【 閑仁耕筆 】 海外放浪生活・彷徨の末 日々之好日/ 涯 如水《壺公》

古都、薬を売る老翁(壷公)がいた。翁は日暮に壺の中に躍り入る。壺の中は天地、日月があり、宮殿・楼閣は荘厳であった・・・・

未知なる深海へ 高井 研 =035=

2018-05-19 06:42:44 | 浪漫紀行・漫遊之譜

〇◎ 私が知りたいのは、地球の生命の限界です” ◎〇

= 海洋研究開発機構(JAMSTEC)及びナショナルジオグラフィック記載文より転載・補講 =

 青春を深海に掛けて=高井研=  

  特別番外編  「しんかい6500」、震源域に潜る  

◇◆ その2  端的に言うと「ちょっとビビッていた」 =1/2= ◆◇

この連載では、「暗黒の深海や海底」に挑むワタクシ高井研の成長や葛藤、情熱といったココロの内面を「やや内側にえぐりこむように打つべし」というのをテーマにしている(と勝手に思っている)ので、調査の結果は、上記の公式発表をごらん頂くとして、この特別番外編では、「地震直後の深海へ潜航する研究者」の心のヒダヒダにフォーカスしたいと思います。

時は2011年8月5日。
未だ余震の続く東北地方太平洋沖地震の最大海底変動域である日本海溝水深3600mの海底へ、「しんかい6500」がおもむく第1257回潜航の当日。潜航するのはパイロット「頼れる」チバさん、コパイロット「アフロ」イシカワさん、そしてワタクシ。 これは、決して公に語られることがない、潜航の裏側にある真実の物語なのだ・・・・・・。

「しんかい6500」による東北地方太平洋沖地震後の日本海溝潜航調査は、5日目を迎えていた。 最初の3日間は、すでに深海曳航カメラで調査の安全が確認されていた日本海溝三陸沖水深5300mの通称「しょこたん」サイトで調査が行われた。

「しょこたん」サイトって何それ? と訝るヒトも多いかもしれない。「しょこたん」サイトというのは、2009年8月25日にタレントの「しょこたん=中川翔子」がテレビ番組収録のために「しんかい6500」で潜航した、オタク情緒溢れる場所として知られている。

そこは日本海溝の陸側斜面に当たり、海底下から硫化水素がシズシズと漏れ出ずる「冷湧水域」と呼ばれる場である(海底下の断層にそって、ゆっくりと上昇してきたメタンを含んだ汁と、海水中の硫酸イオンとが、微生物の働きによって消費され、代わりに硫化水素を生みだす)

ちょっと下品な例えなので口にだすのも憚られるけれども、国境・人種・社会的地位を超越した全人類が共感できる例えとして言おう。男性的な開放感と躍動感溢れる力強い放屁を思い起こさせる「深海熱水噴出」に対し、「冷湧水域」は日本女性の奥ゆかしさを体現する「なでしこすかし屁」に例えることができる。

放屁が生きる人間にとってごく普通の生理現象であるように、「深海熱水噴出」や「冷湧水」は生きている地球の比較的恒常的な現象と言えよう。

そのような冷湧水域は、日本海溝の陸側斜面にゴロゴロ存在しており、そこでは硫化水素をエネルギー源とするシロウリガイなどの化学合成生物群集がコロニーを形成している。それゆえ、研究者間でも「あの日本海溝シロウリガイコロニーサイトね」と言っても、一体どれがどれか、簡単には区別がつかないということが多々起きるのだ。

そんなわけで、日本海溝三陸沖水深5300mにあるシロウリガイコロニー域は、ずいぶん前に発見され研究が行われていたのだけれども、「しょこたん」が潜った場所ということで、「しょこたん」サイトと呼ばれている。

似たような変わったネーミングの例として、沖縄鳩間海丘熱水域に「ちゅらさん」サイトというのもある。こちらは実際「ちゅらさん=国仲涼子」が潜ったというわけではないが、今は亡くなられた俳優の緒形拳さんが撮影で潜った場所でもある。

「しょこたん」サイトは、東北地方太平洋沖地震の震源に2番目に近いシロウリガイコロニー域である。それに2009年に潜航したときの海底の様子が記録・保存されているので、地震後、海底にどのような変化が起きたかを比較検討しやすい。それがこの地点が調査候補になった理由だった。ちなみに震源に最も近いシロウリガイコロニー域は、今回の研究調査では安全が確保できないことを理由に「潜航厳禁地域」になっていた。

ここでの3回の潜航調査では、しょこたんが潜った時には何もなかった海底に、大きな亀裂や微生物マット(微生物が多量に繁殖してマット状になったところ)が見つかった。また、しょこたんが潜った時には、どちらかというとイソギンチャクの仲間が多かったが、今回は「キャラウシナマコ」というクチをビヨーンと伸ばして泥をムシャムシャ喰うナマコの巣窟となっていた。

=光の届かぬ海底世界に、」人類が求める宝が眠る=

海洋生物が「終の棲家」を見つけるメカニズムを明らかにしたい

渡部 実は普段、深海生物のサンプルを他の研究者から提供してもらう機会も多く、実際に自身の目で見ていないものを分析、解析して論文を書くこともあります。サンプル採取であれば、しんかい6500のような有人調査船でなくても行えます。

それでも、実際に深海生物が生きている姿を、自身の目で見て、感覚で捉えることが大事だと思います。深海生物がどうやって生きているのか、研究者自身がその姿を見ることができるように、しんかい6500に乗る機会が増えればいいですね。

――深海で採取した生物を、地上でどのように研究するのでしょうか?

渡部 採取したサンプルは、深海での状態を保つため、海底で薬品で固定する場合もあれば、生きたまま陸上に持ってくる場合もあります。その後、どんな環境でどう育っていくか、どうやって生息場所を見つけようとするのかを、飼育しながら研究していきます。

低い水温で飼育すると、卵が孵化するのに数カ月かかる場合もありますが、生物が持っているDNAを調べることで、遺伝子を交換している集団がどこに存在するのかが明らかになるので、海洋生物の多様性を読み解くヒントになります。これまで私たちが行ってきた研究では、海流シミュレーションなどから、海洋生物がどのように海を漂い、過ごし、一生を終えるのかがわかってきました。今後はさらに研究を進め、海の生物が長い旅の末に「終の棲家」をどのように見つけているのか、そのメカニズムを明らかにしていきたいです。

地球温暖化の影響で深海の水温も上昇傾向にあり、深海の低温域の生態系が変化する可能性もあります。陸上とは異なり、海中の環境変化は可視化が難しく、影響範囲を特定しにくいですが、私たちの研究によって将来の影響を推測する手がかりが得られればと考えています。

・・・・・・・・つづく・・・・・・・

動画 : まだ知らない日本の魅力 南鳥島

  https://youtu.be/ZHyIPD1boCE 

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・・・・・・山を彷徨は法悦、その写真を見るは極楽  憂さを忘るる歓天喜地である・・・・・

森のなかえ

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