goo blog サービス終了のお知らせ 

マハロ船長の航海日誌2

マハロ船長は
ミニチュア・シュナウザーの船乗り犬です。
毎日たべものの匂いをたよりに
大海原を航海しています。

エクメドメールからリベッチオまで〜名艇の系譜〜

2020-07-11 21:56:00 | ヨット
私がヨットに興味を持ち始めた頃、エクメドメール(Ecume de mer 海の泡)というヨットがQトン(クォータートン:25〜6フィート前後のヨット)クラスで大活躍していました。1970年代初めの頃の話です。
レース艇であるにもかかわらず、外観は丸っとした可愛い印象。
ジャン・マリー・フィノ(Jean Marie Finot)というフランス人新進気鋭のヨットデザイナーによる設計でした。
私は、舵誌に掲載されていたエクメドメールの写真を切り抜き、自分の部屋の壁に貼っていたことを今でもはっきりと憶えています。


このエクメドメールを日本で取り扱っていたのが、ニュージャパンヨットという会社。その後フィノ(グループ・フィノ)の設計によるヨットを次々に出すことになるのですが、1983年、フィノ設計のリベッチオが発売されました。サイズはエクメドメールと同サイズですが、大きなドッグハウスがこのヨットがクルージング向けにデザインされたことを象徴しているようです。
リッベチオは現在でも製造販売されている超ロングセラーで、堅牢で無駄のない落ち着いたデザインです。性能的にも中庸で、「小型クルージング艇の代表」なんていう人もいます。スターンの絞り込みがそれ以前のデザインよりゆるくなってきていて、その船型が古さを感じない理由のひとつかもしれません。


ちなみに、同じ設計者でも、1990年のベネトー・ファースト265というヨットを見てみると、“丸っこい”というよりもむしろ“ズンドウ”になってきました。
つまり、紡錘形から砲弾型に、より軽く、よりキャビンを広くというヨットの形の変化は世界の潮流のようです。(まあ、それはそれで嫌いではないんです。)
帆走性能も居住性も最近のヨットのほうが断然上なのは分かってますが、趣味の乗り物としては「ヨットらしいヨット」のほうが私には好ましく感じます。


最近はもっと極端になっていますね。(OCEANIS 30.1 (BENETEAU):同氏の設計)



キャビン内は、エクメドメールが、ポートサイドにギャレーが配置され、座る場所(セティーバース)がスタボー側のみであるのに対し、リベッチオはギャレーをコンパニオンウェイ付近に寄せて、キャビン中央部は両サイドにセティーバースを設け、一見30フィートクラスのキャビンの広さを確保しています。やはり、ヨットはアウトドアスポーツでもあるけれど、結構キャビンで過ごす時間は長いので、広いキャビンはありがたいものです。
(ただ、トイレの配置を犠牲にしている面は否めず、その点は最近は改良版もあります。)

ということで、こんどのヨットの詳細データを以下に記しておきます。

艇種:Libeccio(リベッチオ)・・・意味は、地中海性の湿った南西からの強風のこと
設計:Jean Marie Finot(Group Finot)
建造:ニュー・ジャパン・ヨット株式会社
進水年:1987年
エンジン:ヤンマー2GM20(2020年に1GMより換装)
全長:8.0m
水線長:6.5m
全幅:2.78m
吃水:1.5m
重量:1,850kg
バラスト:660kg
リグ:マストヘッド
キール:フィン
メイン:12.75㎡
フォア(ジェノア):20.40㎡
フォア(ジブ):8.75㎡
フォア(ストーム):4.75㎡
スピン:49㎡
燃料タンク:20L
清水タンク:55L


早く梅雨が明けないかなぁ!


11 コメント(10/1 コメント投稿終了予定)

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (skipper)
2020-07-11 23:54:03
私も45年ほど前エクメに乗っていました。非常に癖のない船で良かったですがアウトボートのため次艇はインボートのパサトーレに乗り換えました。フィノの船は居住性が良かったですね。瓜生さんとはQTon
以来のお付き合いでした。今35ft、より4スケールダウンして同じく26に乗っていますがフィノの船に乗られるのは大賛成です。良い航海を・・・
返信する
Unknown (マハロパパ)
2020-07-12 04:56:58
skipperさん
エクメの先輩のお言葉ありがたいです。
今はもうエクメドメールは中古市場でも目にすることはありませんが、実際に乗ってみたかったなあと思います。
返信する
Unknown (ホノムボーイ)
2020-07-12 19:19:52
海の男、そして男のロマン・・・・
そんなことを思いました。
返信する
Unknown (redsun)
2020-07-13 22:10:30
エクメのキャビンテーブルを現在のオセアニスのコンロ蓋兼テーブルに使っています。エクメも球数が減ってきました。クリートが回して止めるタイプだったり、ケッチに改造されたものがあったり、ファンも多いですね。
返信する
Unknown (行燈入道)
2020-07-14 20:14:26
伝統のモデルを手に入れたのですね。
イイですね、飽きのこないデザインと機能。
梅雨明けが楽しみですね。
返信する
Unknown (マハロパパ)
2020-07-14 21:30:05
ホノムボーイさん
海のロマン!
裕次郎、若大将、の頃から、実は変わってないのですよ。
返信する
Unknown (マハロパパ)
2020-07-14 21:32:50
redsunさん
エクメドメールの遺産ですね!
デザインは今でも通用すると思います。
でも、本物のエクメは全然見たことがないです。
返信する
Unknown (マハロパパ)
2020-07-14 21:34:22
行燈入道さん
ようやくゲットです。
たしかに梅雨明けが楽しみです。
返信する
Unknown (舵取按針)
2021-02-19 09:08:41
リベッチオで検索していたらマハロ船長のブログに行き当たりました。
リベッチオ、いい船ですね。
マリーナでお会いしたらよろしくお願いします。
返信する
Unknown (マハロパパ)
2021-02-19 21:32:58
舵取按針さん
YBMなのですね。
B-1110におりますので、よろしくお願いします。
返信する

コメントを投稿

サービス終了に伴い、10月1日にコメント投稿機能を終了させていただく予定です。