思いましたが、そのことに加えてフィールズ賞を辞退したり、
きのこ狩りをして暮らしているというペレリマン氏の生活スタイルに
ロシア人らしい精神性を垣間見ることができて嬉しく思いました。

なんとなく、風貌がアルヴォ・ペルト氏に似ているな~と思ったのは
私だけでしょうか。もし「修道院で研究してます」、と言っても違和感全然ないし(笑、冗談です)

ロシア・ノーボスチ通信社のボリス・カイマコフ政治解説員執筆の記事によると、
フィールズ賞を辞退したときに、

「私が別世界の中で自分自身との交流によってエクスタシーを感じているときに
何故私に賞と百万ドルが必要なのか」

と語ったといいますが、この「法悦」は「宗教的法悦」に相通ずる部分もあるのでしょうね。







皆既月食

2007年08月28日 | その他
今日は日本では6年半ぶりに見られるという皆既月食でしたが、
こちらの地方では好天に恵まれ、神秘的な皆既月食を堪能できました。

新聞報道によると、札幌では過去5回にわたって悪天候にさえぎられ、
札幌では実に22年ぶりとなるそうです。

データ:
部分月食の状態で月の出 午後6時13分
皆既月食の始まり 午後6時52分
皆既月食の終わり 午後8時22分
部分月食の終わり 午後9時23分

国立天文台

百尺竿頭進一歩

2007年08月27日 | その他
朝刊を見ていたら、「百尺竿頭一歩を進む」という有名な言葉が引用してありました。その記事によると、出典は中国・宋時代の『伝灯録』ということで、一般には「常に努力して向上を図る」という意味に使われているようです。

ところが、今日たまたま『正法眼蔵随聞記』巻六第二十一節「古人いはく、百尺の竿頭に更に一歩を進むべし」を読んでいたので、ちょっとニュアンスが違うように思いました。「この心は、十丈のさをのさきにのぼりて、なほ手足をはなちて、即ち身心を、放下せんがごとし。」とあります。また、『無門関』第四十六則 「百尺竿頭」にも言及されています。

身心脱落の境地ですから、これは人間的努力の次元を超えております。



精密自然科学における「信仰」

2007年08月20日 | その他
午前中ひまだったので、オスカー・ベッカーの
『ピュタゴラスの現代性』(中村清訳、工作舎)の中の
「ピュタゴラス思想の現代的意義」を読んで過ごしました。

「「精密な」すなわち数学に基づく自然科学は、
世界に「調和的」で数学的に単純な、透明な構造が存在するという
「信仰」が基本にあるときにのみ、可能だ」(29ページ)

「我々が観察の対象にしうる世界構造が、そのように単純透明な
構図に対して高度に近似していること、これは決して自明ではない。」
(この命題をPとしましょう)。

というのですが、この「信仰」の源泉がピュタゴラス思想であり、
ピュタゴラス思想の現代の哲学にとっての思想的意義を強調したい
ようです。

しかし、一部の物理学者の間では、このような「宗教心」は揺らいで
きているらしい。どのように揺らいでいるのかはまた大変興味深いところです。


物理学者や天文学者にとっては、数学は道具のひとつ(にすぎない)
という感覚がもしかしたらあるかもしれないですが、多くの数学者は
数や関数といったものが実在するという、「プラトン主義者」であるらしい。

仮にこうしたプラトン主義の立場をとるにしても、
上の命題Pはやはり自明でありません。


ところで、オスカー・ベッカーの『数学的思考』(中村清訳、工作舎)には、

「数学的なものは、アリストテレスがいくらか激しい調子のなかで
しばしば力説しているところでは、数学者の抽象する精神活動の
結果初めて存在を獲得するにいたるものである。ここに後代の
「唯名論」への方向を示す最初の兆候が認められる。
数学の対象は、まさに思考上の事物として現れ、
思考のなかではなるほど分離しているが、
それ自体としては分離して存在しえぬものなのである。

このスタゲイラの人(=アリストテレス)はプラトンとは対照的に、
数学的なもの一般の存在の根拠を抽象のうちに見ている。
ということはつまり、彼は数学的図形をそれ自体によって成立
している存在者(「実体」)とはとらず、具体的物理的事物からの
「除去」(Aphairesis)によって成立する対象、すなわち、
思考上の事物、人間的(そしてまた恐らくは神的な)精神の産物だ
と説明するのである」


とありますが、「除去」によって成立した数学は、任意の数学ではなく、
観察可能な世界に「即した」数学になっているために、
上の命題Pのようなことが起こっているとも考えられます。

うーん、続きはまた明日考えよう。。。



佐治天文台

2007年08月17日 | その他
口径103cm反射のある佐治天文台で、メシエ天体などの「天体観望」をしてきました。写真はその「観望証明書」です(笑)。

こと座にある環状星雲M57(NGC6720)や、
はくちょう座のアルビレオ
ヘルクレス座の球状星団M13
など、大口径望遠鏡の大迫力で見ることができました。

雲が出て木星が見られなかったのがちょっと残念でしたが。

こうした公共天文台では、天文普及活動と研究活動のバランスが大切らしいですが、どういう研究活動が行われているかが明らかでなかったので、研究活動の普及活動もやってもらいたいなと思いました。


オスカル・ミンコフスキー

2007年08月13日 | その他
ミンコフスキー空間で有名な数学者のヘルマン・ミンコフスキー
Hermann Minkowskiですが、wikipediaによると、その兄の
オスカル・ミンコフスキーOakar Minkowskiは病理学者で、
糖尿病と膵臓との関係を明らかにする研究をしていたようです。

さらにオスカル・ミンコフスキーの息子、ルドルフ・ミンコフスキーは
天文学者で超新星の研究をしていたようです。

病理学者と数学者と天文学者の意外な接点を知って
ちょっと嬉しくなりました。

wikipediaの記事:
ヘルマン・ミンコフスキー
Oskar Minkowski
Rudolph Minkowskiルドルフ・ミンコフスキー

日本語版wikipediaのオスカル・ミンコフスキーの記事がまだないようですが、
自分で書きますか?!(笑)

ペルセウス座流星群

2007年08月12日 | その他
『天文年鑑2007』によると、
8月13日(月)8時にペルセウス座流星群が極大となりますが、
ちょうど新月にあたり、条件は最良だそうです。

こちらの地方はいまのところ良く晴れています。
昨晩は30分くらいボーっと空を眺めていて(笑)
雲の合間から、-1~ー2等級の流星を3個くらい見ることができました。

今晩も見られるかな~

正四面体の性質

2007年08月06日 | その他
またまた化学の本を読んでいたら、
正四面体の初等的な性質を調べるはめになってしまいました。

多分高校で習ったのかもしれませんが、全く記憶になし(笑)。

1辺の長さがaの正四面体の内接球と外接球の半径をそれぞれ、r, Rとすると、

r = a*sqrt(6)/12
R = a*sqrt(6)/4

となりますが、Rは言い換えれば、正四面体の各頂点からその「中心」までの距離
ということもできます。

ちなみに、各頂点に半径1/2aの球を置いたときの、
中心にできる空洞に入る最大の球の半径はR-1/2aで与えられます。

証明は初等的ですが面倒なので、次のページなどをごらんください。

http://www.shimanet.ed.jp/minami/link/homepage-naga005/grapes-001/seishimentai-kyuunaigaisetsu.pdf