テニスと読書とデッサンと!

見えないけれど。




われわれは後ろ向きに未来へ入ってゆく” 


ポール・ヴァレリー(フランスの詩人)。


未来になにが待ち受けているか

私たちはけっして知ることができない。

だからこそこれからやってくる

新しい世界に対して恐怖を抱いたり、

期待に胸を膨らませたりするのでしょう。

明日、命が尽きてしまうかも知れないし、

身を焦がすほどの恋に落ちるかも知れない。


もしも命を亡くしてしまった魂が、

残してきた大切な人たちを目にすることができたら、

いったい何を感じ何を思うのだろうか。

死後の世界を体験することはできませんから

何かを断言することなどできないけれど、

私にはどこかで魂たちは大切な人たちを

見守っているんじゃないかと感じるのです。

私は仲の悪かった父が入院し

衰弱していく姿を見たとき理屈なしに、

もういまさらかも知れないけれど、

これから親孝行をしようと思いました。

それまで味わったことのない不思議な感覚。

仕事の合間を縫って見舞いに行く途中で

買っていったコーヒーを美味しそうに飲む父。

その嬉しそうな顔を見ていると、

私は次第に蟠(わだかま)りみたいなものが

融解していく感覚を味わいました。

私はいままでも父の子だったし、

これからも永遠に父の子であると。

その父が亡くなった後も父は相変わらず

頑迷固陋なままどこからか私を見ていると

感じることが何度もありました。

時に鬱陶しく時にうるさく何かを

伝えようとしているらしいのだけれど、

私は慣れているから平気。

そういう感覚が私の中に存在しているから、

魂は別のかたちで生きていると思えるのです。

私にとってそうした考えは

とても自然で当たり前なものなのです。

後ろ向きで未来へ入っていくと、

未来に転がっている石につまずくぞ。

後ろを振り向くなら、たまにしろ!

詩人の言葉なんか気にするふうもなく、

そんな言葉がどこからか

飛んできそうな気が時々するのです。



※写真は、私が小学生だった頃に

父に何度か釣りに連れて行って

もらっていた馬堀海岸。

いまはもうすっかり美しく整備されて

当時の面影はありません。



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