「おめぇさんは、母屋の裏の離れに泊まってもらうだよ。きのう、片づけておいたし、布団も干しておいたからよう眠れるだっぺぇよ。」
「有難うございます。父や母からもよろしくと言われて来ました。ぼくは、何しろ体が弱いので、皆さんにお世話になりますが、気を使わないでください。」
「ああ、それは、家の者たちもよう知っているからしんぺぇねぇよ。それで、朝昼晩の飯は、一人で喰うかい。それとも家の者たちと一緒に喰うかい。」
「ぼくは、朝寝坊ですから朝は一人で食べますから入り口に食事を置いておいて下さいませんか。」
「それじゃぁ、昼は家の者は出かけているからおらと一緒に喰うかい」
「はい、有難うございます。夕方だけは、皆さんと一緒に食べさせて下さいませんか。」
「それは、賑やかになっていいねぇ。寺の鐘が鳴ると、晩飯の用意をするからそれまでには家へ帰っていてくれよ。」
「はい、わかりました。僕は、体の調子が良い時は、山や、浜へ出かけて、絵をかいていますから寺の鐘の音を合図に帰って来ます。」
「ああ、そうしてくんなよ。おめぇさんが遅れると、家の者たちは、待っていなけりゃなんねぇからよ。それじゃ、腹がへったっぺから昼飯にするべぇよ」
二人は、沢庵こうこと、小魚のひもにワカメのみそ汁で麦飯を食べた。青年は、早起きのせいか、空気がよいからか、お代わりをした
「有難うございます。父や母からもよろしくと言われて来ました。ぼくは、何しろ体が弱いので、皆さんにお世話になりますが、気を使わないでください。」
「ああ、それは、家の者たちもよう知っているからしんぺぇねぇよ。それで、朝昼晩の飯は、一人で喰うかい。それとも家の者たちと一緒に喰うかい。」
「ぼくは、朝寝坊ですから朝は一人で食べますから入り口に食事を置いておいて下さいませんか。」
「それじゃぁ、昼は家の者は出かけているからおらと一緒に喰うかい」
「はい、有難うございます。夕方だけは、皆さんと一緒に食べさせて下さいませんか。」
「それは、賑やかになっていいねぇ。寺の鐘が鳴ると、晩飯の用意をするからそれまでには家へ帰っていてくれよ。」
「はい、わかりました。僕は、体の調子が良い時は、山や、浜へ出かけて、絵をかいていますから寺の鐘の音を合図に帰って来ます。」
「ああ、そうしてくんなよ。おめぇさんが遅れると、家の者たちは、待っていなけりゃなんねぇからよ。それじゃ、腹がへったっぺから昼飯にするべぇよ」
二人は、沢庵こうこと、小魚のひもにワカメのみそ汁で麦飯を食べた。青年は、早起きのせいか、空気がよいからか、お代わりをした