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21世紀新訳・仏教経典(抄)

西川隆範編訳・桝田英伸監修

この世の由来-世記経   ~地獄 その9 〈八大地獄・3 堆圧地獄〉

2012-04-08 20:28:28 | 経典
【堆圧地獄(たいあつじごく)】(衆合地獄・しゅうごうじごく)

仏陀は比丘たちに語り続ける。

「第三の大地獄「堆圧地獄」の周囲もまた、十六の小地獄が取り囲んでいる。
「堆圧地獄」も十六の小地獄も、どれもが500ヨージャナ(約3500km)四方の広さである。

第三の大地獄はどうして「堆圧地獄」というのか。


この地獄には、向かい合ってそそり立つ、大きな岩山がある。
罪人がこの間に入ると、自然と山と山とが合わさる。
押された圧力で罪人の肉も骨もこなごなに砕け飛ぶ。
すると、
山は元の場所へと帰ってゆく。

この山と山との間に木切れを投げ入れてみても、山が動くことはない。

ひと風が吹けば、罪人の体は元通りになることは、他の地獄と同様である。

苦しみの毒と辛酸はもはや量り難いが、罪の償いが終わるまで死ぬことも出来ない。
これら、圧力によって身を砕かれることをもって、「堆圧地獄」と呼ばれる。


また次に、「堆圧地獄」には、
大きな鉄の狂象がいる。
体中から炎を上げ、恐ろしい鳴き声をあげて走って来て、罪人たちを踏み潰してゆく。
罪人たちの体はぐちゃぐちゃに潰れ、血と膿が飛び散る。

苦しみの毒と辛酸、泣き叫ぶ悲鳴はすさまじいが、罪の償いが終わるまで死ぬことも出来ない。
これら、圧力によって身を砕かれることをもって、「堆圧地獄」と呼ばれる。


また次に、「堆圧地獄」では、
獄卒が罪人を捕まえ、石のすり鉢の中に入れ、石のすりこぎですり潰してしまう。
肉も骨もぐちゃぐちゃに潰れ、血や膿が飛び散る。

苦しみの毒と辛酸は量り知れないが、罪の償いが終わるまで死ぬことも出来ない。
これら、圧力によって身を砕かれることをもって、「堆圧地獄」と呼ばれる。


また次に、「堆圧地獄」では、
獄卒が罪人を捕まえて、大きな石の上にうつ伏せに寝かせる。
そしてその上に大きな石を落として、罪人の体を潰す。
肉も骨もぐちゃぐちゃに潰れ、血や膿が飛び散る。

苦しみの毒と辛酸は量り知れないが、罪の償いが終わるまで死ぬことも出来ない。
これら、圧力によって身を砕かれることをもって、「堆圧地獄」と呼ばれる。


また次に、「堆圧地獄」では、
獄卒が罪人を捕らえて、鉄の臼の中に寝かせ、鉄の杵でその足から頭に至るまで、突き潰す。
皮も肉も擦り切れ、潰れて膿や血が流れ出る。

苦痛、辛酸と万の毒とが並び極まるも、罪の償いが終わるまで死ぬことも出来ない。
これら、圧力によって身を砕かれることをもって、「堆圧地獄」と呼ばれる。


罪人は、永らく苦しみを受けた後に、「堆圧地獄」を出る。
しかし
この地獄に恐れをなして救いを求めて走り出しても、
その宿業に引かれて「黒沙地獄」以下の十六の小地獄にたどり着いてしまう。
その小地獄で罪の償いを終えてから、ようやく死ぬことが出来るのだ」


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