<8月7日の日記>
西村賢太の芥川賞受賞作「苦役列車」を図書館で偶然見つけ、以前から作品の存在だけは知っていたので借りて読んでみました。
「落ちぶれて袖に涙のふりかかる」と共に中編の私小説。どちらも北町貫多なる人物が主人公。
父親が性犯罪者で、中卒で、自堕落なその日暮らしの日雇い労務者として、世を恨み、だらだらと刹那的な生活を続ける主人公。
でも、とっても人間臭くて憎めない魅力も感じます。
どことなく小林多喜二の「蟹工船」を彷彿させるものが・・・。
普段日常では使わないような難解な漢字が所々使われていたり、言い回しがちょっと古臭い感じがしたりしました。