テニスと読書とデッサンと!

昭和の残像。

あれはたしか・・・

山口百恵が”さよならの向こう側”を歌い、

松田聖子が”青い珊瑚礁”を歌った年だった。

ひとつの時代が終焉を迎え、

新しい時代の到来を告げるような

そんな雰囲気の中でオレは生まれた。

えっ、1980年?へー、そんな前だったかい。

するってぇとオレの歳は42か。

まあいいや、今はこんな形(なり)に

なっちまったけど当時のオレは

すっげー人気もんでよぅ、

オレの仲間は生まれるそばから

次々に売られていったもんだ。

オレもその中の1台ってわけよ。

4代目B310系 サニー4ドアセダン。

知ってんだろ?オレの名前。

え、知らねぇ?そうかそうか、

若い奴らが知らねぇのも無理もねぇか。

その、なんだ、今ぁ個人情報保護ってもんが

あるから名前は明かせねぇけど

とある若い夫婦のウチに

買われてったんだ、オレ。

そのウチじゃえらく大事にされて

いつもピカピカボディよ。

その若い夫婦を乗せて

よくドライブに行ったもんだぜ。

相模湖、伊豆半島、九十九里浜、

名古屋まで旅したこともあったなぁ。

若い夫婦は心底楽しんでくれてよぅ。

オレはクルマに生まれてきて

本当によかったって思っていたんだ。

いつまでもオレを大事にしてくれる

この人たちと一緒にいたいってさ。

だけどそんな夢は長続きしなかっ・・・

 

えっ、どうしたの?

それからどんなことがあったの?

って思わず聞きたくなるようなクルマでしたが、

近づいてウインドウ越しに車内を覗くと

当時の懐かしい思い出を抱えたまま

深い眠りについてしまったみたいでした。

歌は古くなっても輝き続けられる。

でもクルマが輝き続けるためには

それなりの愛情が必要なのかも知れません。


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