アインシュタインメモ☆ブログ

 特殊相対性理論が発表され、はや101年。 新世紀の世に捧ぐ、愛と希望のサイエンス・ラプソディ☆

涙そうそう/夏川りみ

2006-03-10 21:44:09 | 音楽評論
 

 涙そうそう-夏川りみ

 古いアルバムめくり ありがとうってつぶやいた
 いつもいつも胸の中 励ましてくれる人よ
 晴れ渡る日も 雨の日も 浮かぶあの笑顔
 想い出遠くあせても
 おもかげ探して よみがえる日は 涙そうそう

 一番星に祈る それが私のくせになり
 夕暮れに見上げる空 心いっぱいあなた探す
 悲しみにも 喜びにも おもうあの笑顔
 あなたの場所から私が
 見えたら きっといつか 会えると信じ 生きてゆく

 晴れ渡る日も 雨の日も 浮かぶあの笑顔
 想い出遠くあせても
 さみしくて 恋しくて 君への想い 涙そうそう
 会いたくて 会いたくて 君への想い 涙そうそう


 普天間基地が揺れている。この国の内政事情を紐解くには、誰が得するのかを突き止めればよい。警察は人が殺されたとき、まず、周辺の利害関係を洗う。同様に、日本の国政は、殺人者の犯罪心理に依拠している。そして、対外交渉に於いては、国内に目を向けるより、在日アメリカ大使館のHPに入り、「年次要求」を閲覧したほうがより合点がいく(どうしてこれを、内政干渉だと言えないのか)。この国の外交は、自国の利益でなく、宗主国の指示に従っているからだ(小泉首相の靖国神社参拝も、中国脅威論を煽って国内を右傾化し、アメリカからの兵器購入へ結びつけるためだけにすぎない)。そして、不幸にもそのふたつの側面からの干渉を被るのが、沖縄基地問題だ。

 ベルリンの壁が、旧ソビエト連邦が崩壊してから、何十年経過しているのか。アメリカはもう、日本を守ってくれてはいない(事実、沖縄駐留部隊の多くは中東へ移動済み)。また、いくら戦争がアメリカの公共事業(アメリカなる国家には保持する兵器の償却ベースでドンパチしないと、経済的に破綻する可能性が潜在する)であるとはいえ、ブッシュが蜂の巣を突っついたおかげで、彼らも当面は軍事費削減の方向性を保たざるを得ない。つまり、在日米軍基地とは、アメリカが「世界の覇権国」ならしめるための、足場のひとつに過ぎないのだ。

 東京空襲が、広島、長崎への原爆投下が生易しいものだったとは言わない。ただ、1945年3月から日本が無条件降伏するまでの半年間に及ぶ、沖縄戦の凄惨さも常軌を逸した。

「轟音の最中。逃げるのに一生懸命で、弾が自分の胸を貫通したことも、抱いていた乳飲み子が即死していたことにも、気付きませんでした・・」

「隠れ家だった防空壕に行ったら、子供は泣く(アメリカ兵に発見され、火炎放射される)から殺してくれ、と言うんです。じゃあ、私たちは出て行くから、と答えると、スパイになるかも知れない、と言われ・・。どうしようもなかったんです・・」

 沖縄の地上戦(日本で地上戦が行われたのは沖縄だけ)では、約半数の民間人を含む20万人(諸説有)が死亡した。沖縄は(結果的には)本土の防衛に利用されたのであり、現在の私たちの生活の幾らかは、その尊い犠牲の上に成り立っていると言っていい。そして、そんな島から流れたのが、この「涙そうそう」だ。
 
 作詞した森山良子は、死んだ兄への思慕を綴ったのらしい。作曲(こちらの完成が先)のBEGINは、また、豊かな表現力で歌い上げた夏川りみは、一体、何を想ったのだろう。そして、これを読むあなたには、どの「笑顔」が想い浮かぶのだろうか。