「神様の罠」
辻村深月、乾くるみ、米澤穂信、芦沢央、大山誠一郎、有栖川有栖著、文春文庫、2021年6月
6人の作家によるアンソロジー。
名前は聞いたことのある作家陣ですが、読んだことがあるのは辻村深月だけです。
それぞれ作風が異なり面白かったです。
1.夫の余命(乾くるみ)
妻の自殺から物語が始まり、時間を徐々に遡る形で話が進み、まさかの結末。
2.崖の下(米澤穂信)
スノーボード仲間が遭難し、一人が他殺体で発見された事件を、
スノボ仲間の人間関係だけでなく、捜査陣の人間関係も描きつつ解き明かす。
3.投了図(芦沢央)
コロナの中、将棋タイトル戦が行われる予定の旅館に嫌がらせの張り紙があり、
古本屋の妻は夫を疑うが。
4.孤独な容疑者(大山誠一郎)
会社内の人たちにお金を貸しまくっていた社員が殺害され時効となった事件を、
警視庁の左遷組が再捜査。
5.推理研VSパズル研(有栖川有栖)
パズル研究会が出した推理の問題を、推理研究会がなぞ解きをするだけでなく、
その事件が起きた時代背景などまで妄想しはじめ、話はよく分からない方向に。
6.2020年のロマンス詐欺(辻村深月)
地方から上京した大学生が、コロナの影響で孤独を感じ、お金もなく、
詐欺グループの一員になって女性を騙そうとするが、思わぬ展開に。
辻村深月の作品の大学生の陥り方は、いまの状況だと現実にあり得るのではないかと
思わせるものでした。
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