【今週末はどこに行こう?】今週末行きたい 展覧会・イベント

今週末行ける、オススメの展覧会やアートイベントをご紹介しています。
(関東地方・現代アート中心です。)

鈴木康広展「近所の地球」@水戸芸術館

2014年10月13日 | アート●オススメ展覧会●

■「世界がこんな風だったら面白いな!」を形にした展覧会。

 

今年の夏、一番お勧めしたい!!と思った展覧会です。


鈴木康広展 「近所の地球」 @水戸芸術館。



鈴木康広さんの作品は
例えば眠りにつく前や、授業中にぼーっと外を眺めながら


「世界は、実はこんな風になっているんじゃないかなぁ?」とか
「こんな風だったら面白いなぁ!」


なんて空想するような世界を現実の世界に再現してしまう、魔法のような作品。


 

(▲展覧会チラシより)



でも、それを「最先端のテクノロジー」とかではなく、ちょっとした工夫で現実にしてしまうのがとても面白いんです。

 

例えば、「地球の蛇口」は、地球を水が循環する様子を、宙に浮いた蛇口から地表を流れ続ける水で再現。
思わず、「どうなってるの?!」と覗き込んでしまいます。 


 

 

■作品の発想の元と、その先にあるユニークな世界観。


今回の展覧会の素敵なところは、多くの鈴木さんの構想ノートや、作品にたどり着くまでの小さなオブジェを作品とともに展示してくれていること。


例えば、瀬戸内国際芸術祭で運行された「ファスナーの船」。

(水戸芸術館HPより)


船が水をかき分ける跡がファスナーを開くようにみせる作品で、それだけでも面白いものなのですが、
さらにその思考の先にある世界は…▼


(▲今回の展覧会で購入した、鈴木さんイラストのポストカードです。)


地球がファスナーですっかり開かれてしまった世界!

こんな世界観がとても素敵だなぁと思います。


 

今回の展覧会では作品リストとともに、こういった▼鈴木さん手描きのイラストマップも配布されます。ご本人の解説付きで、作品に至るユニークな世界観を覗くことができるのが面白いです。


 


■観る人も作品の一部となって楽しめる展覧会。


受付で「作品にお手を触れないでください」と言われますが、禁止マークのついている展示以外は触って良い様子でした。

鈴木さんのデビュー作、「遊具の透視法」は、公園の遊具の"グローブジャングル"を素早く回転させることで、スクリーンに見たて、夜の遊具に昼間の子供たちの映像を投影するという作品。


(▲展覧会チラシより)


NHKの「デジスタ」という番組で2001年の大賞を受賞した作品ですが、当時(◀高校生だった…)テレビですごい!面白い!と思いながら見ていた作品を、実際に自分の手で回して、子供達の姿が遊具に浮かび上がってくる様子を体感できたのが感激でした。



 

今年の「六本木アートナイト」で展示されていた「まばたきの葉」も展示されています。


(▲展覧会チラシより)


作品の仕組みはこんな感じ▼で、会場にいる人が動くことで作品を観る事ができます。




六本木で展示されていたものよりも大きな木が真っ白く明るい部屋に展示され、葉っぱが「まばたき」しながら落ちてくる様子がよりはっきりと見られます。


(▲六本木アートナイトでの展示の様子。「まばたきの葉」を幹に入れると、てっぺんから葉っぱが降り注いできます。)


まばたきしている「目」をよく見てみると、ここにも秘密が…!

(▲六本木アートナイトにて。よーく見ると、目を構成しているものは…)



最後にある「研究室」は、高濃度に鈴木さんのユーモラスでちょっと不思議な世界観がぎゅっと濃縮された部屋でこちらも必見です!

 

①まず、シンプルで柔らかい形と色でできた作品のそのものの美しさに目を引かれ
②次に、そこにたどり着くまでやその先の発想に気づいて、くすっと笑ってしてしまったりはっとしたりして
③そして、最後には観る人がその作品の一部となって楽しめる。

そんな、いくつもの楽しみ方が沸き上がってくる作品がいっぱいの鈴木さんの個展。

 

来週末までですが、ちょっと足を伸ばしてでも行ってみるのがオススメ!です。


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■DATA■


●鈴木康広展「近所の地球」●


会期: 2014年8月2日(土)~10月9日(日)(月曜休館)


開館時間: 9:30~18:00 (入場時間は17時30分まで)


会場: 水戸芸術館 現代美術ギャラリー  (access)


 

入場料: 一般 800円、中学生以下、65歳以上・障害者手帳をお持ちの方と付き添いの方1名は無料。


(▲虹がきれいな入り口の噴水も素敵でした。)


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▼おまけ▼

 

立体作品と並ぶ、鈴木康広さんの魅力的な作品のひとつは、鈴木さんが「身体の一部」とも語る※「パラパラマンガ」。ユーモラスな空想の世界が手の中でパラパラと展開されていきます。

(※TOKYO SOURCE インタビュー記事より)


(▲今年、Eテレのイベントで配布されたパラパラマンガ)


そんな鈴木さんのパラパラマンガを商店街の様々なお店に展示する
パラパラマンガ商店街 in 水戸
というイベントが展覧会に合わせて開催されています。



鈴木さんの描く水戸の「楕円」地図、そしてユニークなお店の紹介イラストが素敵なマップが展覧会でも配布されています。


 

実際に商店街を回ってみましたが、店舗にポンとパラパラマンガが置いてあるだけで、やっぱりちょっと入りづらいなぁというのがちょっぴり残念。

でも、作品見たさに入ったお店の方と会話を楽しんだり、そのお店で素敵な雑貨や美味しいお菓子 を発見したり!なんていうのは、面白い体験でした。


(▲「パラパラマンガ商店街」に参加されている「lollipop cowboy」さん。
店主はイラストレーター・タイラマサヒトさん。
思わず欲しくなってしまう雑貨がいっぱいのお店でした!)

 

9月13日からは、鈴木さんの作品の特徴「見立て」をテーマにした展覧会が、金沢21世紀美術館でも開催されるそうです。

「まるびぃ」がバームクーヘンに…

こちらも気になります。

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最後までお読みいただきましてありがとうございました。


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今回はnote.muに書いた記事を転載しています。(プラスチカのnoteの目次はコチラ)

note.muで、実際に行ってみておすすめしたい博物館・美術館をご案内する「●ミュージアム案内●」マガジンを書いています。

こちらもよろしくお願いします。

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