【 閑仁耕筆 】 海外放浪生活・彷徨の末 日々之好日/ 涯 如水《壺公》

古都、薬を売る老翁(壷公)がいた。翁は日暮に壺の中に躍り入る。壺の中は天地、日月があり、宮殿・楼閣は荘厳であった・・・・

めくるめく知のフロンティア・学究達 =033= / 渡辺佑基(03/53)

2020-05-16 06:39:30 | 浪漫紀行・漫遊之譜

地球に生息するアザラシから、チョウザメ、ウナギ、ワニ、ペンギン

つまり 北極圏―中国深部―マレーシア―フロリダ―南極まで

インディ・ジョーンズばりに世界の極地を飛び回り、兵器“データロガー”で野生動物を狙う

驚くべきデータを次々に発表する / 大型捕食動物の生理生態学者・渡辺佑基

【この企画はWebナショジオ_【研究室】「研究室」に行ってみた を基調に編纂】

(文=川端裕人/写真=藤谷清美 & イラスト・史料編纂=涯 如水)

渡辺佑基・ペンギンカメラの衝撃 =3/3= ◆◇

 人間がどうやっても追従できない水中の動物の行動を知るために、もはやバイオロギングの手法は欠かせないものになっている。ましてや、ビデオ撮影まで簡単になると、素人目にも楽しく、大人気の研究分野になっていくのではないかとぼくは予想する。

 もっとも、草創期から今に至るまで、非常に悩ましい弱点がある。

  データロガーは、装着した後、どこかで回収して、蓄積されたデータを手に入れないと役に立たない。営巣中のペンギンは、毎日海に出て餌をとり、巣に戻ってくるので、ロガーの装着・回収がしやすくて理想的だ。

 しかし、たいていの動物は、捕獲してロガーを付けたとしても、またたくまにどこかに泳ぎ去り、それっきりになってしまう。

  バイオテレメトリーといって、電波を使ってデータを発信し、随時入手する方法はある。しかし、受信設備などの関係で調査が大がかりになりすぎるきらいがある。営巣中のペンギンのような都合の良い動物以外でも、データロガーをうまく回収する方法はないものか。

 ペンギンの水中画像をものにした渡辺さんは、2002年、大学院生としてバイオロギングの世界に参入した若手だ。目下、他人から見るとめまいを覚えるようなスケジュールで世界中を飛び回り、動物にロガーを付けて回っている。

 ぼくが研究室を訪ねた日も、南極から帰ってきて、今度はノルウェーに飛びホッキョクグマにロガーを取り付けて、帰国した翌々日だった。

 ある意味で、バイオロギング界の「売れっ子」であるわけだが、そのきっかけはというと、渡辺さん自身が、最初の研究で開発したロガーの回収方法とノウハウによるところが大きいと見た。信頼できる日本製のロガーを持ち、しっかり回収できる能力を持った者を共同研究者として招きたいと、海外の研究者が思うのはごく自然なことのようなのだ。

渡辺佑基(わたなべ ゆうき)

1978年、岐阜県生まれ。国立極地研究所生物圏研究グループ助教。世界の極地を飛び回り、データロガーを駆使して主に極域に生息する大型捕食動物の生理生態および種間比較を研究している。2011年、「動物の泳ぐ速さを決めるサイズ効果を発見」(J. Anim. Ecol. 80, 57-68 (2011))が『Nature』の「News&Views」に紹介された。

次回“学界のインディ・ジョーンズ”に続く・・・・・

◇ 『どうぶつは、なにをみてるの?』渡辺佑基さんインタビュー  

・・・https://youtu.be/JFAdwnlvM2Y・・・

動画再生不能の時は上記URL(⇑)をクリックしてください 

//////参考資料///////

■□参考資料: 南極なう!/ 渡辺佑基「記録更新」 (1/1) □■

めでたいのかめでたくないのか、とにかくすごい経験だった。

 南極へ向かう船旅の厳しさをあらわす言葉として「吠える40度、狂う50度、叫ぶ60度」というものがある。オーストラリアや南アフリカから南下し、南緯40度、50度、60度と通過するにつれ、海はどんどん荒く、凶暴になっていくという意味である。

 ところが今回の航海はまあ拍子抜けするくらい順調で、40度で吠えず、50度で狂わず、60度に到達してもちっとも叫ばない。60度を少し越えたあたりで南下をやめ、針路を西にとると多少は波にもまれるようになったが、それでも船内は平穏そのものである。

 と思っていたら突然きた。

 夜中に目を覚ませばベッドが遊園地の海賊船のようにゆっくりと左右に揺れている。体がぐーっと右に引っ張られたかと思うと、ふわりとした無重力感のあとで今度は左に吸い寄せられる。そのたびに椅子や床に置いた段ボール箱がザザーっと床面を滑っていき、また戻ってくる音がする。

 

あわてて電気をつけてよく見れば、机に置いてあった文房具やロープに干してあった洗濯物が床一面に散らばり、さらには消臭剤が横倒しになって中から無数の透明のジェル玉があふれ出し、スーパーボールのように跳ねまわっていた。

 往復運動している椅子を捕まえてネジで床に固定し、段ボール箱を部屋の隅に閉じ込め、ジェル玉をひとつひとつ拾い集めて消臭剤容器に戻す。やっとの思いで秩序を取り戻しベッドに戻ったが、確かに叫ぶように荒れ狂っている南緯60度の海で眠れるほど私はたくましくなかった。

 翌朝、睡眠不足の疲れた顔で船内の講演会イベントに出ていくと、艦長が皆の前で満面の笑みをたたえておっしゃった。「昨夜はこの二代目しらせ就航以来、最大の傾斜角となる28度を記録しました。みなさん、おめでとうございます!」

次回” 渡辺佑基「ヒヤリ!」”に続く・・・・・」

◆ 【情熱大陸_3/3_渡辺佑基▽生物学界のインディ・ジョーンズが持つ世界初の映像が満載】 

・・・https://youtu.be/WAyaUfoXktw・・・

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=上記本文中、変色文字(下線付き)のクリックにてウイキペディア解説表示=

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・・・・・・山を彷徨は法悦、その写真を見るは極楽  憂さを忘るる歓天喜地である・・・・・

森のなかえ

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