訪問するつもりもなかったインドなので、滞在中驚いたり、戸惑った事がある。
その内容を今後のためと、初めてインドに行く人のために記しておく。
今回は旅行の準備時間が短かった。
娘がインドで結婚式を挙げると聞いた時も、娘が来てくれと言わないし、相手の家族も忙しくておもてなしができないから来なくて良いということだった。
娘が旅立つ3週間前に、妻が突然「やっぱりインド行く。行かないと一生後悔する」と言い出したものだから、娘が相手の承諾を得て、大慌てで国際線の飛行機を予約、パスポートを取得し、ビザをとり、上司に相談して約2週間の休暇を申請。必要な物もリストアップ、購入、スーツケースすら持っていないので、それの準備から。ちなみに言い出しっぺの妻は手続き等私と娘にすべてお任せです....
インドの婿殿も我々の国内線やホテルの予約、結婚式場となる寺院は婿殿家族が住むパトナから車で8時間かかるので、ドライバーの準備や寺院までの旅行行程のホテルの予約と大忙しだっただろう。
また、我々夫婦のインド滞在に関わる費用は全て婿殿と婿殿家族が負担してくれた。娘の結婚式に関わる衣装や装飾品もである。感謝でしかない。
さて本題に。自分らが行った場所で、日本と違うと感じたところを記しておく。
(1)インド内空港(国際、国内双方とも)
セキュリティチェックが厳しく、並ぶので、出発2時間以上前に空港に到着している必要がある。
空港内のセキュリティチェックは警察が行っているようだ。殆どの警官が武装している。
空港内に入るのもセキュリティチェックがある。荷物とパスポート、ボーディングパスが確認される。飛行機に乗らない送迎者は空港内に入れない。
空港に入った後も、区画移動、例えば国際から国内へ乗り継ぐフロアに移動する際もパスポートとボーディングパスがチェックされる。当然、どこも並ぶ。
搭乗口に向かう最後の難関、セキュリティチェック。手荷物と身体のチェックがされる。
手荷物は日本国内のセキュリティチェックとさほど変わらないが、問題は身体のチェック。
・身体チェックは男性と女性で並びが別。女性はテントの中で女性による身体検査がある。
・身に着けている金属はすべて外しトレーにいれてX線に通す。例として、ズボンのベルトや時計、鍵等
・ブーツや上着も日本と同じでトレーにいれてX線に通す
・身体チェックは、係員が呼ぶまで金属チェックゲートを通れない。ゲートを通った後、万歳をさせられ、手持ち型の金属探知機と触診でまんべんなくチェックされる。
空港内で公衆Wifiは使えるが、機械にパスポートを読み込ませ、鍵(パスワード)を知る必要がある。
(2)タクシー
婿殿が手配してくれたので、手配方法の確証はないが、空港にいた係員に政府公認のタクシー手配をお願いしていたようだ。旅行者を狙う輩は多いので、空港からホテルまでの足は安全な手段を選ぶ方がよいだろう。
(3)ホテル
アメニティやドライヤー、スリッパ、冷蔵庫は日本のビジネスホテルのように完備されていない。
比較的高級なホテルには冷蔵庫はあったが、冷えるか怪しいものである。
またタオル類も、二人で宿泊するのに1セットしか置いてない場合が多々ある。
比較的高級なホテルも掃除が万全とは言い難い。日本とは違う。
チェックイン後、部屋に行ったときに一通りチェックして、ホテル側に補充や対応を伝える。
要求を伝えても、すぐに対応してくれないとか、ヒンズー語で婿殿が話をしても違ったものをもってくる事もよくあった。
チェック項目としては、だいたい以下の通り。チェックすると日本のホテルの優秀さがよくわかる。
・アメニティ、ドライヤー、スリッパの有無 必要な物は提供できるか確認
・ウォーターボトルの追加。水道水は危険なので、歯磨き等はすべてウォーターボトルの水で。
・タオル類が数揃っているか
・トイレは流れるか?インド式ウオッシュレットは使えるか?トイレットペーパーはあるか?
・シャワーから温水は出るか?(個別湯沸かし器の場合は操作方法を確認)
・エアコンは冷えるか?(インドのエアコンは冷房のみ)
・電気等壊れたものはないか?(後でトラブルを防ぐため)
・シーツやタオルは洗濯して清潔か?
ホテルではチェックアウト時、かならずレビューを求められた。外国人だからだろうか?
娘はビデオの前でレビューまでお願いされていた。
(4)道路交通状況
私たちは、婿殿家族が準備してくれたドライバー付き自家用車でしか移動していないので、列車やバスやオートリキシャでの移動方法は分からない。ただ言えるのは安い移動手段はどれも混雑している。電車は満員だし、バスは屋根にまで人が乗っている(長距離バスはさすがにそんなことはないが)、どこでも溢れているオートリキシャはヒンズー語必須だし価格交渉が必要(使えたら短距離の移動は便利だろう)
道路交通状況については、移動が続いたので、記すことができる。
・道路は露店、歩行者、自転車、バイク、人力車、オートリキシャ、牛、犬、トラクター、自動車、トラックと、とにかく多種多用なものが利用している。そしてひしめきあっている。
・交通ルールは「鼻先を突っ込んだ方が優先」「クラクションと大声でコミュニケーション」
・行けるところまで行ってスタックしたら微調整して切り抜ける。
・とにかく混沌としている。ハイウェイであっても逆走あたりまえ。歩行者優先はない。車線はあってないようなもの。
・信号はとても少ない。あっても交通警察が交差点に張り付いて誘導している。
以上のような状況なので、レンタカーを借りて運転するのはとても危険。道路沿いを歩くのも緊張を強いられるし、道路を渡るのも最初はインド人と一緒に渡った方が無難だろう。
(5)食べ物と水
レストランに行ったら、婿殿に「生野菜とカットフルーツ、ピッチャーの水は手をつけるな」と言われた。
ウォータボトルを注文しても、かならず封が切られていないことを確認した。
基本火を通した食べ物とウォーターボトルの水、チャイやコーヒーを飲むことになるだろう。
ちなみにそれなりの高級なホテルのレストランのコーヒーがインスタントだったのには驚いた。
チャイの文化だから、コーヒーは力が入ってないのかもしれない。
レストランや食堂で食べるインド料理は香辛料が多用されている。インド人でも毎食外食にすると胃腸がやられるそうだ。婿殿の実家でインド料理をごちそうになったが、香辛料を使っていても多用されず食材の味を生かすように配慮されている。日本人がインドに行くとお腹を壊すのは当たり前というのを聞いていたが、水だけではなく外食の多用されている香辛料も影響しているのではないだろうか。
私たちは、胃腸を休めるために朝食はバナナ等で済ませたり、レストランの朝食ビュッフェで、インド料理以外のものを選んで食べていた。それと家庭料理のおかげで酷い下痢や胃痛に悩まされることはなかった。水も当然気をつけたが。
(6)言葉
英語の聞き取りは、字幕付きの英語圏海外ドラマや映画をみて、それなりにできるものだとおもっていたが甘かった。ヒンズー語は早口。それにあわせて英語も早口。殆ど聞き取れないというか、ヒンズー語なのか英語なのかすら判断できない場合も多々あった。娘にインド人英語を聞き取れるのか?とたずねてみると、最初は苦労していたそうだ。アメリカに1年留学していた彼女ですらそうである。学のない日本人の私が一朝一夕でうまくいくはずはない。
そこでスマホのgoogle翻訳の登場となるわけだ。日本語ー英語の翻訳はそれなりに精度が高くやってくれる。問題は日本語ーヒンズー語。そのまま日本語をヒンズー語に翻訳させると....まぁ無残なものだ。婿殿にチェックを頼むと、全然違うと言っている。途中で気づいて、日本語ー英語で翻訳させ、添削したあと、英語ーヒンズー語で翻訳させると、それなりにきちんと翻訳してくれる。つまり時間がかかるし、そんな操作時間に付き合ってくれるインド人も少ない。google翻訳は履歴が見れるので、過去翻訳したものを探して活用できたのは便利だった。幸いな事にインドの携帯電話網は比較的優秀なようで、電波が入らず困った状況は少なかった。google翻訳は言語をスマホにダウンロードするとオフラインでも使えるが機能が限定的だし翻訳の精度がとても落ちる。例えば音声認識を使った翻訳はできない。
まぁ、ボディランゲージが最後の砦ですね。
(7)大気汚染
PM2.5は街中だけ酷いのかと思っていたが、郊外でも酷い。200m先の視界すらボケる。インド人のマスク着用率は数%なのが不思議。また道路沿いは粉塵がすごい。マスクは手放せない。
(8)買い物や支払い方法
インドでは高額紙幣が廃止になり、キャッシュレスが進んだらしい。QRコードや国内のデビットカードによる決済が主流で、VISA等インターナショナルカードが使える場所は限られる。婿殿に理由を尋ねるとインターナショナルカードは手数料もさることながら、カード会社から店舗への入金が遅れるので嫌う経営者が多いとか。旅行者は現金が必要。
市中のスーパーマーケットや雑貨、ジュエリーショップ等は入口にかならず警備員がいる。スーパーは大きなカバンは持ち込めない。買ったものはスーパーが準備した袋に入れてくれる。
(9)電力(停電)
停電は日常茶飯事。場所によっては自家発電でしのいでいる。困るのはホテルのエレベーター。止まる覚悟で慌てないことが肝心。長く停電することはなかった。
(10)ビハール博物館(≒公営施設?)
観光でビハール博物館に行った。ビハール博物館は新しい建物で、インドと日本の企業が共同で建築したものらしい。日本製の太陽光発電システムの展示もあった。(ひまわりという名であった)
そこで驚いたのは、入館にセキュリティチェックがあった事。X線による手荷物検査や大きなバッグは持ち込めずクロークに預ける必要がある。ウォーターボトルも持ち込めなかった。
館内にWifiのSSIDは確認できたが、一般には解放していない。館内は電波の入りが悪いところもあり、googleレンズを使った翻訳も苦戦した。(展示の説明はヒンズー語と英語)自分の場合、IT関連の単語は比較的覚えているが、それ以外となるとダメで単語が分からず苦労した。
(11)シュリー・カシー・ビッシュワナス・テンプル(≒国内著名な巡礼地?)
婿殿家族と親戚でバラナシ市内のシュリー・カシー・ビッシュワナス・テンプルに行った。人気の巡礼地らしく、ヒンズー教徒と観光客が延々と並んでいる。並んで入ると1日かけても厳しい状況らしい。
templeに向かう道も混雑がひどく、オートバイや人力車、車も人を押しのけて走っているので、道をあるくのもかなり難易度が高い。そして物乞いも多く、スリ被害も多いそうである。
自分らは婿殿親戚の人脈で行列をパスし中に入り、寺院の核心である建物の中にも入ることができた。なので、寺院に入る手続きは分からないが、ググってみると、パスポートを見せてお金を払えばチケットを入手できるそうである。
注意点は以下の通り
・寺院の周りにはオデコに黄色い染料を塗ってお金をもらう人がたくさんいる。不要であれば断固断る。
・寺院の周りでは物乞いや花売りもよってくる。きりが無いので無視するしかない。
・寺院に入るには履物を脱ぐ必要がある。はだしにならなければならない
・靴箱はあるが溢れているので入れることができない。壁際に並べおいていたが、帰ってきたら移動させられており探すのに骨が折れた。靴を紛失する可能性はある。最悪靴をなくした状態でも帰れるよう心づもりしたほうがよい。
・荷物(バッグ)は寺院に持ち込めない。パスポートごとロッカーに預けた。
スマホを持ち込んでいる人もいたが、少数だったので、検査すり抜けた人だったのかも。(インドの家族も持ち込んでいない)
・X線を使った持ち物検査と金属探知機を使った身体検査がある。当然、そこも並ぶ。
・寺院内は武装した警官もいる。
・サルや牛がいてフンがすごいが、掃除を頑張っている人もいる。ただし人がいても掃除した汚水を寄せてくるので避ける必要あり。
・足は汚くなるので、靴を履く前にウェットティシュで拭く必要あり。