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こと子先生の国語教室

教えたいことだけを精選した
簡単で
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光村言子(みつむら ことこ)の国語教室

3年上 「三年とうげ」 ⑧ だれだったのでしょうね

2008-06-13 | 3年上

最後は、児童が一番喜ぶところです。

三年とうげのぬるでの木のかげで歌ったのは、だれだったのでしょう?

T歌った人はどこにいたの
Sぬるでの木のかげ
Tかげということは?
Sかくれていました。
Sすがたを見られたくなかったから。
見られるとどうしてこまるの?
S歌った人は、おじいさんの知っているひとだから、それでは、この歌も言い伝えだと思われないから。
Sおじいさんに、言い伝えだと思ってほしかったから。
Sこの歌は、転ぶと長生きするといっています。おじいさんは、まだちょっと心配な気持ちがあるかもしれないから、大丈夫だよと後おしするために歌ったと思います。 
T歌ったのは、だれだと思いますか?
トルトリだと思います。おじいさんが心の底で、まだちょっと心配な気持ちを持っているのを予想して、後をついてきて、はげますために歌ったと思います。
おばあさんだと思います。おばあさんも作戦を知っているから。それに、おばあさんは、おじいさんが大好きだから
とうげの神様だと思います。神様は、責任を感じてしまったのだと思います。

*神様という意見が児童から出た時はびっくりしました。大人では考えつかないことだと思いました。


3年上 「三年とうげ」 ⑦ いよいよトルトリの登場

2008-06-12 | 3年上
ここで、おじいさんが病気になったわけをまとめておきます。
ここが理解されいないとトルトリの作戦の意味がわからないからです。
児童の反応をから、どのくらい理解されているかをさぐります。

*ここでは、個別に書き広げることはしないで、発言をもとに、教師がまとめて書きます。ここも個別にすると、児童の負担が大きくなって、集中が続かなくなることがあ
ります。

 

Tおじいさんは、どうして病気になったのだった?
S三年とうげで転んだから。
T転んでけがをしたの?
Sちがうちがう。三年しか生きられないと思ったから。
T思ったから・・・じゃあ、体は?
S別に悪くない。
S心が病気。
Tそうですね。村人たちもそう思っているから、それを劇のように会話にしてみましょ
う。

 
*トルトリの考えた作戦を、p59の会話文からぬき書きします

*この時、教材文を見て書かないで、読んだあとで内容を再現するという書き方をする方がよいでしょう。
内容をとらえて再現することは言語の活動として力を高める効果があるからです。




3年上 「三年とうげ」 ⑥ トルトリの登場まで

2008-06-11 | 3年上

「村の人たちもみんな心配しました」という言葉から想像します。

T村の人たちって何人くらい心配しているの?
S「みんな」だから、すごくたくさんの人だと思います。
Tどうやってそんなにたくさんの人が知ったの?
Sうわさになったんだと思います。

挿し絵を見て、心配した村人たちが、お見まいに来る様子を表現します。

T韓国の人の名前を知ってる?
Sヨンさま。(笑)Sパクさん。
Tどんな、お見まいを持ってきたのでしょうね。
Sわたしが熱を出したとき、ももを食べたらすっきりしたから、わたしだったら、ももを持って行きます。
S缶詰の果物がおいしいよね。
Sでも、この時代に缶詰はないと思うよ。
実際に児童が書いた文です。
他の児童の書いたものも、自分の文章の中に取り入れて何人もがお見まいに来た様子を表現します。
*児童にとっては、他の児童と交流する楽しい活動になりました。

それでも、おじいさんの病気はなおりません。
そこで、村一番の知恵者のトルトリの登場の必然性が生まれてきます。


3年上 「三年とうげ」 ⑤ ~やら~やら

2008-06-10 | 3年上
ここでは、「~やら、~やら」を指導します。
「~やら」は、または、あるいはという意味です。
「~たり~たり」と同じように使うということを知らせます。
そして、他にどんなことをしたのかを考えさせます。
児童自身が病気になった時のことを思い出させて、□に書き入れます。



□に書き入れたことを反映させて文を書き加えます。
「お医者をよぶ」と「薬を飲ませる」は落とさずに書きます。

3年上 「三年とうげ」 ④ 病気になるまで何日かかる?

2008-06-09 | 3年上
想像を広げて考える手がかりとなる言葉(叙述)は、
「ごはんも食べずに」「とうとう」です。

T何回ぐらいごはんを食べないでいると、力が出ないなって病気のようになるの?
S一回でもなるよ。
S一日くらいじゃない?
S二日はだいじょうぶだよ。

T「とうとう」とありますね。これも手がかりにしてみると、どうなりますか。
S三日くらいかな。


T話し合ったこと(板書)をもとに、お話を書きましょう。





3年上 「三年とうげ」 ③ 児童が読み過ごしてしまうところはどこ?

2008-06-08 | 3年上

子どもが気が付かないで読み過ごしてしまう部分とは、どこでしょう。

「三年とうげ」は、順序よく出来事が書かれています。
時間的な逆転はありません。

でも、時間的な飛躍はあります。
それは、p58の5行目の「その日から」~9行目の「みまいに来ました。」です。
おじいさんがふとんにもぐりこんでから、
病気になって、
村の人たちが心配し、
トルトリがみまいに来る までには、
いったいどのくらいの時間がかかるのでしょう。
三日?
一週間?
十日?
半月?

ここを、十分に想像して読むことによって、
最後の「歌ったのは、だれだったのでしょうね」
の部分についての想像もできるのです。

ここを読み込まずに、いきなり最後の部分を想像しても、なかかな叙述に即した読みにはならないでしょう。

問1
「①と②には、何日と書けばよいでしょう。また、その間に起こったことを、想像して書きましょう」


3年上 「三年とうげ」 児童が読み過ごしてしまうところはどこ?②

2008-06-07 | 3年上

「三年とうげ」は、民話です。
昔話は民話の1ジャンルですから
まぁ、昔話と考えてよいと思います。(厳密には違いますが)
昔話は、
炉ばたで、おじいさんが子どもたちに聞かせる話です。
心情や情景が描かれることはあまりなく(必要最小限)
子どもたちが経験したことのない出来事を
間接的に経験させることによって経験値を増やし
これから、もし、こんなことがあったら、こうすればいいんだよ
という老婆心で語られるもの。
おもしろおかしく尾ひれが付いて、子どもたちを飽きさせない工夫があるもの。
でしょうか。

ですから、「三年とうげ」では、
美しい景色の描写も
おじいさんの心情も
ストーリーの展開上、必要なものとして語られているので、
それ自体を描写として味わうことに重点を置くものではありません。

では、いったいどの表現を
想像によってふくらませ
書き広げたらいいのでしょう。

それは、
子どもが気が付かないで読み過ごしてしまう部分です。        


3年上 「三年とうげ」の3つの指導法①

2008-06-06 | 3年上
「三年とうげ」には、3つの指導法があります。
どれがいいでしょう。
学級の児童の実態に合わせて、選んでください。
どの指導にも共通していることは、
おもしろさの発見(教科書p63 「たいせつ」より)です。
たいせつ
お話のおもしろさは、いろいろあります。
・出来事
ウ 場面の移り変わりに注意しながら,登場人物の性格や気持ちの変化,情景などについ
          て,叙述を基に想像して読むこと。(新しい指導要領)
           
              指導法<書き広げ>
・物語のすじ指導法<しかけを読み解く>
・言葉の使い方や書き方、文章の調子ア 内容の中心や場面の様子がよく分かるように
                      読すること。
  
           
                    指導法<音読>

それぞれの
おもしろさの発見の仕方は、
<書き広げ> 
    書かれていない部分を想像して補う

<しかけを読み解く>
  
ひとりでは気づかなかったことを、教室で学習することによって気付く

<音読>
  
声に出すことによって、言葉のリズムや文章の調子に気付き、味わう