季節のブログ『ほっとひといき・四季の便り』

日本の美しい四季の移り変わりのなかで、季節の風景や食べ物など何気ない日常を綴る日記です

『江戸時代からの風習・えんま詣り』

2018年01月16日 | 日本の四季の風習

「えんま詣り」は別名・閻魔詣でともいい、陰暦1月16日の大斎日に閻魔堂に参詣するという慣習です。

閻魔堂というのは、いわゆる「閻魔王(えんま様)」を祀るお堂のこと。

有名なところでは京都・上京区の千本えんま堂(引接寺)、大阪・浪速区の合邦辻閻魔堂(西方寺)などがあります。

京都の千本えんま堂はご本尊に閻魔法王を祀り、開基は平安時代の公家・小野篁と伝えられます。小野篁は神通力に長けており、この世とあの世を自由に行き来できたという伝説を持つ人物ですね。

千本えんま堂のある引接寺は、かつて風葬などが行なわれた蓮台野の入口にあり、地獄の裁判官と呼ばれる閻魔様の像を祀っています。

えんま詣りは平岩弓枝さんの時代小説「御宿かわせみ」にも登場します。

正月16日、江戸・浅草寺の境内にある閻魔堂に、お駒とお民という若い娘がお詣りに出掛けます。大混雑の人ごみのなか、お民は何者かに刃物で晴れ着を切られてケガをしてしまいます。

若いお民のことですから色恋沙汰のもつれかと疑われたのですが、実はお駒と間違われたのではないかと推察する者もいました。その推察を裏付けるように、今度はお駒が無残に殺されてしまい…。最後に意外な人物が下手人と判明します。

えんま詣りを発端にした事件を、お馴染みの東吾やるい、同心の畝源三郎、岡っ引きの長介などが解決するというストーリーでした。

(※画像は平岩弓枝さん著「閻魔まいり」文春文庫)

--------------------------------------------------------------------

最新の画像もっと見る