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後悔の経済学

2022-03-06 12:45:00 | 読書
「後悔の経済学」
マイケル・ルイス著、渡会圭子訳、文春文庫、2022年2月





行動経済学でノーベル経済学賞を受賞したダニエル・カーネマンと、
共同研究者のエイモス・トベルスキーの間の友情と嫉妬を、
「マネー・ボール」のマイケル・ルイスが書き記した本。

行動経済学者のリチャード・セイラーが、
カーネマンとトベルスキーの名前を挙げて「マネー・ボール」を批評したことで、
マイケル・ルイスがカーネマンとトベルスキーの存在を知り、
彼らについて本にしようと思ったそうです。

カーネマン、トベルスキー2人ともイスラエル出身で学問の始まりは心理学。
戦争の経験から人の心理に興味を深めたようです。

その後共同研究を行い、バイアス、ヒューリスティック、プロスペクト理論などの研究成果は、
医療や経済学で応用されました。

さらに研究や実験を進める中で、
「人が意思決定を行うときは効用を最大にするのではなく、後悔を最小にする」
という結論に至りました。

そう言われると、自分の意思決定もそんな気がします。

「かくて行動経済学は生まれり」というタイトルで発行された単行本が、
「後悔の経済学」というタイトルで文庫化されたのは、この結論に注目したものと思われます。


マイケル・ルイスの著書は、データ分析、金融、経済など難しそうな内容を、
エッセーのような軽快な文体で気軽に読めるのが特徴と感じていたのですが、
本書やその前に出版されてまだブログにレビューを上げていない「フラッシュ・ボーイズ」は、
中味は濃いものの、学術書のような難しさを感じました。

「フラッシュ・ボーイズ」翻訳の途中に、それまでの訳者であった東江一紀氏がお亡くなりになり
訳者が変わったそうで、その影響があるのかもしれません。



関連エントリ:
【マイケル・ルイス著書】
ブーメラン

ライアーズ・ポーカー

世紀の空売り

マネー・ボール(書籍)

コメント (2)    この記事についてブログを書く
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2 コメント

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Unknown (bk31)
2022-03-08 22:26:08
コメントありがとうございます。
引き続きよろしくお願いいたします。
返信する
Unknown (spcctoky)
2022-03-08 18:44:55
ご紹介ありがとうございます。NYTに出ているような経済や心理ジャーナリストは、ほとんど一流校の修士出が多く、この方もそうですが専門的である程度難しいと思います。金融分野は特に。数式もよく出てくると思います。
返信する

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