偏平足

里山の石神・石仏探訪

石仏660王城山(群馬)石尊石祠、虫切鎌

2016年05月13日 | 登山

王城山(おうじょうさん) 石尊石祠(せきそんせきし)、虫切鎌(むしきりがま)

【データ】 王城山 1123メートル▼最寄駅 JR吾妻線・川原湯温泉駅▼登山口 群馬県長野原町林の王城山神社▼石仏 王城山山頂、地図の赤丸印。青丸は虫切鎌がある奥宮▼地図は国土地理ホームページより



【案内】 王城神社の先から登ると、「二合目石尊下」の標識がある。石尊の意味するところは確認できなかったものの、山頂に石祠が三基並んでいるところからして、丹沢大山の石尊を勧請したことからついた名称に違いない。山頂に石祠が三基ならぶのは、石尊・大天狗・小天狗を祀る形式であることをこのブログでたびたび案内してきた。王城山の三基は同じ形状だが、中央の祠は一回り大きく、室部側面に「文久四甲子年(1864)二月吉日願主善兵工」銘がある。願主は山頂南山麓の王城神社がある林集落の住人か。眼下にその林の集落が見える。


 山頂の北側には王城神社奧宮の石祠が祀られている。こちらの側面に「甲辰七月別當」「施主惣氏子 上州吾妻郡林村」とある。石祠前には〝虫切り鎌〟を納めたケースを埋めた穴がある。子供の腹の虫を治す虫切り鎌だ。
 ここからは30年前に登ったとき、山頂で出会った王城山神社の氏子さんたちの話である。王城山は「みこしろやま」といい、林集落にある王城山神社が里宮、王城山にあるのが奥宮。王城山にはその奥の高間山など七つのピークを巡る修験道の行場があった。王城山に不動明王、高間山の北のピークに摩利支天、その間に大黒天のいずれも石祠が祀られいた。いまでも王城山の祭礼に奥宮の祠を7回まわるのは、その名残である。山頂の一角に埋められていた小さな鎌は虫切鎌。虫切りとは子供のさまざまな病気、たとえばカンの虫に代表されるような正体のわからない子供特有の病を治すために、小さな鎌を鍛冶屋に作ってもらい、この山頂に納めたという。その鎌は今回も残っていたが、30年前より数が減っていた。写真は30年前のもの。

【独り言】 登りだしてすぐデジカメがトラブリました。「何らかの異常を検出しました……」のメッセージが表示されてシャッターが切れない状態です。いろいろ手を尽くしましたがついに復旧せずでした。困ったときのスマホということで、この日一日不自由なスマホ写真、それもピンボケの撮影になってしまいました。帰宅してメーカーに問い合わせたところ、「補修部品がないので修理できないケースかも」との返答。その確率は80%というので、残りの20%にかけてカメラをメーカーの修理部門へ送ってみました。すると連休中にもかかわらずすぐ返答がきて、「本製品は製造終了後長期間経過し、補修用部品がない為、修理不能とさせて頂きます」の回答。デジタル一眼レフに切り替えてだいぶたちますが、このような事態になったのは初めてです。デジカメならではの故障、デジカメならではの修理不能なのでしょうか。一眼デジカメも使い捨てに時代になってきたようです。そういえばメーカーに問い合わせたとき、「使い方によりますが、デジカメの寿命は6年ぐらいです」とのつれない返事。こうなると、故障したカメラよる古いデジカメもあるので、こちらが壊れるのも時間の問題かも……。

 上の写真は、修理不能になったカメラの最後の1枚で、王城山神社先の登山口に立つ道標。「右ハやまみち 左ぜん加うじ(善光寺)くさ川(草津)」。よく働いてくれました。ご愁傷さまです。


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