CELLOLOGUE

弦の張替え スピロからエヴァへ 1

昨年、ラーセンからスピロコアに張替えてから早1年。さすがに音にも元気がなくなってきたので、先週の土曜日に満を持して弦を張り替えました。新しい弦は、エヴァ・ピラッツィ。高価な弦ですが、現在までピラストロの弦はあまり使ってこなかったので、何はともあれ、今のうちに試してみようと決心しました。

なにしろ、張替えは1年に1回程度なので毎回やり方を忘れてしまいます。ブログに記録したり努力はしているのですが、その割に要領を得ず、考えながら行っているのが実情かな。今回もどの弦から取り掛かるかで15分かかりました。窓の外は秋の好日なのに空しく過ぎゆく時ぞ悲しき(笑)…結局、魂柱を倒さないように考えて端のA線から取りかかることにしました。


最初に、テルピースのアジャスター(ネジ)を中間位置にリセットしておきます。これで後のチューニングやりやすくなります。その後、ペグを巻き戻し古い弦を取り外します。これがなぜか快感です(笑)。私のアジャスターは、弦を外すと留め具が抜け落ちますので、予め表板に布を置いておきます。

以下、今回の記録(自己流)です。


①畳の部屋にラグを敷いた簡易施術台で作業待ちのチェロ。スピロの赤い飾り糸はもうヨレヨレです。
②エヴァ・ピラッツィとは、Extra Value Added Hypersonicの頭文字とピラストロ社の社長さんの名pirazziからなる造語だそう。ジャケット絵は擬人化したものか…



③用意したツール。上は各クロス類、下左から、歯ブラシ(松脂落とし用)、プライヤー、ドライバー2種、3Bの鉛筆、コンポジション。
④テルピースの下には念のためクロスを。ボールを止めるクリオネのような形をした金具も汚れを落としておきます。



⑤弦が摺動するナットの溝に鉛筆を塗る。(駒の上の溝も同様に)
⑥ペグを清掃し、新たにコンポジションを塗っておく。刻まれた溝が弦のテンションの高さを物語ります。
この後がメインの作業で、新しい弦をアジャスターに嵌め、ペグを巻いていきます。この時は片手でペグを巻き、一方の手で弦を引いて常に上下にテンションがかかるようにします。これを4回。



⑦4本張った後と最後のチューニングの後に駒の角度を確認します。
⑧張替え途中の状況。
⑨糸箱の中は、a=黒、d=赤、g=茶、c=青になりました。
⑩完成。飾り糸が赤から緑の縞々になってチューニング待ち。


今回は、各弦の張替えと同時にクリーニング、かつ、撮影をしながら行ったので、昼食後から始めて、終了は日が沈むころになってしまいました。
普段使わない神経を使うので疲れますが、まだ気を抜けません。もうひと踏ん張りしてチューニングをします。新しい弦は吉と出るか凶と出るか、運命の分かれ道。  


Nikon Z 6 / NIKKOR Z 24-50mm f/4-6.3
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