また新たな年度となりました。
元氣であること、お仕事をさせていただけることに、あらためて感謝しなければと思います。
また、本の紹介を再開さえていただこうと思っています。
さて、「大阪商人」という言葉から、皆様はどんなことをイメージされますか。
がめつい、厳しい、・・・・たぶん、あまりよいイメージはないでしょうね。
確かに、商いをすること・儲けに関してはかなり厳しいと思います。
私が小さい頃 (ご存知の方もいらっしゃるでしょうが、私は大阪生まれです。)には商店街に個人商店が
軒をつらね、ちょっと怖そうなおじいちゃんが必ずといっていいほど店の奥に座っていました。
風格と誇りとゆるぎない自信を身にまとって。
ということで、今回はそんな大正生まれの企業家の方たちの気骨を「金の言葉」として集めた本です。
本のなかには大阪で商いをされている10人の大正生まれの企業家おひとりおひとりの軌跡、
苦境を生き抜く知恵とヒント、40の質問、「金の言葉」が順番に書かれています。
その中のおひとり 株式会社 金剛組 相談役 金剛 利隆氏(2013年逝去)
軌跡:創業千四百余年の歴史をもつ企業の39代目
福井県の住職一家の六男。戦後金剛組37代目 治一、38代目 芳江の養子となる
業績不振から義父が自殺、「なにわの女棟梁」とよばれた義母と二人三脚で伝統的な
組み上げ工法とコンクリート工法を融合させるなど伝統技術に固執せず、防災や防火、
経済性にすぐれた時代にあった企業と変化せることにより金剛組を大きくする
苦境を生き抜く知恵とヒント(いくつかありますが・・・)
経営者として大切なことは?
仕事をきちんと見てやること。
何も言わんでも背中を見ればわかる。きちんと見てやれば張り切って仕事を
やってくれますわ。だから現場に行くのが楽しみやった。親方や先輩の姿を
見て仕事を覚える。仕事を通して自然に覚える。覚えの悪い者はいつまでたっても
親方にはなれんのです。社長というのは先頭を切って現場にでること。社長室に
いてはあきませんわ。自らが現場に立って職人たちと一緒に汗を流して、ほこりを
かぶってなんぼですわ。盛り上げんといかんのです。
金の言葉 「腕を磨いて いい仕事をする。」
いかがですか。
簡単に書いてしまうと伝わりにくいかもしれませんが、この本が出版されたねらいは、「大正生まれの気骨」
にスポットをあておひとりおひとりの軌跡にある、「知恵」 「哲学」 「意志」に耳を傾け、人として守り、
育てなければならないモラルや文化を次世代に引き継いでいくことで、未来の発展につなげようとする
ことだそうです。
昔 店の奥にいたおじいちゃんは、自分の商いについては頑固ではありましたが、何でも知っていましたし
お客様の「一番」を常に考えて商売していたように思います。
お客様が喜んでくださったときのおじいちゃんの笑顔は、しわくちゃの笑顔でした。
岡本
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