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Retro-gaming and so on

いつかやりたいと思っているゲーム

丁度、次何のゲームやるのか悩んでる状況を利用して、いくつか積みゲーを紹介しようと思う。
題して「いつかやりたいと思っているゲーム」である。
いや、シリーズ化するかどうか知らんけどよ(笑)。

まぁ、取り敢えず第一弾、としておこうか。

ここで取り上げるのはやっぱりRPGである。
前から何度か言ってるけど、ちょっと前までWizardry Vを取り上げていたが、懐かしさもあって・・・ってのはあるが、今はああいったRPGはそんなに好きじゃない。
と言うのも、経験値稼ぎがメンド臭いから、だ。もう、ほ〜んと、メンド臭い。
そういうわけでTRPGをベースにしたCRPGを好んでるんだが、残念ながら日本のゲームでその形式のCRPGは殆ど無い、と言って良い。

ところで。
今はそうでもないが、90年代だとヨーロッパのコンピュータ・エンターテイメントの情報、なんつーのは殆ど日本では知られてなかった。日本はアメリカでの流行り、に対するアンテナはそれなりにあるが、一方、ヨーロッパの情報、ってのは殆ど入ってこなかったのだ。
コンピュータサイエンス系の勉強をすると、実はその分野ではヨーロッパの学者達の貢献度がかなり高い事が分かる。しかしながら、現実に「使える」ソフトウェアってのは殆ど知られてなかったのだ。言わば(こちらから見た)ヨーロッパと言うのは、「理論だけのエリアでソフトウェアが無い」ように見えたのだ。
もっとも日本も「ハード産業だけの国でソフトウェアが無い」ように諸外国からは見えたらしい。まあ、ゲーム機は別だが。いずれにせよ、その辺の「見え方」はお互い様、である。
いきなり余談だが、今現在、例えばDTMやる際に世界で一番使われてるソフトウェアはSteinberg Cubaseと言うソフトウェアだが、実はこれはヨーロッパ製(ドイツ製)である。これは90年代からあるソフトウェアで、息が長いソフトなのだが、この存在も当時のアメリカや日本では殆ど知られてなかった。まぁ、ターゲットがATARI STと言うアメリカや日本ではマイナーなPC用ソフトだったから、と言う理由があるのだが(反面、ATARI STは当時のヨーロッパでは大人気だった)、ATARIがPC事業から撤退した際にWindows機に進出する。それで当時、アメリカではMacでのDTM環境が鉄板だったのに、結果その辺を全部ひっくり返したのだ。如何にヨーロッパ製ソフトウェアが使いやすく設計されてたのか、その底力を垣間見れるエピソードである。
いずれにせよ、そういうパワーがありながら、残念ながらヨーロッパでどういうコンピュータ・エンターテイメントが流行ってたのか、90年代の我々は知りようがなかったのである(※)。

さて、聞いたことがあるかもしれないが、ドイツはアナログゲームの国、でもあるそうである。アニメにもなった漫画「放課後さいころ倶楽部」でも扱われてるし(登場するボードゲームはかなりの確率でドイツ製だった)、ネットでも「ボードゲーム」を検索すれば殆ど話題はドイツ製一色である。
じゃあドイツでのRPG事情ってのはどうなんだろう、と言うと、これが結構売れてるらしい。あくまで「らしい」である。なんせドイツ人の知り合いもいねぇし、ドイツに行った事もない。そして日本に紹介されたドイツ製TRPGなんざねーだろ?だから確証はない。知らん。しかしアナログゲームである以上、ドイツだとTRPGはそこそこアツい分野らしいのだ。
アメリカのD&Dもドイツではそこそこ売れてるらしい。そして日本のソードワールドのように、ドイツにも国産TRPGがある。中でも一番有名なTRPGをDas Schwarze Auge(The Dark Eye)と言うらしい。どれだけ人気があるのか、と言うと続々とCRPGが出来るくらいに人気がある、と。それだけ聞くと日本のソードワールド以上の人気なんじゃないか(笑)。

とまぁ、ここまでが前フリ。
つまり、90年代のアメリカや日本のパソコンゲーム市場では、フツー、ドイツ製のCRPGなんざ知らん、って事になるわけだが。
ところが、90年代初頭。あのWizardryを出してたサーテックと言う会社は、Wizardry Crusaders of the Dark Savant(1992)を出した後ぶっちゃけ自社CRPGの開発能力が落ちていた。そこで、ある意味ツナギとしてとあるドイツ製CRPGのアメリカ国内販売を決意するのである。
それが今回紹介する「Realms of Arkania: Blade of Destiny」である。日本じゃ全く知られていないゲームだろうが、実はアメリカやヨーロッパではそこそこ知られたゲームであり、最近リメイク作品が作られた程のゲームである。
そしてこれが、ドイツ製TRPG、Das Schwarze Auge(The Dark Eye)のCRPG化作品第一弾、であり、個人的に「いつかやりたいと思っているゲーム」である。つまり、積みゲーだな。


さて、このゲーム、オリジナルはCommodore Amiga用である。Commodore Amigaはドイツで大人気だったパソコンだった模様で、その出自にも納得だろう。
ゲームは例によってキャラクタメイキングから始まるのだが、これがマニュアル読んでもまた良く分からん。ドイツではポピュラーなのだろうが、新参者にはピンと来ない。D&Dの方が遥かに分かりやすく感じる程である。



決定事項は名前、性別、ステータス(アトリビュート)そしてアーキタイプ(いわゆる職業)、である。
ちなみに、通常RPGだとステータスは「利点」のみを表すがこのゲームの場合、それだけではなく、「欠点」までステータス化してる。
つまり、

利点: 勇敢さ(Courage)、知恵(Wisdom)、カリスマ(Charisma)、器用さ(Dexterity)、素早さ(Agility)、強さ(Strength)、直感力(Intuition)
欠点: 迷信深さ(Superstition)、高所恐怖症(Acrophobia)、閉所恐怖症(Claustrophobia)、欲深さ(Avarice)、死体恐怖症(Necrophobia)、好奇心(Curiosity)、暴力性(Violent Temper)

と総計14ものパラメータがある。これはドラクエ以降に慣れた僕たちにはあまりにも多いパラメータである。細かい!
また選べるアーキタイプ(職業)は次の通り。
  • 道化師(Jester)
  • 狩人(Hunter)
  • 戦士(Warrior)
  • 盗賊(Rogue)
  • 海人(Thorwalian)
  • ドワーフ(Dwarf)
  • 魔術師(Warlock)
  • ドルイド僧(Druid)
  • グリーンエルフ(Green Elf)
  • アイスエルフ(Ice Elf)
  • 森エルフ(Silvan Elf)
実はこのゲーム、D&D方式である。つまり、ドワーフやエルフ等のデミヒューマンがクラス(アーキタイプと称してるが、いわゆる我々の認知上は「職業」)になっている。

キャラクタメイクが終わればゲームが始まる。




Commodore Amiga生まれらしく、当時のアイコンクリック方式でのゲームになってる。そして3Dなゲームだ。


街と街の間の移動はマップ画面で行う。移動先を選択して右クリックする。



戦闘はクオータービューのタクティカルコンバット方式。この辺も完全にTRPGのノリなんじゃないか、と思う。

画面写真見れば分かると思うが、レトロゲームの割にはキレイで面白そうなのは間違いないのだ。じゃないと人気出ないだろうしな。そして実はシリーズ化してるのだ(続編2作が出ている)。
ただ、個人的には、システム的に面倒くさそうな事もあって、「いつかやりたい」とか言いつつずーっと積みゲー化してる次第である。

なお、興味がある人はリメイク版含め、現在でもSteamで購入可能である。
是非とも誰かプレイしてみて、攻略記事を書いてくれないか(笑)。
ホント、ヘタレである。


※: ちなみに、今だとフランスのUbiSoftは世界最大のゲームパブリッシャーの一つであるが、90年代初頭はアメリカのSSIの下請けだったりしてる。しかし、90年代後半になると急成長し、逆にSSIを買収してしまう。つまり、この辺でアメリカのコンピュータエンターテイメント産業とヨーロッパのそれは拮抗しはじめるし、ネットの普及がヨーロッパのIT系企業の表層化に一役買うのである。
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