トゼンの世相斬

政治経済で日々思いついたことを書き綴ります

中国の人口問題

2021-06-01 14:36:53 | 日記
中国が子供を3人産むことを認めるという記事が今日の日経新聞のトップニュースだった。

長い間中国では所謂一人っ子政策を続けていたが、数年前にこれを取りやめて2人目も認めている。今回はこれをさらに緩めて3人とするものだ。出生数が急激に減っていることに対する対抗策である。

2人目を認めた直後はその効果があって出生数が上がったが、すぐにその効果はなくなってしまった。今回はどうだろうか。

多くの人が誤解しているが一人っ子政策とは子供は一人しか生んではいけないというものではない。2人以上産む場合は当局の許可が必要だというものだった。

つまり当局が了解すれば2人目も生むことが出来たのだ。そしてその許可の基準は田舎へ行けば行くほど、担当者の裁量に任される。人的コネクションと袖の下で何とかなる世界だ。だから若い世代でも兄弟がいる人は思ったほど少なくないのが実情だ。

規制が緩やかになったので確かに生みやすくはなったけど、それ程大きな規制緩和ではなかったわけで、今回の3人目OKも大きなインパクトはない。

基本的に田舎では子供は貴重な労働力であり、財産だ。だからたくさん子供を産むインセンティブとなる。一方、都会では子供は教育という先行投資だけが嵩む。その間子供が稼ぐわけではないので言ってみれば「負債」なのである。

従い、世界的な傾向として、都市化が進むにつれて人は子供を産まなくなる。所謂少子化で中国も例外ではない。残念ながら今回の規制緩和は何の効果もないだろう。





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