第1曲の「素直な心」もそうでしたが、5曲目の「無邪気」(Innocence)というタイトルにも少しばかり抵抗があります。
純心、純真、無垢、無心、無欲などからは無縁な私に弾く資格があるのか、と思ってしまうのです。
そのせいか、それだけにか、巧拙は別にして、弾いてみるとシンプルでありながら心に染みるところがあり、どこかモーツァルトを感じさせます。最初の細かい動きがいかにも無邪気に笑う子供のようですが、後半は「疾走する悲しみ」というか、「スキップする悲しみ」が見え隠れするような…
それを知ることができるのは子供ではなく、大人だからこそなのです。そう、ただ、悲しみを知る人のみに分かること、かな… 子供は悲しみを知らない、知ってはならない。
ともかく、こんな短い、易しい曲によくこんなニュアンスを盛り込めたものだと思います。意外とブルグミュラー、天才かも。
小学生にも追いつけない初心者の戯言ではあります。∎
ブルグミュラー:25のやさしい練習曲 作品100から第5番「無邪気」
Burgmüller Op.100 Nº5 Innocence | La inocencia