goo blog サービス終了のお知らせ 

musicapple

music + apple = musicapple (笑)

マルティン・シュタットフェルト

2006年10月02日 | 音楽
クラシック倶楽部放送のマルティン・シュタットフェルト 
ピアノ・リサイタルは、
2006年3月9日, 東京・すみだトリフォニーホール収録の、

バッハ、ゴールトベルク変奏曲 BWV988 から
  アリア
  第 1変奏   第 2変奏   第 3変奏
  第 4変奏   第 5変奏   第 6変奏
  第 7変奏   第 8変奏   第 9変奏
  第11変奏   第14変奏   第15変奏
  第16変奏   第17変奏   第18変奏
  第23変奏   第24変奏  
  第25変奏   第26変奏   第27変奏
  第28変奏   第29変奏   第30変奏
  アリア

でしたが、グールドみたいな演奏スタイルと
オクターブ上げたり、左右を入れ替えたりと
非常に変わった「翻案」で驚きました。

ラーザリ・ベルマン 

2006年10月01日 | 音楽
ラーザリ・ベルマン(Lazaŕ Naumovič Berman, 1930-2005)の
Brilliantレーベルの7枚組みのCD box。

 1948年から53年までモスクワ音楽院のGoľdenvejzerに師事、彼がいた4階のRoom 42はかつてスクリャービンがいた部屋だそうです。1951年のベルリン国際青少年音楽祭で第1位、1956年のリスト国際ピアノ・コンクールで第1位などのコンクール入賞歴がありますが、ベルマンは、“I always played wrong notes at competitions, that's why I always placed third." と言っています。“It's not important if you make a mistake while performing, the important thing is how you get out of it." だそうです(笑)。参考になります。ちなみにアシュケナージが第1位となった1956年のエリザベート王妃国際音楽コンクールでは、第5位でした。

 1976年のロンドンでのインタビューでは、演奏家の心構えに関して大変参考になる話をしています。“In this age everyone is involved in doing copies of copies. Unfortunately copies can be both good and bad. The ideal pianist is one who does not copy." 演奏のオリジナリティに関しても明確な考えを持っているようです。

 また、Nadejda Vlaevaによる教師としてのベルマンの記述によると、“he was a great believer in the importance of silence"ということで、音楽における沈黙の価値を重視していたようです。スクリャービンの演奏においてはとりわけ重要になる、ピアニッシモに関しては、弟子たちはuna corda pedalを使わないで練習するように指導されていたそうです。“A magical pianissimo, derived from the spirit of the music, had to be achieved without the help of the pedal - which was just a bonus during the stage of performances."と書かれていますが、これには若干の留保が必要だと思われます。というのは、una corda pedalは単にピアニッシモを得るためではなく、音色を変化させるためにも用いられるからであり、これは用いるピアノの個体差と調整に依存する部分が大きいため、時にuna corda pedalを使用しても思ったような効果が得られないことがあります。愛用のピアノを持ち運ぶわけにはいかない多くのピアニストにとっては、あまりにuna corda pedalに依存しすぎた奏法は危険であると考えられたのかもしれません。

1988年の東京文化会館での演奏会のプログラムの一部:           

リスト 
「巡礼の年 第2年(イタリア)から             
             ソナタ風幻想曲“ダンテを読んで”」
「巡礼の年 第2年(イタリア)から“婚礼”」

ワーグナー=リスト                            
「楽劇“トリスタンとイゾルデ”から“イゾルデの愛の死”」  

ラフマニノフ                              
「楽興の時 作品16 第4番 ホ短調」 

三段論法の数学起源論と音楽

2006年09月03日 | 音楽
千葉恵著「アリストテレスと形而上学の可能性 
弁証術と自然哲学の相補的展開」勁草書房2002年
に面白いことが書いてありました。

三段論法の起源については、

(1)分割法起源論
(2)イデア原因論起源論
(3)弁証術起源論
(4)数学起源論

の四起源論があり、このうち数学起源論についてみると、
ここにいう数学とは比例論のことで、
比例論はピュタゴラス派の音楽理論にその端緒を持っているという。
したがって、ピュタゴラス派の音楽理論は、
三段論法の体系化へのひとつの契機となっているといいうるかもしれません。

アリストテレスは、
項оρоςと項の連関を命題διαστημαと呼んだが、
ピュタゴラス派の音楽理論では、
оρоςは音符を、διαστημαは音程を表しているそうです。
これも示唆に富んでいます。

シューベルトのラスト・ソナタ

2006年09月03日 | 音楽
今朝、顎の関節がはずれたということで(顎関節前方脱臼)
電話が鳴って起こされました(苦笑)。

起きたついでにテレビをつけたら、教育テレビで
ミシェル・ダルベルトのスーパーピアノレッスンをやっていて、
私の大好きなシューベルトの変ロ長調のソナタD.960の第1楽章
のレッスンをやっていました。
いい番組をやっているものです。

この中で、ダルベルト氏が言っていましたが、
ブレンデル氏はリピートの部分の9小節が浮いているので弾きたくないと、
言っているそうで、実際CDを聴いてみると確かにリピートしていません。
ふ~ん、そういうわけだったのか、と妙に感心してしまいました。

でも、ダルベルト氏はやはりリピートは重要だ、と言っていました。
私もリピートは必要だと思います。
特に根拠はありませんが、あの第1楽章のテンポと長さは作品の
本質的な要素のひとつになっていると感じます。


ニコライ・トカレフ ピアノ・リサイタル

2006年08月31日 | 音楽
2005年3月13日, 紀尾井ホール でのニコライ・トカレフ 
ピアノ・リサイタルの録画。

トカレフ氏は、1983年9月15日生まれのロシアの若手ピアニスト。
1990年、グネシン記念中等音楽専門学校ピアノ科に入学、
1995年5月、11歳でモスクワにあるスクリャービン記念ホールで
リサイタルを開いたという。
2000年1月には、第10回青少年ユーロビジョン・グランプリで第3位を受賞している。

タッチはややaggressiveな印象。

プログラムは、次のようである。

1.無伴奏バイオリン・パルティータ 第3番 ホ長調 BWV1006 から
   前奏曲, ガヴォット, ジーグ ( バッハ作曲 /ラフマニノフ編曲 )
2. ピアノ・ソナタ 第21番 ハ長調 作品53 「ワルトシュタイン」 ( ベートーベン作曲 )
3. バレエ音楽「くるみ割り人形」 から
   1. 行進曲
   2. こんぺいとうの精の踊り
   3. タランテラ
   4. 情景
   5. トレパーク
   6. 中国の踊り
   7. パ・ド・ドゥー

4. 剣の舞 ( ハチャトゥリヤン作曲 /
ソーリン編曲 )

「北欧のピアノ曲を中心として」

2006年08月26日 | 音楽
私としては珍しく、某ホールにタイトルの様な趣旨の
演奏会を聴きに行った。

プログラムは以下のようであった。

グリーグ
「ホルベアの時代より」古い様式による組曲 作品40より
  前奏曲、アリア、リゴードン
叙情小曲集 第5集 作品54より
  羊飼いの少年、小人の行進、夜想曲
ノルウェー舞曲 作品35より、第1曲、第2曲、第4曲
「6つの歌曲」作品48より 「秘密を守るナイチンゲール」
「薔薇の季節」「夢」
劇音楽「ペール・ギュント」作品23より「ソルヴェイグの歌」
ピアノ・ソナタ ホ短調

シベリウス
10のピアノ小品 作品24より
  キャプリス、ロマンス 変ニ長調
5つのロマンティックな小品 作品101より
  ロマンス、ロマンティックな情景

コッコネン
「ピエラヴェシ」より「夕べの雲」「朝の風」

カスキ
泉のほとりの妖精、夜の海辺にて、秋の朝

ニールセン
2つの幻想的小品 Op.2 FS8


アルヴォ・ペルト 「タブラ・ラサ」

2006年07月17日 | 音楽
アルヴォ・ペルトの「タブラ・ラサ」(ECM, POCJ-1974)は、
シュニトケの「合唱のための協奏曲」と並んで、
いろいろな意味で私の思い出のCDなのですが、
改めて聴いてみると、やはり、東方教会の精神性を
感じないではいられません。
フィロカリア、無名の巡礼者の世界を彷彿とさせます。

この録音では、アルフレート・シュニトケ氏が
プリペアード・ピアノを弾き、キース・ジャレット氏も
フラトレスでクレーメルと共演しているという凄い顔ぶれです。

そこで、何故キース・ジャレット氏が現れるのか、
少々不思議に思うのですが、これは氏が隠れグルジェフィアンで
あることと決して無関係ではないと思われるのです(文献的
根拠はありませんが)。氏が録音しているグルジェフの
'Sacred Hymns'は正教会の典礼音楽の流れですから、
シュニトケの「合唱のための協奏曲」、
キース・ジャレットの「祈り~グルジェフの世界」、
アルヴォ・ペルトの「タブラ・ラサ」
がひとつにつながります。

ベリオのピアノ・ソナタ

2006年07月16日 | 音楽
ルチアーノ・ベリオ(Luciano Berio, 1925-2003, イタリア)は、
晩年に(2001年、76歳)ピアノ・ソナタを書いていますが、
自らの作品を音盤化することにあまり執着しなかったらしく、
このピアノ・ソナタもようやくCDが出たということになるでしょうか。

音源は、Francesco Tristano Schlime (1981- )という若手ピアニストの
Luciano Berio, Complete Piano Works, SISYPHE005 で、
Sonataは、First World Recordingと書いてありますから、
世界初録音ということになります。


ベリオは生涯、'I am a composer of serial music'と言い続けていた
そうですが、こういう首尾一貫した姿勢は人によってはマンネリ化とも
とられるのでしょう。また、多作ではあったのですが、ピアノ作品は
CD一枚に収まります。ピアノ・ソナタは最も長く(約30分)また複雑です。

フォルティッシモの変ロ音で始まり、同音の連打が形態的変化を伴いながら
最後まで繰り返し出現します。

岡田博美ピアノ・リサイタル

2006年07月05日 | 音楽
2005年11月17日東京文化会館小ホールでの
岡田博美氏のピアノリサイタル

岡田氏は、1982年マリア・カナルス国際コンクール第1位
第2回日本国際音楽コンクール、ユニサ国際音楽コンクールでも第1位の実力者。
イスラエルの作曲家A.ベン・シャベタイのピアノ協奏曲の初演も手がけています。

柔らかで落ち着いた演奏スタイルはとても好感が持てます。

この日のプログラムの一部:

フォーレ 無言歌 作品17
     ノクターン第13番 ロ短調 作品119
ブラームス ハンガリー舞曲
フォーレ パヴァーヌ

13曲からなるフォーレのノクターンは私のお気に入りのピアノ曲のひとつですが、
まったく関係ないのですが、この13という数は、ユダの福音書にも出てきますが、
グロタンディークの「代数幾何原論」が13章からなるのが、ユークリッドの原論が
13章からなることに因んでいるということで、13曲からなるこの曲集になんとなく
神秘を感じてしまうのは単なるこじつけです(笑)。


武満徹メモリアルデー・コンサート

2006年06月24日 | 音楽
2006年2月20日 サントリーホール

1.武満徹 リヴァラン
指揮・ピアノ:ウラディーミル・アシュケナージ

アシュケナージ氏は生前の武満氏にピアノ協奏曲を書いてもらう約束だったとか。
追悼の思いを込めての演奏。

2.ドビュッシー 牧神の午後への前奏曲

3.オリヴァー・ナッセン ヴァイオリン協奏曲 作品30
ヴァイオリン:ジェームズ・エーネス

4.猿谷紀郎 Where is HE? 夢 まじらひ
「NHK交響楽団委嘱作品・世界初演」
詩・朗読:谷川俊太郎

5.武満徹 フロム・ミー・フローズ・ホワット・ユー・コール・タイム
1990年に創立100周年を迎えたカーネギーホールの委嘱作品。
タイトルの「ミー」はカーネギーホールを指しているのだそうです。
打楽器奏者が操る5色のリボンはチベットの「風の布」と関係し、
それぞれ、

青 水
赤 火
黄 大地
緑 風
白 空気

を象徴してるのだそうです。