トゼンの世相斬

政治経済で日々思いついたことを書き綴ります

安いことはいいことなのか?

2021-06-28 13:20:10 | 日記
朝日新聞デジタルに「丸亀製麺元店長 休憩も働いていた」という記事が載っている。

タイムカードで出退勤の差が15時間以上あるのに、そのうち休憩が6時間以上も記録されており、勤務実態を表しておらず、実質的なサービス残業兼過剰労働となり、心の病となったそうだ。この人は労働基準監督署に訴えて、現在調査が行われているらしい。

丸亀製麺は現在日本中に店舗を持つ讃岐うどんのファストフードチェーンで、誰もが知っているはずだ。

値段の割に非常においしくて、私もしばしば利用しているが、何よりもその値段に驚く。メニュ最安値は釜揚げうどん並で290円!さらに電子クーポンがあれば50円引きとなる。

同じように品質に比べて格安なファストフードは日本で多い。主なところだけで、牛丼、ラーメン、丼などなど、町中にあふれているといえる。顧客から見ればうれしいことだが、企業から見ればそれだけライバルが多く、競争が大変だということだ。この場合、安易に値上げは出来ない状況となる。

冒頭の元店長の過剰労働だが、たぶん上司が無理やり指示したものであろう。しかし上司だけが悪いのだろうか?価格が一定であるときに利益を上げようとすると経費を削るしかない。原材料費用はもとより、人件費もその対象となる。必然的にサービス残業が横行してしまう。

いくら国が最低賃金を上げようとも、サービス残業撲滅を叫んでも企業としては他に方策がない以上、悪いと思いながら労働者を酷使してしまう。非常に悪いサイクルに日本は入っていると思う。

日経新聞の連載で「安い日本」という記事があるが、安いからと喜んでいると益々ドツボにはまるとある。安いことが本当に社会にとって良いのか、そろそろ真剣に考えていく必要があると思う。


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