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見ル前ニ跳ベ

バイきんぐ小峠の日記

インポ①

2007-06-01 14:06:03 | ショート・ストーリー
インポになってしまった。

E.Dだ。

まさかこの22歳という若さで勃たなくなるとは驚きだ。

驚きとともに情けない。

性的に最も敏感と言われている中二の時なんか、チンコが風に吹かれただけで勃っていた。

風が気持ち良かったので、よく窓からチンコを出していた。

台風の時には射精するにまで至った。

その姿を見た近所の主婦に通報され何度も警察のお世話になった。

チンコをガキにエアーガンで撃たれた。

夏は日焼けし、冬は雪が積もった。

そんな青春時代を過ごしてきたのに、今はチンコがうんともすんともいわない。

最近勃ちが悪いなとは薄々感じていたが、認めるのが嫌だった。

色々試してみたもののどうしてもダメだった。

及川奈央の女教師モノを見ても勃たなかった時、E.Dだと確信した。

”勃たぬなら 落としてしまえ 金のたま”

織田信長の言葉を思い出し包丁を握り締めたが、さすがにそれはやりすぎだろうと思い留まる。

どうにかして勃起させねば、セカンドヴァージンならぬセカンドチェリーになってしまう。

・・・・・そうだ、昔のようにチンコを風に当ててみよう。

今日は強風注意報も出ているとテレビで天パーが言っていた。

ズボンとパンツを下ろし窓からチンコを出す。

目の前に巡回中の警官がいた。




ほんとうの世界 ~狂った世界・エピローグ~

2007-05-23 13:57:55 | ショート・ストーリー
私はとても綺麗好きだ。

人はそれを潔癖症と呼ぶ。

部屋は常にきちんと整理整頓されており、一日二回は掃除機をかけ、一日三回洗濯機を回す。

風呂は入浴する前に浴槽を洗い、入浴後もう一度洗う。
水垢が気になるからだ。

電車の吊り革を素手で持つ事など出来るはずもなく、手袋をはめるか、ファブリーズを撒く。

私はこのファブリーズを大変よく使う。

寿司が好きでよく食べに行くが、勿論板前が素手で握ったものをそのまま食べる事など出来ようもなく、ネタにファブリーズをかけて食す。

だからどんなに高級な店で食べようが、回転寿司を食べようが味は変わらない。

ファブリーズの味がするだけだ。

客や店員に訝しい目で見られるが、そんな事は気にしない。

私が気になるのは、きちんと殺菌出来たかどうかだ。


大便をする時は時間がかかる。

言うまでもないが、ウォシュレットのない便所など入らない。

あんなもの肥溜と一緒だ。

用を足した後、まずウォシュレットを五分くらい使用。

その後トイレットペーパーを、新品ロールの半分くらいを使用して丹念に拭く。

そして仕上げに肛門にファブリーズをかける。

念のため出した便にもかける。

空気感染の恐れがあるからだ。


以前信じられないくらい恥ずかしい事だが、部屋にゴキブリが出た。

視界に入った瞬間、目眩がして呼吸困難に陥った。

あんな病原菌の塊を自分の部屋で殺すことなど出来るはずもなく、数時間かけて玄関へ追い詰め外へ出した。

その後はすぐにファブリーズを撒き散らし、大家に電話して怒鳴りつけ、業者を呼んで検査してもらい、その日はビジネスホテルに泊まって、次の日引越した。

恋人の家でゴキブリが出た時は、夜中だったにも限らずタクシーを呼んで帰宅。

すぐに携帯から彼女のメモリーを消し、完全に縁を切った。

前に一度だけ街で偶然見かけた時、黒いスーツを着ていたので、それがデカいゴキブリに見えて仕方なかった。


そんな私の職場は、とある研究所。

いつも清潔で真っ白な白衣を着て、殺菌された完全密封の部屋で日々研究に励んでいる。

一緒に働いている同僚達も私と同じく、世間一般からみれば極度の潔癖症。

先日遂に研究の成果が実り、あるモノが完成した。

全世界的に支部を持つ秘密結社に依頼られて、ずっと取り組んでいた一大プロジェクトだった。

それは一瞬にして、この世からありとあらゆる菌という菌を消滅させる事が出来る素晴らしい物質。

その名も”ジャスティス”

液状のジャスティスをある装置を使って霧状に変える。

その方が広範囲にわたって使用できるからだ。

そう、ファブリーズからヒントを得た。

それをボタン一つで遠隔操作出来る装置を、地球儀に見立てた球体の中に収めることに成功したのだ。

このジャスティスを世界中にばら撒くとどうなるか。

地球全体が殺菌され、私達のような綺麗好きが生活しやすい環境になるのだ。

そうなるときっと”潔癖症”という言葉は死語になるに違いない。

地球上から菌がなくなるということは、当然植物、生物にも影響を及ぼす。

ジャスティスはベトナム戦争の時、アメリカ軍が空から撒いてベトナムを地獄に変えた枯葉剤の濃度を1500倍にしたもの。

およそ二リットルで、全世界の約十分の一の人が喉を掻き毟りながら死に追いやれる。

実に素晴らしい。

これでもうくだらない細菌に悩ませられることもなくなる。

これでもうくだらない人間に悩まされることもなくなる。


私は胎児の時の記憶がある。

母親の羊水に浸かって、まだ成形されていない手足を守るようにして丸めていた。

陣痛が始まり、私は母親の膣を通って下界へ降臨する時が来た時、本能的に嫌な感じがしたのだ。

全身の細胞が拒否しているのが分かった。

”あの世界は狂っている”と。

私は母体に必死で抵抗したが、結局産み落とされた。

私は嫌で嫌で堪らなくなり泣き叫び続けたが、それが元気の良い赤ん坊の象徴だと訊かされたのは、それから随分経ってからの事。

私は望んで生まれていない。

あれから30数年経過したが、私のあの時は本能は正しかったと言えよう。

私利私欲に走る太った家畜共が、今日も身勝手な事件を起こしてワイドショウを賑わす。

それに食いつくマスコミ、さらにそれに踊らされるブラウン管の前に陣取る暇を持て余している凡人。

すべてが滑稽だ!

この世界は病んで病んで病みきって、透き通ったモノなど何一つ無い。

目に映るものすべて虚無。

やはりこの世界は、狂っている


一応断っておくが、テロみたいな下劣なものと一緒にしないで頂きたい。

我々の行動は人類の溜まったツケを清算するだけのものだから。

JUSTICE(正義)

裁かれて当然の奴らが、裁かれるだけのこと。


さあ歴史を終わらせよう。

もう一度いちからやり直すだ。

それは可能なことだから。

今私の目の前にある、赤く妖艶に点灯するボタンを押せば、4リットルのジャスティスが入った地球儀型起爆装置”ほんとうの世界"が世界各国に散っていき、地球を浄化してくれる。

世界中に飛び立った”ほんとうの世界”は、地面に着地すると同時に霧状のジャスティスが噴出。

それが風に吹かれて街や村を覆う。

ジャスティスの優れているところは、非常に細かい粒子の集まりなので、どんな所にも浸透していく。

例えば家の中に居る人達でも、風に乗ったジャスティスの微粒子が外壁にぶつかると、家の中にまで入っていく。

早い話、逃げ場がない。

この研究所は地下300mのところにあり、いわば核シェルターみたいなものなので、さすがのジャスティスといえども入ってこれはしない。

今、他の同僚はすでにこの部屋から出て、ガラス越しにこちらを見守っている。

私はこれから起こるであろう歴史的瞬間を思い浮かべると、自然と笑いが込み上げてきた。

ガラスに映る私の笑顔。

こうやって笑ったのはいつ以来のだろう。

・・・もう忘れてしまった。

さあ歴史に終止符を打つぞ。

そうボタンに手をかけようとした時、ふと我にかえった。

しまった、私とした事が。

危ない危ない。

誰が触ったか分からないからな。

そう言って私は、ボタンにファブリーズをかけた。







狂った世界

2007-05-17 14:31:22 | ショート・ストーリー
ここは一体どこなんだ・・・

真っ暗闇の部屋

いつの間に閉じ込められてしまったのか

外壁は酷くベとついており、とても居心地の良いものではない

嫌な匂いもする

窮屈なのは部屋が狭いというだけではなく、ロープのようなものを身体に巻きつけられているからだ

ほとんど身動きがとれない

縦長の部屋だが、一方には光が見えるし人の気配もする

でもあそこに行っては駄目だ

それは本能でわかる

細胞が拒否しているんだ

”あっちはまともな世界じゃない・・・”

でも思考とは逆に身体はどんどん引き寄せられる

身体に巻きつけられたロープを引っ張られるんだ

徐々に光が近づいてきて、話声らしきものも聞こえてきた

”嫌だ行きたくない あんな狂った世界には”

扉が開き、目を覆いたくなる量の光を一斉に浴びせられる

目の前に白い服を身にまとった神経質そうな奴が立っていた

よく見るとそれは一人ではなく、複数の同じ格好をしているものがいる

どうやら研究所のようだ

俺は不安に駆られ、気が付くと年甲斐もなく大きな声で泣いていた

するとその中の一人が俺を軽々を持ち上げ、歓喜を含んだ声でこう叫んだ

「生まれましたよー!元気な男の子です!」


狂った世界へ

俺は足を踏み入れた




おかあしゃん

2007-05-08 13:48:57 | ショート・ストーリー
海に程近い小さな港町に、鈴音(すずね)というとても可愛らしい女の子がいました。

まん丸顔でいつも髪を綺麗に三つ編みに結っており、周りからは”鈴ちゃん”と呼ばれ親しまれておりました。

真っ赤なランドセルに小さな鈴を付けて、”チロリンチロリン”とやさしい音を残しながら元気に駆けていきます。

鈴音はおかあさんと二人暮らし。

おとうさんは鈴音の記憶のないまだ幼い時に事故で他界しており、おかさんは女手一つで鈴音を育ててきました。

鈴音はおかあさんが大好きでした。

やさしくて綺麗なおかさんのことを誇りに思っていました。

鈴音はおかあさんの事を”おかあしゃん”と呼びます。

理科の実験の授業の時、熱したスプーンをふざけて舐めてたら舌を大火傷して、それ以来”おかあしゃん”としか発音出来なくなってしまったのです。

鈴音はそれがとても嫌でした。

大好きなおかあさんの事を"おかあしゃん"としか呼ぶことが出来ない。

それは小さな女の子にとっては、計り知れない程の深い傷となってしまいました。


ちょうどその頃おかあさんは、新しく始めたパート先でイジメに遭うようになりました。

スーパーの惣菜コーナーという女だけの職場の陰湿なイジメ。

夫に先立たれもともと鬱傾向にあった彼女は、またその兆候が頻繁に見られるようになってきました。

台所で皿洗いをしてる時、急に奇声を発しながら壁に皿を投げつけたり、意味もなくパトカーや救急車を呼んだりと、その不可解な行動は日に日にエスカレートしていきました。

そんなおかあさんの事を鈴音は心配でなりません。

どうにかして前のようなやさしくて綺麗なおかあさんに戻ってほしい。

そんなある日、鈴音はあることを思いつきました。

今度の母の日に、何とか頑張って”おかあさん”と呼ぼう。

”おかあしゃん”ではなく、きちんと”おかあさん”と。

そうすればおかあさんはきっと驚き喜んで、以前のようにニッコリと微笑んでくれるにちがいない。

そう思うと鈴音はいてもたってもいられなくなり、早速練習を始めました。

もう”おかあさん”と呼ぶことはとうに諦めていたので、久しぶりに呼ぼうとすると舌を噛み中々思うようにいきません。

それでも母の日におかあさんを喜ばせる為、来る日も来る日も必死で練習を続けました。

学校帰りに図書館へ行き、発音の本を隅から隅まで読みました。

昼休み、お風呂に入っている時、寝る前に布団に包まりながらも、ずっと”おかあさん”を練習し続けました。

でもどうしても、どんなに注意深く言ってみても、口から出る言葉は”おかあしゃん”だったのです。


遂に一度も”おかあさん”と発っする事が出来ぬまま、母の日当日となってしまいました。

朝台所でおかあさんは、何ものっていないまな板を包丁で叩きながら、何かをぶつぶつと呟いていました。

鈴音はおかあさんの背中を見ながら誓うのです。

”おかあさん安心して、絶対わたしが助けてあげるから・・・”


放課後家に帰る前に、コツコツと貯めたお金で花屋さんに寄ってカーネーションを買いました。

おかあさんの白くて綺麗な肌に包まれると、より一層映えるであろう真っ赤なカーネーション。

そう思うと今すぐにでもおかあさんに会って、早くこの花を渡したいという気持ちになり、鈴音は走って家まで帰りました。

”きっと喜んでくれる!笑ってくれる!”

家に着いて中に入ると部屋がいつもより薄暗く感じられました。

大体この時間帯は西日が容赦なく照りつけ、部屋の中が眩しい程に明るいのに。

”カーテン付けたんだ!”

鈴音はとっさにそう思いました。

おかあさんが鋏でビリビリに引き裂いて以来、この部屋にはずっとカーテンがありませんでした。

鈴音は嬉しくて窓の方へ振り向きました。

けれどもカーテンレールにカーテンはなく、その上の方にある支柱からぶら下がっている白いシーツに、何か絡まっているものが目に入りました。

鈴音は一瞬それが何なのか分かりませんでした。

いや、正確に言うと目で捉えた時点ではっきりと分別出来たのですが、脳がそれを受け入れようとしなかったのです。

西日をさえぎっていたのはカーテンではなく、シーツで首を吊っているおかあさんでした。

白い肌がいっそう白くなり、それを地割れのように毛細血管が張り巡らされておりました。

頬を触ってみると完全に体温は失われ、5月のポカポカ陽気のせいで冷やりと心地よく感じられました。

その顔はとても穏やかで、口元には以前のやさしい笑みを浮かべていました。

「おかあさん!!!!!」

カーテンのない静かな部屋で、鈴の音がしばらく鳴り止まなかった。





顔に書いてある

2007-03-27 13:51:10 | ショート・ストーリー
お帰りなさい

あなた遅かったわね

会議ってほんとは浮気なんじゃないの

だって顔に嘘って書いてあるわよ

もう冗談よ、冗談

お腹空いてるんでしょう

分かるわよ、そのくらい

何年一緒にいると思ってるの

食べたいのはお肉

あなたお肉食べたいんでしょ

何ビックリしてるの

分かるわよ、そのくらい

だって顔に書いてあるもの



以上、キン肉マンの嫁でした




VINTAGE

2007-03-15 17:46:37 | ショート・ストーリー
俺は古いモノを好む。

そう、ヴィンテージコレクター。

Gパンは勿論リーバイスの大戦モデル。
Gジャンもセカンドを羽織り、中に着ているスウェットも両Vの程度のよい1940年代モノ。

スニーカーも普通のコンバース・オールスターに見えるかもしれないが、ソールを見ても分かる通りチャックテイラーを履いている。

兎にも角にも古いモノに目が無い。

それを手に入れる為に俺は金に糸目はつけない。

着ているモノだけではない。

車も古いアメ車を乗り回し、部屋の隅に何気なく置いてある真っ赤なソファーも、ヨーロッパから取り寄せたアンティーク物。

食器だってこだわっている。

食卓に並べられているこの茶碗。

実はこれ、土器。

弥生式土器。

2007年に、土器でメシを喰ってる奴なんて俺くらいだろう。

とても壊れ易いモノなので土器で飯を食う時は、ドキドキする。

いいか、土器だけにドキドキするんだ。

”それオヤジギャグ!古っ~い”だって?

当然だろ。

俺は古いモノを好むんだぜ。

勿論ギャグもヴィンテージだ。


女だって古い方が良いぜ。

若い方がピチピチしていいなんて俺には関係ねぇ。

俺の好みは老婆だ。

シワシワの老婆を抱きたい。

何せヴィンテージだからな。

もっと言うとな・・・・・俺ミイラと寝たいんだ。

あれこそ、ザ・ヴィンテージだろ。

そりゃ壊れるかもしれねぇよ。

やってる時、手とか取れるかもしれねぇよ。

だけどな俺には夢があんだ。

ピラミッドの上でミイラと”金のシャチホコ”という体位をして、ピラミッドを名古屋城へと変えたいんだ。

エジプトに名古屋城を建てたいんだよ。

スフィンクスも真っ青だぜ。

あっ、スフィンクスともやりてぇ。

バックでしか出来ねぇけど。


あー卑弥呼抱きてぇ・・・

高床式倉庫の中で、卑弥呼抱きてぇ

卑弥呼のアナルに、勾玉(まがたま)入れてぇ

卑弥呼のムダ毛処理を石包丁でやりてぇ

卑弥呼のアナルに、蹴鞠(けまり)入れてぇ

女王卑弥呼に「女王様とお呼び!」と罵られて、縄で亀甲縛りにして吊るされて何かの生け贄にされてぇ

卑弥呼のアナルに、埴輪(はにわ)入れてぇ

前方後円墳の中で、前戯肛門糞、喰いてぇ

ペリーのアナルに火縄銃突っ込もうとして「そこはまだ鎖国しています」って断られてぇ


ちなみに俺のアナルはヴィンテージ感を出す為に、用をたした後一切拭かない。

今では色々なモノが積もり積もってゴツゴツしている。

縄文式土器みたいだ。


まあ早い話

俺のアナルは

腐っている







違い

2007-03-07 17:56:53 | ショート・ストーリー
ちょっと植草くん、こっち来て。

ここの記事、ちゃんとチェックした?

最近間違いが多いよ。君のミスは上司である俺がデスクに怒られるんだからさー

頼むよーほんとに

いくらエロ本と言っても手抜き記事はダメ

そういうの読者見逃さないから

で、間違いっていうのがここのところ

いい?

スペルマの前に溢れて出てくる透明な液は”我慢汁”っていうの

”頑固汁”じゃない

分かる?

あれはちょっと刺激したら、いや何なら刺激しなくてもHな事考えてたらすぐ溢れ出てきちゃうんだから

全然頑固じゃないでしょ

だからあれは我慢汁

それでこれ読んでるとね、君は我慢汁とスペルマ一緒だと思っているだろ?

やっぱりなー

”違うんですか!?”って・・・

小学生じゃないんだから

言っとくけど全然違うからね

あの二つは全く別モノ

車とカツ丼くらい違う

一緒にされると困るんだよ

スペルマ違い

大丈夫?分かった?


それともう一つここ

ザーメンって書いてるつもりだろうけど間違ってるよ

”zamen"じゃなくて”samen"

ドイツ語だから

”z”じゃなくて”s”なの

スペル間違い

分かった?


君はたったこの短い文章の中で、”スペルマ違い”と”スペル間違い”二つの”すぺるまちがい”をしてるんだよ。

以後気を付けたまえ





やんべえ劇場

2007-02-06 18:14:34 | ショート・ストーリー
村人①「オイ訊いたか!やんべえが大阪でやるらしいぞ」

村人②「やんべえ?」

村人①「何だお前さん、やんべえも知らねぇのか」

村人②「オラやんべえ知らねぇ。オラやんべえとセックス知らねぇ」

村人①「いいか、やんべえってぇのは”キチガイ若旦那”ことハリウッドザコシショウと”イカれたモラリスト”バイきんぐ小峠と”IQ20の鞍馬天狗”バイきんぐ西村の三人で、二ヶ月に一回東京で行われているエンターテイメントライブだ」

村人②「・・・・・・・」

村人①「お前全然喰い付いてねぇな!」

村人②「・・・えっ?あーすまんすまん。今セックスってどんなものか考えてた。オラ必死で考えてた」

村人①「童貞の想像で描ける程、セックスは単純なモンじゃねぇ」

村人②「そのやんべえってのは、ネタは誰が考えてんだ?」

村人①「楠田枝里子だ」

村人②「楠田枝里子ってあの楠田枝里子か?」

村人①「そう。本当の身長が4m20cmあるのに、遠近法を使って今だに何とか身長を誤魔化し続けているあのキリン女だ」

村人②「キリン女?」

村人①「噂によると楠田枝里子は富士サファリパークで拾われ、DNA鑑定の結果キリンとその飼育係との間に産まれたあいのこらしいぞ」

村人②「・・・・・」

村人①「お前また喰い付かねぇな!」

村人②「・・・えっ?あーすまんすまん。今キリンと飼育係のセックスを考えてた」

村人①「童貞の想像で描ける程、獣姦は単純なモンじゃねぇ・・・そんな単純なモンじゃ・・・・」

村人②「そのやんべえは大阪のどこでやるんだ?」

村人①「ワッハ上方だ」

村人②「ワッハ上方?劇場か?」

村人①「いや核シェルターだ」

村人②「核シェルター?」

村人①「そう。北朝鮮が核ミサイルを発射した時の為に日本政府が造らせた劇場型核シェルターだ」

村人②「そんなに危険なライブなのか」

村人①「俺が訊いた話によると客の殆どがフーリガン、東京じゃお笑いライブではなくテロって言われてるそうだ」

村人②「テロ・・・」

村人①「しかも今回はあの伝説のコンビG☆MENSの一夜限りの復活ライブもあるらしい。あの爆発コントがまた見れるそうだ」

村人②「爆発コント・・・まさにテロ」

村人①「あとカップルで来ると必ず別れるという悲しいジンクス付きだ」

村人②「えっ、そんな!」

村人①「お前はどうせ童貞だろうが!」

村人②「くそっ!否が応でも行きたくなってきた。チケットはどうすれば手に入る?」

村人①「コンビニへ行くんだ。チケットぴあのPコードは”374-617”。ちなみにこの数字のあたまに090を付けるとブッシュ大統領の携帯番号と同じだ」

村人②「よし分かった!ブッシュも誘ってみる!」

村人①「頼んだぞ!ブッシュが来たライブとなると箔が付く」

村人②「”ブッシュ大統領、今回の緊急来日の目的は何ですか?”」

村人①「”ヤンベエヲミルタメデス”こうなる日はそう遠くない」

村人②「クソ!何て野望だ!やばいぜ・・・・・あれ・・・やばい?やばい・・・やべえ・・やんべえ!分かったぞ!”やんべえ”ってそういう意味だったのか!!!」

村人①「いや違う。”やんべえ”はドイツ語で”楠田枝里子”っていう意味だ」



弥生

2007-02-02 14:30:38 | ショート・ストーリー
とある繁華街の外れに存在する退廃的なホテル街。

その一角に一軒だけある老舗の寿司屋”弥生”。

衛生的に問題のありそうな立地条件に反して、その店構え・店内どれをとっても申し分のないくらい手が行き届き、値段も銀座の有名店に負けじと劣らない。

丹念に磨かれたカウンター。
その上部に掲げられたメニューには、貧乏人には到底縁のない”アワビ 時価”の文字。

板前の腕も然ることながら、ここの女将が何とも妖艶で溜息が出る程美しい。

毎日店に出る前に美容院での髪のセットと着付け。
そのアップにされた時露わになる完璧なうなじに、男性客の視線が容赦なく浴びさせられる。


私が今日わざわざ電車を乗り継いでこの店まで足を運んだのは他でもない。

ある噂の真相を確かめる為だ。

”金を払えば女将と寝る事が出来る”

何でも店を閉めた後、お客をその中に招き入れ行為をするとのこと。

本当だろうか。
店と同様見るからに敷居の高そうな奥ゆかしさと気品を兼ね揃えたあの女将が、金なんかで寝るようには到底思えない。

でももしそれが本当だとしたら、是非一度お手合わせ願いたいところだ。

今私は日本酒を二合と板前のお勧めを何貫か頂き、さっさと会計を済ませ、店が閉まるのをこの寒空の下待っている。

最後の客が出て、女将が外にのれんを仕舞いに来た時に声を掛けるのが決まりになっているらしい。

私は期待と緊張が複雑に交差する、あの風俗店の待合室特有の淡い昂ぶりに、暫く我を忘れる。

それから間もなくして店の看板の灯りが消え、中から女将がそそくさと出て来た。

駆け寄って声をかける。

「あの、その・・・何て言いますか・・・その・・・」

”あれ?さっきいらしてたお客さん?”

「はい、その・・・」

とりあえず話し掛けてみたものの次の言葉が出てこない。
もし違っていたら失礼で済まされるレベルの話ではないからだ。

私が当惑していると、女将がニッコリと微笑みこう告げる。

”・・・・・言いたい事はわかりますわよ。前金になりますけど”

信じられない事だがあの噂は本当だった。

私は跳び上がりたいほどの歓喜に襲われたが、あえて平常心を装う。

スーツの胸ポケットから財布を取り出し、一万円札を三枚抜き取り女将に渡す。

”お客さん・・・少ないですわ”

「えっ、だって以前誰かから三万て訊いたけど」

”三万の時もありますけど、今日は七万になります”

「今日はって。どういう事?」

”時価です”

「時価・・・・・」

”お客さん、さっきお店でお品書き見てたでしょ。それにちゃんと書いてらしたわよ。ほら”

そう言って女将が誰も居ない薄暗い店内を指差したので、私はそれを目で追った。

次の瞬間見覚えのある文字が視界に入る。


”アワビ 時価”




スカトロマニア

2007-01-16 14:47:57 | ショート・ストーリー
あーウンコ喰いてぇ!

今めっちゃウンコ喰いてぇ!

さっきカレー喰ったけど、ウンコ喰いてぇ!

腹一杯やけどウンコ喰いてぇ!

ウンコは別腹!

朝もウンコ喰ったけど、やっぱり昼もウンコ喰いてぇ!

授業中教科書で隠して弁当喰ったように、教科書で隠してウンコ喰いてぇ!

早弁ならぬ、早便。

ウンコ喰いてぇ!

ウンコを喰った後すぐウンコして”イリュージョン!”って言いてぇ!

腹下して病院に行って、医者に「お昼は何を食べました?」って訊かれたら、すかさず「ウンコ食べました!」って言いてぇ!

胸張って言いてぇ!

そして思いの他重病で入院、しばらくして退院になった時「今日から好きなもの食べて大丈夫ですよ。何が食べたいですか?」と訊かれて「ウンコ喰いてぇ!」って言いてぇ!

外国に旅行へ行ったら、その国の料理とかじゃなく、その国の人のウンコ喰いてぇ!

外人のウンコ喰いてぇ!

あーやべぇ・・・

俺いま本当に外人のウンコ喰いてぇ!

今度の夏休み、外人のウンコ食べる為だけにハワイ行きてぇ!

成田空港で記者にマイク向けられて「あのーハワイへはバカンスですか?」って訊かれたら「いえ、外人のウンコを食べる為に行きます!」って言いてぇ!

日本中を引かせてぇ!

そして今、目の前に居る全校生徒。

こいつら全員のウンコ喰いてぇ!

校長である私が朝礼の時

まさかこんな事を考えているとは、他の者は露ほども知らない




倦怠期

2007-01-11 17:38:58 | ショート・ストーリー
最近妻が冷たくなった。

まだ結婚して二年目だというのに。

料理もろくに作ろうとしない。

大体カップメンか冷凍食品。

完全に手抜きだ。

夜の営みの方もさっぱりで、結婚当初は色んな体位を試したり、積極的に腰を振ったりしていたが、最近はもっぱら手で済まそうとする。

まさに手抜き。



婦人警官

2006-12-26 18:21:40 | ショート・ストーリー
さっき整った顔立ちの婦人警官を目にした。

大変驚いた。

なぜなら俺は今まで、綺麗な婦人警官と、日本の未来を真剣に考えている政治家と、オナニーをしない男子高校生は、この世に居ないと思っていたからだ。

俺はその極上のポリスウーマンに逮捕されたいと本気で思った。

逮捕されて腕を後ろに回され、手錠を掛けられたいと懇願する。

足首にも同様にきつく手錠を掛けられ、身動きが取れないようにしてほしい。

僕の自由を剥奪してください。

それから職務質問をするような感じで、僕に罵声を浴びせてほしいのです。

僕のモラルを踏みにじり、プライドのズタズタに切り裂いて、ブタ野郎と罵ってください。

あなたは警察官という権力を振りかざす事の可能な職種を自ら選らんだのですから、根っからのSに違いない。

サディストはマゾヒストを前にすると、否応なしに身体が反応するのです。

既に黒部ダムの放水の如く、あなたの貯水部は崩壊しかけていらっしゃる。

今すぐに僕の杭を激しく打ち付けて、その無駄な放水を塞き止めて欲しいのでしょう。

あなたはそれを自ら口に出す事は、大変に卑猥なことだと考えていらっしゃる。

だから僕に信号を送る。

早くぶち込んでと、信号を送る。

だけど鈍感な僕は、その無言の信号に気付かないことでしょう。

そしてあなたに信号無視のキップを切られたい。

罰金という名目で、僕の金タマに罰を与えてください。

真っ赤なエナメルのハイヒールの踵で、僕の金タマを踏み潰してください。

何度も何度も。

何度も何度も。

あなたのヒールに突き刺さった金タマを見て、僕は焼き鳥のつくねを連想するでしょう。

僕はその見た目もバランスも悪い一つの金タマをぶらぶら引っさげて、あなたのダムを塞き止める仕事に就きます。

一生懸命腰を振り、ピストン運動に精を出し、精子を出します。

僕のギネス級の早漏に、あなたは愕然とし憤りを感じることでしょう。

そのあまりにも早すぎる射精に、あなたはスピード違反のキップを切る。

また罰金ですか。

では今度はもう片方の金タマを万力で挟んで、粉々にしてください。

僕の金タマをミクロの粒子にしてください。

僕の金タマがこの世に存在していなかった事にしてください。


僕の金タマよ、宇宙の塵となれ!


そして神よ、

いつかあなたと性交したい。










サンタクロースの贈り物 ③

2006-12-20 13:34:03 | ショート・ストーリー
薄暗い僕の部屋でそのサンタクロースを見た時、最初泥棒かと思った。

何故なら僕の想像するサンタクロースとは、明らかに違う雰囲気をかもし出していたからだ。

殺気・狂気・暴力・憎悪・復讐

彼の目からは、その負の感情があからさまに伺えた。

「サンタさん・・・ですか?」

僕はやっとの事で口を開く事が出来た。

案の定返事はなく、その鋭い眼光に思わずたじろいでしまう。

見た目はどこにでもいるようなサンタクロース。

ちゃんと袋も持っている。

でもその温度の感じられない冷淡な瞳だけが浮き彫りになっており、とてもじゃないが凝視する事が出来ない。

サンタクロースが僕に向かって近づいてきた。

”殺される”

脳がそう分別したが、彼は持っていた袋を僕の方に投げて寄こしただけだった。

プレゼントということだろうか。

袋を開けて中を見る。

・・・・・何なのだろう、これは。

無数の小さなイボイボが所狭しと袋の中に詰められている。所々血のようなものがべっとりと付着しており、嗚咽が出るほどの悪臭を放っていた。触ってみるとブヨブヨして変な弾力があり、ひどく嫌な感触。肉の塊のようなこの物体が何なのか、僕には全く想像がつかなかった。

僕の動揺など気に留めることもなく、サンタクロースは窓から足を出して帰ろうとしていた。

「あ、ありがとう。コレは何でしょうか」

彼はまるで汚いイヌでも見るかのような目で僕を一瞥し、何も答えずに窓の外へとまた動き出した。

「メリークリスマス」

とりあえずお礼らしきものを言っておいた方がいいだろうと、僕は震える声でこう告げる。

すると背を向けていたサンタクロースはくるりと反転し、さっきまでとは違う穏やかな目で、ゆっくりとこう呟いた。

「メニークリトリス」


袋の中に入っていたのは、女性の陰部から引き千切られた

たくさんのクリトリスだった。



次の瞬間、僕は袋の中に嘔吐する。









サンタクロースの贈り物 ②

2006-12-19 14:32:34 | ショート・ストーリー
クリスマスの夜、健太はゴソゴソという音で目が覚めた。

窓は開けられ、外の冷たい風がカーテンを揺らし部屋の中まで入ってきている。

そこに誰か立っているのに気付く。

サンタクロース。

健太は興奮した。

絵本で見たように、白髪で豊かなヒゲを蓄え、とても暖かそうな赤い服を着ている。

ただ一つ違って思えたのは、プレゼントが沢山入っているであろう大きな袋が、白ではなくくすんだ茶色だった。

「おじさん、サンタクロース?」

「そうだよ、わしがサンタクロースじゃ」

「やったー!早くプレゼントちょうだい!その袋の中には何が入っているの?」

「睾丸だよ」

「え?コウガン」

「そう睾丸だ」

「コウガンって何?」

「一日に精子を三億くらい作り上げる男性生殖器さ。まあ解りやすく言えば精子製造工場だ」

「何言ってるか全然わからないよ」

サンタクロースが担いでいるその大きな袋は、異様にデカイ、自身の玉袋でした。

「舐められると気持ちがいい。くすぐったいと言う奴もいるけど、意味が解らない。実に勿体無い話だ。わしは文句なしに気持ちがいい。待ったなしに気持ちがいい」

「おじさん、何しに来たの」

「見せびらかしにだ」

「帰んなよ」

「ああ」