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きよしこ

<3月29日の日記>
重松清の「きよしこ」を読み終えました。
重松清の自叙伝的小説です。

きよし少年は上手く喋れない。単語の最初の音につっかえてしまう。特に、カ行やタ行と濁音はいつも。緊張や興奮で息を吸い込みそこねたときには、他の音で始まる言葉もすべて・・・。
所謂、吃音。平たく言うと、どもりだ。
父親の仕事の関係で何度も転校を重ねる。
転校の度に自己紹介・・・。
その自己紹介で、自分の名前「きよし」さえ上手く発音できなかったりする。
人と喋るときも、自分が話そうとする言葉の最初にカ行・タ行・濁音がないか、いつも先回りして確認する。そしてもし苦手ワードが入っていれば他の言葉に置き換える。置き換えられなければ・・・黙り込むしかない。
こうして、伝えられなかった言葉たちが、いっぱいいっぱいきよし少年の中にたまっていった。

たとえ吃音でなくても、人に自分の思いを正確に伝えるのは難しい。
「誰かになにかを伝えたいときは、そのひとに抱きついてから話せばいいんだ。
 それが、君のほんとうに伝えたいことだったら・・・伝わるよ、きっと。」
「君が話したい相手の心の扉は、ときどき閉まっているかもしれない。
 でも、鍵は掛かっていない。鍵を掛けられた心なんて、どこにもない。ぼくはきよしこからそう教わって、いまも、そう信じている。」


彼の作品ってまだそんなにたくさん読んだわけではないですが、どれを読んでもはずれがないですね~。
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