みなさんのご家庭、あるいは会社には「家訓」というものがありますか。
私のうちにはそんな立派なものはありませんが、親から「これだけは守りなさい。」と
小さな頃から言い聞かされているものはあります。
そして、私もまた自分の子供に言い聞かせていることです。
それは、親の前の前のずっと昔から人として生きるうえで大切だとされてきた教えに、
「今」必要であろうことをプラスしたもではないでしょうか。
さて、今回私が紹介させていただく本ですが、タイトルのとおり「家訓」がテーマです。
「家訓」とは家父、家長が子孫や家臣に与えた訓戒をいい、訓戒は教え諭し戒めることで、
家族や部内を対象とした永続性のある訓戒である。(本書P36)
著者は、日本企業のさまざまの不祥事における、企業の社会的責任やモラルの低下は、
経営者が抱いていた右肩上がりの成長と物質的繁栄が永遠に続くという錯覚と、「企業道徳」や
「企業理念」という基本理念の喪失であるとし、日本人がもつ倫理観・道徳観に立った「家」というものを
継続させるため、財産を守るための工夫の集大成である「家訓」を再考することによって、
企業の社会的責任をみなおそうとしています。
本書には、近江商人の家訓・各地の豪商の家訓・財閥の家訓・今も続く老舗百貨店の家訓そして
今も続く製造業の家訓がその「家」の概況説明ののち、其々の家訓が原文とともに現代訳で掲載されています。
どの家訓も商売においての経営者の基本となる考え、接客、決算書の書き方、そして丁稚のひとりひとりの扱いにまで
こと細かく言及されており、そのすべてには共通するものが多くあります。
1 勤勉であること
2 正直であること
3 堅実であること
4 始末家であること
5 「出精専一」商売一筋に精をだして働くこと・・・等
みな、同じ思いよ高い志をもってきたからこそ、いま老舗
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