【終了】30年近く前に建てた手作りの山小屋からは今、眼下に高速道路、その奥に阿武隈の山々、さらに奥には那須の山脈が見えるのどかな風景が広がっています。
部屋の壁には、20から30代に使用した登攀道具やスキーを飾って、過ぎし日の思いに入れるようにしました。私の趣味は焚火。仕事の合間にこの風景と壁を見ながら、囲炉裏の薪をかき回してのんびり過ごした日もありました。しかし定年しても雑用で忙しすぎ、山小屋は思ったほど利用していません。
ところが、これから山小屋をもっと活用しなければと思った矢先のがんの告知でした。告知から約2年、いまでは歩くこともママなりません。
さらに山小屋の環境を見ると、山道は雑草で覆いつくされ、小屋前の牛の牧場だった草原にはソーラーパネルが並び、小屋脇の清水も枯れ、パラグライダー場はだいぶ昔に消滅してすっかり様変わりしてしまいました。たとえ元気であったとしても、のんびり過ごせるような状況ではなくなったような気がします。
山小屋の環境はさておき、体調を考えるともう出かけることはできないので、山小屋は土地の所有者に預けることにしました。私の小さな夢をかなえてくれた土地の所有者と山小屋に感謝です。