今日の出来事

一生懸命に毎日を生きる子どもの姿。そして、そんな子ども達に寄り添う、先生たちの思いを綴ります。

朝飯前さ

2024年04月10日 | 今日の出来事
春の嵐から一日明けた今日。
立ち止まった季節が再び動き出しそうなほど、晴天に恵まれました。

階段を下りてくる多くの足音は、どこか楽しげ。
いっぱい遊んでおいで。
みんなさっさと靴を履いて玄関を出ていきます。

男の子は自分の靴を履くと、お友達の足元にしゃがみました。
靴を履かせてあげているのです。

幼児クラスから入った入園当初は、よく泣きました。
皆の前に出て話をする勇気もありませんでした。
ふと気が付くと、なんだか涙が出ちゃう。
ママがいいのよね。


人に靴を履かせるのは結構難しい。
自分で履くのと違って、足首に力が入っていないからです。
時間をかけて何とか頑張って。
やっと履かせてあげられました。

履かせて立ち上がった男の子に表情はありません。
できた!の顔も、良いことをした!の顔も、そこには無い。

さも当然のことをしただけ。
そんな気質を静かに湛える、凛とした面持ち。
いい顔でした。

思うこと、忘れないこと

2024年04月06日 | 今日の出来事
「持っときな」


新年度初日の4月1日。

先週までお兄さんお姉さんの下で生活していた女の子は、年長さんになりました。
まだ空気を読み切れない新しい年少組の無邪気さと対比したからでしょうか、
どこか背筋がしゃんとしている気がします。
入園の会でのおもてなしの歌も役割を果たしてくれました。

散歩から戻った後ろ姿に向かって、話しかけてみようと思ったのは、
もしかしたら私も何か期待したのかもしれません。
いや、試そうとしたのかも。

直前の週末に亡くした私の愛犬のことは、女の子も知っていました。
名前も、白い毛並みも。

死んだら埋めるとか、そういうことは幼児らしい。
骨になるってことは知らないのね…。

色んな葬り方があるって話をしたでしょうか?
覚えていないくらい衝撃を受けた彼女の返し。
それが「持っときな」でした。
さらに「そうしたら忘れないでしょ?」って。

これには参りました。
子どもに間違ったことを教えられませんな、保育士は。

見えない糸を、半分ずつ

2024年04月06日 | 今日の出来事
新年度が始まって一週間が過ぎました。

新入園のお子さんと、保護者の皆様にとっては激動の一週間だったことでしょう。
ただ、今年度は兄弟が多く在席していることもあって、全体的に落ち着いています。

はじめましての子ども達と、ちょっとずつ距離が縮まっていくのは楽しい。
離されまいと、服をギュッと握る力の強いこと。
ひと口サイズのクリームパンみたいなおてて。


賑やかで楽しい日々ですが、お迎えの瞬間はちょっと特別です。
お迎えに来て我が子を見つけたママの顔。
間近に迫ってようやくママに気付く子どもの顔。

それぞれが半分ずつ握りしめていた糸が、パチッと結ばれるような。
ヘタなDNA検査よりも、明快に親子を証明するような二人で一組の笑顔。
「よかったねぇ」と笑顔で子どもに声をかけながら、胸の内では結構感動します。

土日で幾分リセットされるでしょうから、週明けからまた感動の再開が見られます。
そうしたことを差し引いても、新年度は大変だけどね…(笑)

使用上の注意

2024年02月07日 | 今日の出来事
夕方、子ども達が保育室で遊んでいます。
早く帰る子が何人かいなくなった保育室は、喧噪が収まり少し落ち着きます。
が、そうでないときもある。
その時も、子ども達の気持ちを乗せてしまったのは…たぶん私。
しばしば子ども達のリミッターを解除してしまうから、やり過ぎが起きる。

「先生をやっつけろー!」
「こうだ!」
バシッバシッ!バシッ!
ポカポカポカポカ!
こらこら先生が壊れる…


逃れて立ち上がったところで、その子がうつぶせなのに気付きました。
いやな事があった子がたまに逃げる部屋の隅。
いじけています。
ポカポカポカポカしていた子。

ママに怒られちゃったんだって。
先生叩いてたから。
あぁそっかぁ。


ママにごめんなさいをしなければならないのは私。
普段からこんな遊びを許してますから。
ママさんごめんねぇ。

ママとしては黙ってるわけにはいきません。
先生を叩いてるんだから。
結果的に、ママと、女の子を困らせてしまいました。


子ども達は、使い方を心得ています。
やってはいけない先生にはやりません。
言って良いこと、良い相手を、ちゃんとわきまえている。

あとはタイミング。
これは先生がコントロールしてあげなきゃね。

図書館をご利用の際の〇箇条

2024年01月11日 | 今日の出来事
寒い日が続きます。
子ども達が外遊びに出かける時点で気温は4℃。

靴を履いてテラスに出た子ども達は、
それでも小刻みに動き回って楽しそう。
だって図書館に行くのですから。

暖かい図書館で好きな絵本を探すというのも冬の過ごし方です。
たまにはこういうのがあってもいい。
軽い足取りで出発していきました。


出発前のこと。
「今日は図書館に行きます」
先生が図書カードを掲げると、歓声があがりました。
みんな触りたいけど大事大事ね。

出発前のお約束も確認しました。
「図書館の中ではしずかにしましょう」
「はーい!」

男の子、自分が知っていることを披露しました。
「としょかんではのみものをのんではいけません!」
その通り!
「としょかんではたべものをたべてはいけません!」
よく知ってますね。

すると一人の女の子が。
「としょかんではそーせーじもふらいぱんもいけません!」

言った本人は笑っていますから、機転の利いた冗談でしょうか。
いずれにしても、これから行く図書館が楽しみであることは、十分伝わってきました。

笑い声は室内を温めます。
だから保育室は今日もポカポカ。