goo blog サービス終了のお知らせ 

musicapple

music + apple = musicapple (笑)

Steinway & Sons D-274 #314503

2007年01月05日 | 音楽
先日弾いてきた1943年製 D-274 #314503.
Vladimir Horowitz氏の2度目の来日公演(1986年6月昭和人見記念講堂)で使用されたピアノ。この時の録音:'Fachmann fur Klassischer Musik' Society FKM-1001。小生は残念ながらNHK-FMで聴いたのみでした。
プログラムは、

スカルラッティ ソナタ ロ短調 K87 L33
            ホ長調 K380 L23
            ホ長調 K135 L224
モーツァルト ピアノ・ソナタ第10番 K330
ラフマニノフ 前奏曲 ト長調 作品32の5
           嬰ト短調 作品32の12
スクリャービン 練習曲 嬰ニ短調 作品8の12
シューマン アラベスク
リスト ウィーンの夜会~第7曲イ長調
    コンソレーション第3番 変ニ長調
    4つの忘れられたワルツ~第1曲
ショパン マズルカ第21番 嬰ハ短調 作品30の4
         第41番 嬰ハ短調 作品63の3
     スケルツォ第1番

同年4月20日のモスクワ音楽院大ホールでのリサイタルの帰りでした。
そういえば、アレクセイ・スルタノフ氏がこのリサイタルに
潜り込んで屋根裏(?)で聴いていたんでしたっけ??

本日のD

2006年12月28日 | 音楽
お疲れさまでした~(*_*)/~~~

50****のD。
スクリャービンのソナタ#2, #3, #5を弾いて来ましたが、
はっきりいってやばかったので、
明日から猛練習します(*_*)


しばらく弾きこもります(笑)

みなさまよいお年を!

スクリャービン ピアノ・ソナタ第3番 アムラン氏の場合

2006年12月27日 | 音楽
某T大ピアノの会で高く評価されているアムラン氏の
スクリャービン ピアノ・ソナタ全曲録音から。
まず、第1楽章。

非常に独創的な解釈と思われるのは、第91小節の右手

His-Gis-Fis-His-Fis

が、第85小節、第89小節の音型に合わせてか、

His-A-Gis-His-Fis

と奏されていること。これは眼を見張りました(耳をというべきか)。

第48小節からのcresc.がなく、第50小節でいきなりfとなる、
これも驚きます。
第78小節など、3連符のリズムが時折付点のリズムになるのは、
荘厳な感じを出すのによく使われる手法です。

第27小節と第105小節の右手のタイが無いのは、
何か根拠があるのか疑問なところです。

第2楽章。
演奏するときいつも迷うのがペダリング。
アムラン氏は忠実に初版のペダリングに従います。
しかし、さすがに第6,7小節、第14,15小節などの
4拍目の最初の音ははずしています。

第3楽章。
2小節などの左手のオクターブですが、
16分音符と32分音符の中間くらいの音価で
微妙な雰囲気です。

第4楽章。
びっくりしたのは、第180小節の右手のCがCisになっている!!
あまりの違和感に脳がでんぐり返りました(笑)
でも、これ慣れるとやめられなくなりそうです(笑)

スクリャービン ピアノ・ソナタ第3番 小山実稚恵さんの場合

2006年12月27日 | 音楽
小山実稚恵さんのスクリャービン ピアノ・ソナタ全曲録音から。

第1楽章。
第8小節と第12小節の休符をたっぷりとります。
第20小節右手のDisを保ったまま左手の16分休符を明瞭に取ります。
第47小節の左手の、A-H-Cisをはっきり奏します。

最も感心したのは、第55小節からの展開部。
第2主題がまず右手に、そして左手に現れますが、
その旋律を非常に意識的に、明瞭に奏しています。
むちゃくちゃ感動します。

小生の思いますに、
第56小節冒頭のHと、第69小節冒頭のDesは少しアクセントを
置くのがよいです。そしてこれらの音に続く第2主題は
第1指により明瞭に奏するのがよいです。
第57小節冒頭左手のDis、第61小節冒頭左手のFには勿論
アクセントを置きます。


怒涛のような第4楽章。脱帽です。
東京公演の録画を何回も見てしまいました。



名演です。


いまさら言うまでもありませんが、日本が誇るピアニストです。


ピアノと人とはひとつ

2006年12月26日 | 音楽
何でもそうかもしれませんが、
ピアノは、それを弾く人との相互作用があって初めて
そのピアノらしさが生まれてくるんだなぁ、
というのが先日ホロヴィッツの1943年製Dを弾いた感想です。
あたりまえなことなのですが、
改めてその感を強くしました。

一音弾いただけで、
「あ~、このピアノは主人がいなくなってしまった
ピアノなのだなぁ。。。」と強く感じました。

ピアノは弾かないでいるとすぐに鳴らなくなってくる
ものですが、なんらかの改変を加えた後、弾き込みを
しなければ、似ても似つかぬピアノに変化してしまう
ことは良く経験します。

オーヴァーホールする際には、通常はピアノの主が
技術者や調律師にあれこれ注文をつけながら
慎重に行うものですが、ピアノの主がこの世にいない場合は
そういうわけにもいかないですね。

まず、アクションは重く調整されているか、
あるいは何かの部品を交換した後弾かれていないことによるのか、
比較的重たくなっており、レスポンスが悪化していました。

中高音部は鳴らず、倍音も乏しくなっています。
うんと長時間弾き込まないと本来の特性は出てこないだろうなぁ
と思いました。
それも、いろいろな人がいろいろなタッチで弾くのではダメで、
相思相愛の(?(笑))ピアノと持ち主が、調律師とバトルを繰り広げ
ながら成長させていくのでなくては、良いピアノの状態になりません。

「ピアノと人とは分離できない」

ほんとにそう思いました。


フォーレ 夜想曲 第8番

2006年12月24日 | 音楽
フォーレの夜想曲 第8番 変ニ長調 作品84-8は、もともと
8曲の小品集の第8番目の作品として出版されたものです。
初版はアメル社1902年となっています。

コラールのピアノ作品全曲録音では、
ノクターン集と作品84の小品集との二つの録音がありますので、
比較して聴いてみました。

二つの録音の最も際だった違いは、テンポです。
前者では、ほぼ楽譜の指示通りの
Adagio non troppo(符点4分音符=58)
で弾いているのに対し、
後者では、符点4分音符=50くらいのゆったりとした
テンポで弾いています。

デュナーミクでは、
26小節に記されているdim.が、前者では24小節あたりから始まるため、
27小節に記されているsempre dim.がはっきりしなくなっています。
その点後者では、25小節の後半あたりから、おそらくuna cordaも
含んでいるであろう効果的なdim.が施されています。

また、25小節後半の左手の第1指による打鍵は、
きつい音になりがちなので特に注意が必要です。


31小節からは、後者では若干のrit.が加わっていますが、
このrit.は50くらいのテンポでその効果を発揮するものでしょう。

全体的に後者の録音の方が、テヌートで示されている旋律線が
よく歌われており、より自由に奏されている感があります。
しかしどちらがいいともいえないので、
コラール氏としてはどちらも収録したかったのでしょうか。


譜読み上は、春秋社版では、

8小節6拍目の右手:アメル版でasとなっているところがbとなっている。
21小節1拍目の左手:cをcesとするか。

に注意します。

バッハ・コレギウム・ジャパン

2006年12月14日 | 音楽
地元のホールでの、バッハ・コレギウム・ジャパン演奏会。

プログラムは、モーツァルトの証聖者の荘厳な晩課(ヴェスペレ)K339と
レクイエム ニ短調 K626。今年の締めです。

びっくりしたのは、本来の聖務日課の形式に従って、
グレゴリオ聖歌と詩編とを交互に歌っていたこと。
さらに、休憩を挟んでレクイエムの前にも
グレゴリオ聖歌が歌われたのは本当に驚きました。
まるで本当に教会か修道院にいるかのような錯覚に襲われる
素晴らしい演奏会でした。

アンコールはアヴェ・ベルム・コルプス。
隣に座ったひとは涙ながらに聴いていました。

ファジル・サイ ピアノ・リサイタル

2006年12月10日 | 音楽
いつ録画したのか失念しましたが、
2004年4月26日紀尾井ホールで収録されたファジル・サイの
ピアノ・リサイタルの模様をぼーっと見ました。

なんといっても目玉は「ブラック・アース」ですね。
トルコの盲目の吟遊詩人アーシュク・ヴェイセル(1894-1973)による
大衆的バラード『カラ・トプラク』からインスピレーションを得て
作曲(即興)されたといいます。

サイの特殊奏法には驚かされます。
左手をピアノの中に入れて、弦を押さえ、
トルコの伝統的なリュートであるサーズの響きを模倣したらしい
独特の音を作り出します。
ただ単に弦を押さえるだけでなく、ヴィブラートもしています。

しばらく前に、これもいつ行ったのか失念してしまいましたが、
地元のホールに彼が演奏に訪れたときに、このブラック・アースを
生で聴く機会がありました。

その時はプログラムにあったベートーヴェンのハンマークラヴィーア
を聴くのが主な目的だったのですが、演奏者の都合で熱情に変更になっており、
とても残念でした。

録画の中のハイドンのハ長調のソナタは、昔子供の頃に弾いて以来、
とても久しぶりに聴きました。こういう作品をリサイタルで聴くのは初めてです。
サイのオリジナルの間奏(?)も入って楽しいです。

ラヴェルは野原さんの真面目な演奏を聴いた直後なので、
そのあまりのギャップがまた楽しいです。

トルコ行進曲は言及の必要がないでしょう(笑)

プログラム:
ハイドン ピアノ・ソナタハ長調 Hob.XVI-35
ラヴェル ソナチネ
サイ ブラック・アース
ベートーヴェン ピアノ・ソナタ第23番 「熱情」
モーツァルト トルコ行進曲

現代の音楽

2006年12月10日 | 音楽
久々にNHK-FMの「現代の音楽」を聴きました。
2006年11月17日に東京・津田ホールで収録された、
“四人組とその仲間たち”の模様から。

久留智之氏のショスタコーヴィチ・コードというのは、
ダ・ヴィンチ・コードのもじりでしょうか。

(ハンマー)ダルシマという西欧の民族楽器が
ピアノの起源のひとつというのは知りませんでした。
ウィリ・アーペルの『ピアノ音楽史』という本によると、
ピアノのハンマー・アクションは、ふつう、
パンタレオン・ヘーベンシュトライトPantaleon Hebenstreit
が始めたものと考えられており、この人は、18世紀のはじめに
ハンガリアのジプシーのチンバロムcinbalomのように、
ハンマーで弾くパンタロンpantalonという名の
大型のダルシマーdulcimerの大家としてヨーロッパを
歩き廻ったそうです。


プログラム:

伊左治直 「ガルシアは寒かった」       (4'47")
西村 朗 「スケルツォ・イン・D」      (2'48")
新実徳英 「マーチS」            (4'10")
池辺晋一郎「引用のしかた」          (4'21")
                    (ピアノ)碇山 典子

久田典子 「2つの椅子/海月」        (4'47")
久留智之 「ダルシス メロス・イン DSCH」(5'17")
金子仁美 「スケルツォ」           (5'06")
佐藤聰明 「途切れた墓碑銘」         (5'28")
                    (ピアノ)稲垣  聡


野原みどり ピアノ・リサイタル

2006年12月10日 | 音楽
いつ録画したのか失念しましたが、
2003年11月25日NHK101スタジオで収録された、
野原みどりさんのピアノ・リサイタルをぼーっと見ました。
どことなく緊張感のあるいい雰囲気をかもし出していますね~。

ラフマニノフの音の絵Op.33-3ハ短調の冒頭のペダリングが
ちょっと気になって楽譜を見ますと、確かに一番下のC音の音価を
正確に奏しようとすると、こういうペダリングになるんですね。
気がつきませんでした。

プログラム:

ドビュッシー ベルガマスク組曲
ラヴェル ハイドンの名によるメヌエット
     なき王女のためのパヴァーヌ
     ソナチネ
ラフマニノフ 練習曲集「音の絵」Op.33から  
     第2番ハ長調、第3番ハ短調、第7番変ホ長調、第9番嬰ハ短調