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おぼろ男=おぼろ夜のおぼろ男は朧なり 三佐夫 

小説・エッセー。編著書100余冊、歴史小説『命燃ゆー養珠院お万の方と家康公』(幻冬舎ルネッサンス)好評!重版書店販売。

聖女エウラリア

2014-03-30 21:57:02 | 小説
T先生が、ようやく壁面の写真を撮り終えて
「やぁ、お待たせしたね。それにしてもキリストの誕生から処刑を経て復活するドラマを撮っていると、宗教の奥深さを感じるね」
 と、自分に納得させるような口ぶりで茉莉子に話された。
「もうお昼ですなぁ。レストランで軽く食べて、午後は、カテドラルに行きましょう。あの建物は、スケールがとても大きいからあなたも驚くでしょうよ」
 二人は地図を頼りに近くのレストランに入った。
「ここのカテドラルは、カタルーニア・ゴシック様式の傑作です。バルセロナの守護聖人、サンタ・エウラリアに捧げられたものです」
 茉莉子は、ガイドブックで読んで、ぜひ見学したかった所だった。
 食事をすませて、タクシーで向かった。
大聖堂の前に立つと、70メートルのタワーが聳えた聞きしに勝る重厚な大建築であった。中に入ると、ステンドグラスに差し込む陽の光の美しさに見とれてしまう。長さ90メートル余り、幅は40メートル、それに見上げると首が痛くなるほど、28メートルの高さだそうだ。
 T先生は、掛の許可を得て、写真撮影に夢中であった。茉莉子は、大理石に刻まれている守護聖女エウラリアの4画面に興味をそそられた。それは、ローマ皇帝がキリスト教を禁止した時、その理由を問いただしたために鞭打ちの刑、火あぶりの刑、さらに磔にされてしまった。
 人々は、少女の話に託して少女を賛美し、自分たちの信仰を守ろうとしているのだ。そのことに茉莉子は感銘した

工事現場

2014-03-29 19:56:47 | 小説
このようなスケールの大きい教会を建てるには、莫大な資金がいるので、なかなか完成しないのであろう。また、スペインの内戦は、ガウディのつくった模型は、ほとんど消えてしまった。弟子たちは、師匠の残したわずかの資料を基に建築を続けている。
 イエスの栄光を示すファサードや18本の塔の内、約半分がまだである。塔は、12人の使徒に12本、マリアとイエスに1本ずつなどが構想されている。
 また、聖書の物語の最後の晩餐などを描いた壁画が彫られている。解説を読むと、次のようである。

東側の生誕のファサードでは、キリストの誕生から初めての説教を行うまでが彫刻されている。3つの門は、左門が父ヨセフ、中央門がイエス、右門が母マリアを象徴する。
中央の門の柱の土台には不変の象徴の亀が彫刻され、中央の土台にはリンゴをくわえた蛇が彫刻されている。また、門の両脇には変化するものの象徴のカメレオンが配置されている。中央門では、受胎告知、キリストの降誕、祝福をする天使、東方の三博士や羊飼い達などが彫られている。
左門ではローマ兵による嬰児虐殺、聖家族のエジプトへの逃避、父ヨセフの大工道具などが彫られ、右門には母マリア、イエスの洗礼、父ヨセフの大工仕事を手伝うイエスなどが彫られている。
西側の受難のファサードには、イエスの最後の晩餐からキリストの磔刑、キリストの昇天までが彫刻されている。現代彫刻でイエスの受難が表現されており、左下の最後の晩餐から右上のイエスの埋葬まで「S」の字を逆になぞるように彫刻が配置されている。
最後の晩餐→ペテロとローマ兵たち→ユダの接吻と裏切り→鞭打ちの刑→ペテロの否認→イエスの捕縛→ポンティウス・ピラトゥスと裁判→十字架を担ぐシモン→ゴルゴタの丘への道を行くイエスとイエスの顔を拭った聖布を持つヴェロニカ→イエスの脇腹を突くことになる槍を持つ騎兵ロンギヌス→賭博をするローマ兵→イエスの磔刑→イエスの埋葬と復活の象徴、そして鐘楼を渡す橋の中央に昇天するイエスが配置されている。

T先生は、カメラを構えて、夢中になっていて、時間を忘れてしまっているので、茉莉子は工事の現場で職人たちの仕事ぶりを眺めていた

いべリコ豚の生ハム

2014-03-28 19:49:10 | 小説
font>ホテルのレストランで、コーヒーで眠気を覚まして、トーストにイベリコ豚の生ハムを挟んで
食べていると、
「おはよう。早いねぇ」
と、T先生が寄って来た。
「お早う御座います。よく眠れましたか」
「いや、年気もなく昨夜は興奮して、熟睡できませんでしたよ」
と、行って隣に腰を下ろした。
 茉莉子は、ヨーグルトを取りに席を立ち、
「先生は、何をお飲みになられますか」
と、尋ねた。
「僕は、バレンシアオレンジのジュースをいただこうかな」
「はい、取ってまいります」
と、飲み物の置いてあるテーブルへ取りに行った。
「あなたは、生ハムを食べていましたね。僕もあれを食べるのを楽しみにしていましたよ。このイベリア半島の森の樫の実のドングリを食べさせた豚ですから味が絶品なのです。片股を買って来て、塩漬けにして3年間暗い場所で吊るしておきます。それをクリスマスのご馳走にするのだそうです。ちょっと塩辛いですがね」 
「先ほどいただきましたが、美味しかったです。日本では、塩鮭を神棚に吊るしておいて、お正月に切り分けていただきますから似ていますね」
「まぁ保存食ですからね。ただイベリコ豚の生ハムの方が手が込んでいますな」
「先生、今日はよろしくお願いいたします」
「まぁ僕についていらっしゃい。ただ、僕は気が向くと何時間でもカメラをのぞいていますからあなたは、適当に周辺を見学すればよいでしょう」
「有難うございます。わたしは、名高い建築家のガウディの建物と、大聖堂に行きたいのです。それに先生にお借りしたドン・ロドリゴの日本見聞録の本物が博物館に収蔵されているそうですから見学したいのです」
「日本見聞録は、2部だけが現存しているようです。もう1部は、大英博物館にあるそうで、とても貴重な物です。ただ、急に行って見せてもらえるかは、保証できませんが」
「その博物館に行けば満足なのです。よろしくお願い致します」
「それでは、9時半にロビーで落ち合いしましょう」
 茉莉子は、先にレストランを出て部屋で外出の身支度をした。
 ロビーでT先生を待っていると、少し遅れて重そうなカメラバッグを提げてやって来た。
「先ずサグラダ・ファミリアに行きましょう。ここは、いつになっても完成しない壮大な建築物ですが、見る者をして圧倒させられますぞ。ホテルからは町を散策しながら行くのが良いでしょう」
 と、先に立って足早に歩きだしたから茉莉子も後を追いかけた。
 日本でヨーロッパのガイドブックを茉莉子は買い求めて持参してあったので、バルセロナについても概略は知っていたが、目の前にそびえたつ建築物を見上げると圧倒されてしまった。
 日本では、見たこともない教会なのである。ガウディと言う天才のアイデアを後継者が何年にもわたって引き継いで工事が進められている。着工は1882年、ガウディは2代目で翌年から死亡する1926年まで取り組んだ、何しろ彼は職人と共に工事をするのだが、その途中でも設計や細部を変更するので職人泣かせであったと言う。
 そう言うわけで何台もの設計者がかかわり、完成予定は2026年であるから気の遠くなるような息の長い工事である

ホテル

2014-03-27 19:45:49 | 小説
">飛行機が、バルセロナの上空に近づくと、市街の中央に天へ向かって数本の塔が伸びている建築物が見えた。塔の上にはボールのようなものがついている。茉莉子は、機内誌で見た建築途中の教会「サグラダ・ファミリァ」に違いないと、窓に顔をつけて目を凝らした。
「ああ、これが有名な建築家アントニ・ガウディの設計した未完の教会だ」と、見とれている間に飛行機は高度を落として上空を旋回し、着陸した。
「とうとう、ルーツをたずねてスペインの地までやって来たのだ」と、思うと感慨深いものがあって、目に涙がにじんだ。
「茉莉子さん、とうとうバルセロナにやって来ましたよ。この町は、いたるところにユニークな建物や構造物がありますからね、ぼんやりはしていられませんぞ」
 愛用のカメラを肩にかけて、M先生も目を輝かして話しかけた。
 茉莉子は、ただうなずくだけであったが、感動していることは、表情から推測された。
 すでに夕暮れが近づいているので、タクシーに乗り込み、T先生がホテルの名を言うと、ドライバーは、うなづいて車を走らせた。
 ホテルのフロントでチェックインをし、キィをもらって、部屋に行った。二人は、隣の部屋であったから茉莉子には心強かった。機内で早めの夕食はいただいたので、後はシャワーを浴びて、ガウンに着替えて寝るだけである。
「茉莉子さ、明日は早めに朝食をとって、市内を巡りましょう。お休み」
と、旅慣れているT先生は、部屋に入られた。
 茉莉子は、機内で転寝をして来たので、遣欧使節団一行の様子などを想像して、なかなか眠りにはつけなかったが、疲れはなかった

バルセロナへ

2014-03-26 19:39:40 | 小説
浮世絵のジャパニスムを取り込んだ「アジアの風は、さわやかに吹き渡る」のファッションショウは、初日よりも二日目、二日目よりも三日目と、徐々にお客が増えて、パリジェンヌの心を奪った。最終日には、日本文化に関心の高い文化大臣もお忍びで来るほどであった。
特に色白で長身の茉莉子は注目されて、M先生と共にマスコミの共同インタビューに招かれ、質問やステージの感想を尋ねられた。
「わたしは、ゴッホや師宣・歌麿・写楽などの絵をイメージしながらステージに立ちました」
と、はにかみながら答えると、専門雑誌のライターは、「日本の娘は、優雅でシャイだ」と言うタイトルの特集を組んで絶賛した。
 打ち上げのパーティには、T先生も同席されて、乾杯の音頭を取られた。
「M女史の初めてのパリ進出は、先生のユニークなアイデアとスタッフやモデルさんの並々ならぬ努力で大成功でした。帰国したら私もみなさんの素晴らしいステージ姿をあるギャラリィで発表する予定です。本当に素晴らしい舞台でした。かんぱぁい!」
と、興奮気味に手短に挨拶された。
 パーティが終わると、T先生が声をかけて来た。
「茉莉子さん、あなたのお祝いにバルセロナにご一緒しませんか」
「えっバルセロナって、パリの近くにあるのですか?」
「いや、いや、スペインですから近くはありませんが、飛行機では数時間ですよ」
「すると、政宗の使節団が行ったところでしょうか?」
「きっと行ったと思いますよ。ここには素晴らしい建築物や博物館があるのです。わたしは若いころに撮影に行ったことがあるのですが、もう1度行きたいとずうっと考えていたのです」
「1週間ほどこちらにいることになっていますから先生がご一緒なら行ってもよいです」
 茉莉子は、ミゲルが遣欧使節団の通詞として歩んだ所に行ってみたいと、日ごろ思っていたので、T先生のお誘いを受けることにしたのだった

マロニエの青葉風

2014-03-25 23:02:42 | 小説
シャンゼリゼのマロニエの並木道が新緑に映えて、両側のカフェには丸テーブルとイスが出されている。朝だと言うのにもう着飾った女性が、コーヒーの香りを楽しみながら読書したり、知人同士で会話を交わしたりしている。
どんよりと曇った空を写真でよく見る凱旋門が支えるようにそびえていた。
茉莉子は、気の合うモデルさんたちと、ホテル前から地下鉄にのってやって来たが、フランス語は苦手なので、ただきょろきょろと往来の人たちを眺めながら凱旋門へと近づいて行った。まるで、「おのぼりさん」を地で行くような光景であった。
この古い華やかな大都市で、果たして「アジアの風」が評価されるか、日本にいるときから心配だったが、ここまで来ると、もう開き直ってレッスンの成果を思う存分発揮しなければ、意味がないと言う思いが強まった。
ホテルに替えると、思いがけなくT先生がロビーでパイプをくゆらせていた。
「まぁ先生、どうしてここにいらっしゃるのですか」
茉莉子は、驚きながらもほっとしたのであった。初めてのヨーロッパの地で親のようにな存在の先生にお目にかかれると、思ってもいなかったのである。そこへM先生が見えられて
「驚いたでしょう、まさかT先生がパリまでお見えになるとは、実は私も思っていなかったのですよ」
「いやいや、Mさん。わたしは初めからご一緒しようと思っていたのですよ。あなたのお仕事と、茉莉子さんのデビュウをこの目で確かめたかったのです。お邪魔かもしれませんが、ご一緒させてくださいな」
「まぁT先生、お邪魔だなんて、とんでもございません。先生が、ここにいらっしゃると、私たちはそれだけでも安心致しますよ」
「まぁ僕のわがまま行動をお許しくださいな。できれば、茉莉子さんのステージ姿を僕のレンズで写したいのです」
「それは、願っても御座いません。是非ともお写真をお取りくださいませよ。先生のお写真で茉莉子さんは、世界に羽ばたくモデルさんになるかも分かりませんからよいチャンスです」
 茉莉子は、お二人の会話をどうしてか他人事のように聞き流していた。それは、祖先のミゲルは、この花の都パリの地にも足跡を残したのかどうか、と言う疑問に考えが及んでいたからである

十二単衣の色

2014-03-24 19:27:11 | 小説
">「みなさんの羽織る布地の色を決めました。日本の伝統的な染色法で、薄いシルクを染め上げます」
「先生、それはどんな色ですか」
「それはね、十二単衣の色です。皆さんも知っている花々の色ですよ」
「へぇ、それでは、桜と紅梅に菫の花の色も入りますね」
「それは、もちろん日本の代表的な花ですからね。ほかには、どんな色がありますか」
「あとは、分かりませんよ。金や銀色ではないでしょう」
「あとはね、紅花の紅色、山吹の花の色、藤の花の色、女郎花の黄色、それに花ではないのですが、山桜の葉の薄紅色と、山々の新緑の若葉の色の9色です」
「まぁ素敵ですねぇ。早く身につけたいなぁ」
 モデルさんたちは、美しい衣装を身につけるのが、何よりもの生き甲斐なのである。
 茉莉子は、今までは身につけている物をすべて脱ぎ捨てて、ビーナスの誕生のようなヌードで勝負していたので、まさに逆の話だからなかなか納得するのに時間がかかるのである。
 だが、浮世絵の美人画の着物は、すべて見事な美しさで感動させられていたので、十二単の色で染め上げられた衣装をイメージすることは出来た。
「ただね、布地を提供して下さる織物工房と、染色を担当する職人さんは、首を振っているのです。とても技術的にむずかしいのだそうですよ」
「先生、だから素晴らしいのですね。頑張ってくださいませ」
と、ベテランのモデルさんが発言して、天女の舞のレッスンに入った

ゴッホの手紙

2014-03-23 20:14:02 | 小説
">「先生、序破急と言うのは、どう言う意味ですか」
ベテランのモデルさんが尋ねた。
「ああ、そうねぇ。昨日は説明をしなかったのね。この言葉は、元は雅楽の構成法なのよ。それを能楽の世阿弥が風姿花伝書で芸道の構成法として、この言葉を使ったのです。だから今度のアジアの風にも使うことにしたの」
「へぇ、そういう言葉だったんですか」
と、尋ねたモデルさんは、さも感心したように答えたが、茉莉子にはよくは分からないままに第3段階の練習に入った。
「ここは、今までのような緩急をつけずに一陣の風が大草原を吹き渡るようなスピード感が大事なのよ。透明でカラフルなシルク地を天女が羽衣をまといます。そして大空を舞うようにステージを何度も往復します。皆さん、優雅な美しい舞ですよ」
「はぁい。分かりました」
と、応えて、それぞれが大鏡のまえで舞を工夫するのだが、茉莉子には初めてのことで、見よう見まねの動作しかできない。
M先生が、そばに来て、手取り足取り振付を教えて下さるが、なかなか納得するような動作は出来ないのである。
「みなさんの動作をようく見て、自分の個性的な動作を工夫するのですよ。急いで仕上げる必要はありませんからね」
と、先生は笑いながらおっしゃって、ほかのモデルさんの指導に行った。
 数日間は序破急の動作にかかりっきりだったので、徐々にではあるが、アジアの大草原を吹き渡る風のイメージが仕上がって行った。
茉莉子は、まだジャポニスムの浮世絵展を見に行ってないのが気がかりであった。やっと休日が取れたので、午前中はゆっくりとして、午後から上野へ行った。
お借りしてある本で予備知識はあるのだが、本物は見たことがないので興味深々である。
フィンセント・ファン・ゴッホが中心の展示がされていて、浮世絵の模倣のような絵が数点あった。有名な画家が、日本の浮世絵の模倣のような作品を沢山描いていることに驚かされるのであった。
 解説文に「日本人は素早く稲妻のように実に素早くデッサンをする。それは、その神経がとても細やかで感情がさらに素朴だと言うことを意味する」と言うゴッホの手紙が紹介されていて、
「そうだ、素早く神経を細やかに働かせることが大切なのだ」と、自分のステージの動きが反省された

序の部・破の部

2014-03-22 20:00:39 | 小説
デザイン工房は、午後から夜にかけて活気が出る。さらにM先生が部屋に入って来ると、空気が引き締まるのは、新しいアイデアがよく飛び出すからである。
この日は、ステージの上での歩き方の訓練があった。モデルさんは、人数をしぼって総勢8人、茉莉子が中心の編成で、5番目にステージに登場する。
身長差を工夫して、低・高・中・低・特高=茉莉子・高・中・低の順である。これは、かなりの冒険で、普通はなだらかな曲線である。
茉莉子は、180センチを超える身長があるので、そこにスポットライトを主にあてて、さわやかな風が吹いているイメージの和風の音楽を流す。服装は、江戸の美女群像である。商家の看板娘や、武家の奥方、吉原の太夫などが登場する。
歩調は、速―遅―速―遅を基本にするが、途中で停止して、歌舞伎風に六方を踏んで左右に首を振り、天井をにらむ。そのとき茉莉子は師宣の見返り美人のポーズを取る。
ここまでが、「序の部」である。
次に「破の部」に移る。
がらりと服装を替えて、町火消に変身し、顔には写楽の絵のような隈取をする。歩調は、リズミカルなステップを踏む。肩の力を抜いて、ユーモラスな動作をするのだが、それはモデルさんがそれぞれ工夫しなければならないから休息時間を取って、M先生の個別の指導を受けるのである。だが、かなりハードな動作であるからどっと疲れが出る。
明日は、「急の部」に移るので、ここまでで、今日は先生のOKをもらえば終了となる