【 閑仁耕筆 】 海外放浪生活・彷徨の末 日々之好日/ 涯 如水《壺公》

古都、薬を売る老翁(壷公)がいた。翁は日暮に壺の中に躍り入る。壺の中は天地、日月があり、宮殿・楼閣は荘厳であった・・・・

「90億人の食」、食に纏る世界の話題 =043=

2019-09-21 05:43:27 | 浪漫紀行・漫遊之譜

≡ 世界の人口は2050年までに90億人に達し、十分な食料を確保できるのか ≡

= 消費者は、形が均一な美しい野菜に慣れている =

 仏像の形の“梨”がシュールすぎる -

ここに一つの未来図がある

【この企画はWebナショジオ_2014年4月~2014年12月期、35回記載に追記・補講した】

(文=Rebecca Rupp/訳=小野智子  イラスト:涯 如水)

◇◆ 仏像梨から考える、果物はやっぱり見た目? =2/2= ◆◇

 ヨーロッパには厳しい規格

 最近の消費者は、形が均一な美しい野菜に慣れているため、奇妙な形の野菜を手に取りたがらない。人々は枝分かれしたニンジンや、表面がデコボコのジャガイモ、ふたつが結合したビーツ、小さめのリンゴ、そして先程も登場した曲がったキュウリなどを避ける傾向にある。実はわれわれ消費者は、そうした不格好な食品から法律によって守られている。

 たとえばEUの規格はひどく細かいことで有名で、キュウリは「適度に形がよく、ほぼまっすぐでなければならない(円弧の高さは最大で10センチごとに10ミリ)」、ニンジンは「枝分かれしておらず、副次的な根も出ていない」、リンゴは「直径50ミリ以上、あるいは重さ70グラム以上でなければならない」と定められている。

 店頭で販売される食品にこうした細かい規定を設けることにより、ヨーロッパでもアメリカでも、大量の廃棄食料が生み出されている。収穫される青果のうち、美しさの基準を満たしていないというだけの理由から消費者のもとまで届けられないものは、全体の40パーセントにのぼるとも言われる。

 あるキュウリ農家では、1年間に収穫するキュウリのうち、出荷されるのは半分以下だが、不適格とされたキュウリの75パーセントは、味に関しては何の問題もないという。またあるトマトの梱包会社では、旬の時期には、形の悪い果実を40分毎に10トンも廃棄している。

 EUは多くの批判を受けて、26種類の青果についての規格を撤廃したが、その他10種類については引き続き規格を設けている。これに該当する青果には、リンゴ、柑橘類、モモ、洋梨、ピーマン、トマトといった需要の高いものが含まれているので、ヨーロッパに流通する量の75%に相当する。

不格好でもいいじゃないか

 そんななか、あえて形の悪い食品の販売に乗り出したスーパーマーケットもある。たとえばフランスの大手スーパー、アンターマルシェは先ごろ「不格好な果物と野菜」と銘打ったキャンペーンを開始し、普通とはちょっと違う、変形したナス、ニンジン、ジャガイモ、オレンジ、リンゴ、レモンなど、さまざまな青果をフィーチャーした美しいポスターを作って販売を促進している。

 このキャンペーンの目的は、曲がっていたりコブがあったりする果物や野菜も、こぎれいでツヤツヤとしたものに負けないくらいおいしいことを、消費者に実感してもらうことにある。しかもこうした不格好な野菜は、通常の野菜に比べて30%安く販売されている。

 食品の価格が上昇し、農業の持続可能性が危ぶまれるいま、もはや何トンもの食料を廃棄している場合ではない。食べものに関しては、美しさがすべてではないことを、勇気を持って認めようではないか。

 食品の価値を決めるのは、見た目ではなくその中身なのだから。  (文=Rebecca Rupp/訳=北村京子)

次回 / 世界8億500万人が栄養不足、原因は食料へのアクセス

◇◆ NEW FRUIT DISCOVERY : Baby Shaped Fruit ◆◇

・・・・・・ https://youtu.be/Lz3rv7-7plM ・・・・・

//////参考資料///////

■□ 参考資料:仏像の形をした梨 □■

 仏像の形をした梨 Buddha Shaped Pears

仏像の形をした梨Buddha Shaped Pears がいま話題を呼んでいる。ごらんのとおり、小さな仏像が木の枝からぶら下がっているようにみえる。果物であるからもちろん食べることも、また拝むこともできる。

 これを作ったのは中国河北省の農場主高先賢さん。これまで試行錯誤をしながら六年の歳月をかけて完成させたそうだ。梨の実がある程度大きくなったところで、それに仏像をかたどった硬い枠をかぶせ、そのなかで成長させることで、仏像の形に導いたのだという。今年はこの方法で一万個の仏像梨が収穫され、一部はヨーロッパに輸出される予定だという。

これまで人参やスイカを面白い形に導く試みがなされたことはあったが、梨をこのような形にしたのは今回が初めてだ。高先賢さんはこのアイデアを、中国の伝説から思いついたらしい。それによれば、あるとき老子が仏像の形をした梨を食べていたところを、仏教の僧侶がとがめた、仏を食べるなどとんでもないことだと、すると老子は、この世の食べ物で仏でないものがあるものかといって、食べ続けたというのである。

 高先賢にとって幸いなことに、EUはこの梨の受け入れを許可してくれたという。これまでEUは農産物の輸入に慎重で、規格や品質にはことのほかこだわってきた。ニンジンなどでも、あまり形の悪いものは許可されなかったから、その方針が貫かれていたら、この梨も排除される運命にあったかもしれない。

 一方日本への輸出はいまのところ考えていないようだ。日本人は外国産の食品に及び腰なところがあるし、まして中国産は敬遠される傾向が強いから、あえて日本への輸出にこだわることもないということか。たしかに日本人は野菜や果実の形にこだわるところがある。いくら仏像の形がめでたいといっても、この梨には飛びつかないかもしれない。

 ところでこの梨はどんな味がするのだろうか。梨の実が甘く熟すためには太陽の光線が必要だが、梨にかぶせた型紙がそれをさえぎることはなかったのだろうか。かつて日本人が四角いスイカを作ったときには、透明の枠組みをかぶせたそうだが、今回も同じようなことをしたのだろうか。

 それとも味は二の次で、仏の功徳を味わえることこそありがたいということなのだろうか。

・・・・・・明日に続く

□    □ □ □

_ Farmer grows baby-shaped pears in China _

・・・・・・ https://youtu.be/TZ17EBaVtgs ・・・・・・

=上記本文中、変色文字(下線付き)のクリックにてウイキペディア解説表示=

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・・・・・・山を彷徨は法悦、その写真を見るは極楽  憂さを忘るる歓天喜地である・・・・・

森のなかえ

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