物欲 日記

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思い出の 1 枚 「春の祭典」

2024年09月06日 17時04分29秒 | エッセイ風

思い出の 1 枚 「春の祭典」
 
ストラヴィンスキー 春の祭典 ピエール ブーレーズ指揮 クリーブランド管弦楽団
 
私はクラシックは聞くが熱心なファンではない。従って所有している LP も数枚しかない。その中に頂き物が 1 枚だけある。最後に聞いたのは何十年前か思い出せないが、私は、この LP の存在を決して忘れることはない。
 
私は大学に合格するまで 1 年浪人をしている。貧乏だったので普通の予備校には行けず宅浪だったが、学費が安い、予備校の夜間部には通っていた。しかし、現役生向けだったせいか 12 月に終了。このまま 3 月上旬の本番まで一人で頑張るのは不安だと思って調べたら、私が高 3 の時の担任が数学の塾を開いていること、そこには私の(優秀な)同級生も浪人生で何人か通っていることを知った。そこで先生に自分も入れてもらえないかお願いしたところ、快諾していただいた。
 
現役時代、私の成績は下から数えた方が早く、先生の印象もたぶん できの悪いヤツ だったと思う。そんな経歴の私なのに「来ても良い」と言われたときは、何故だろうと不思議であった。また、先生とはそれほど懇意ではなかったが、私が合格したらなぜか褒美をいただけることになった。先生は無類のクラシック好きで多くのレコードを所有されていたので、何でも好きな盤を 1 枚いただくことにした。これも不思議なことで、このような特権を得たのは現役時代一番成績が悪かった私だけであった。
 
果たして、無事合格。早速先生宅に報告に行き、おめでとうと言われた。自分では浪人して高校 3 年分の不足を取り戻す意気込みはあったが、先生からすると、コリャまぐれか?奇跡か?だったのだろうか。いずれにしてもレコード 1 枚の約束を果たしていただくべく先生の書斎に入れていただき、そして「ブーレーズ」の「春の祭典」をゲットしたのであった。指揮者は誰でも良いので「春の祭典」をいただくことは事前に決めていった。
 
残念ながらその後は先生とは没交渉で、その当時のことは私の薄れゆく記憶に残っているだけだ。その日のことを覚えておられるのか、なぜご褒美をいただけることになったのか、私が LP を持って行くことは想定されていたのか、その後補充されたのかなど聞いてみたい気もする。また、本番まで最後の 2 ヶ月程、週に1回、数学だけ であったが、誰かに授業形式で教えていただくこと、同級生と意見を交わすことができたことが、どれほど自分の支えになったかを、先生にお礼と共にお伝えしたいとも思う。

48 年前の 忘れられないレコードの思い出。
 
 
 



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