上野原市秋山古福志・天神社の道標
鎌倉時代に鎌倉街道の裏街道が通っていたという秋山。古福志集落に西外れにある古峰神社への道の峠に建つ天神社で道標を見ました。
この秋山から都留一帯は天神様を祀る峠が多い地域です。古福志の天神社が建つのも峠状のところで、かつては古福志集落からこの峠を越えて小和田集落へ出たのではないでしょうか。その峠に置かれたのがこの道標。そのようなことを彷彿させる天神社と道標です。
古福志の天神社社殿内に無造作に置かれた道標には「みきやむら/ひたりやま/道」銘。「やむら」は秋山の西の雛鶴峠先にある、織物で知られた城下町で現在の都留市。郡内織り、甲州織りとも呼ばれていました。郡内は山梨の甲府を中心とした国中に対し、山梨東部の都留・大月一帯を指す名称です。
織物の原糸は絹で、かつての郡内では養蚕も盛んで、古福志の天神社境内には「昭和二十一年/蠶影山大神/古福志養蚕組合」銘の石塔が立っていました。養蚕・染物・織物の神として愛染明王が知られていま。この仏の縁日は二十六日。
その関係か郡内には秋山=写真=と都留に二十六夜塔が立ち、三ツ峠山にも二十六夜塔があります。
(地図は国土地理院ホームページより)