ここはどこ?私・・・。私ってなんだろう。私は今どこにいてどうなってるの?
マデーリは思い出そうとした。
唯一思い出すことが自分という存在を、肉体を
実感を・・・取り戻すことであるように思えたからである。
思い出せなければ自分という存在がまるで砂漠の粒子のように
風に飛ばされて、目に見えない存在まで粉々にされて
飛散してしまいそうに思えたから。
記憶が唯一マデーリの肉体を存在としてつなぎとめる
接着剤。乾かないうちにくっつけないと。待って!行かないで!
誰を追いかけているのか、それはマデーリにもわからなかった。
記憶・・・。生温かい・・・。居心地の良い・・・。ここから
出たくない。でもいつかは出なきゃ。
何かに追い立てられるように、使命感を持って。
ここから出たら、それはそれは自分の存在すらあやういように思えた。
何か自分には守るものがあるような気がする。
呼んでいる。「それ」が私を今この生ぬるい心地のいい世界から
引きずり出そうと私を呼んでいる。
「それ」は何?でもここを出なければ「それ」を知ることは出来ない。
今、私を抱いているこの手触り。温度。ここから離れたら
きっと寒さで死んでしまう・・・。
離さないで。離れないで。嫌。離れたくない。
マデーリは思い出そうとした。
唯一思い出すことが自分という存在を、肉体を
実感を・・・取り戻すことであるように思えたからである。
思い出せなければ自分という存在がまるで砂漠の粒子のように
風に飛ばされて、目に見えない存在まで粉々にされて
飛散してしまいそうに思えたから。
記憶が唯一マデーリの肉体を存在としてつなぎとめる
接着剤。乾かないうちにくっつけないと。待って!行かないで!
誰を追いかけているのか、それはマデーリにもわからなかった。
記憶・・・。生温かい・・・。居心地の良い・・・。ここから
出たくない。でもいつかは出なきゃ。
何かに追い立てられるように、使命感を持って。
ここから出たら、それはそれは自分の存在すらあやういように思えた。
何か自分には守るものがあるような気がする。
呼んでいる。「それ」が私を今この生ぬるい心地のいい世界から
引きずり出そうと私を呼んでいる。
「それ」は何?でもここを出なければ「それ」を知ることは出来ない。
今、私を抱いているこの手触り。温度。ここから離れたら
きっと寒さで死んでしまう・・・。
離さないで。離れないで。嫌。離れたくない。