「現代語訳 学問のすすめ」
福澤諭吉著、齋藤孝訳、ちくま新書、2009年2月
新一万円札の顔・渋沢栄一の著書「論語と算盤」を読みましたので、
現一万円札の顔・福澤諭吉の著書も読んでみました。
関連エントリ:
「学問のすすめ」は2010年頃に購読したので、今回は再読になります。
福澤諭吉は慶應義塾の創設者。
裏表紙に記載されている訳者・齋藤孝氏の経歴は、東京大学卒、現明治大学教授。
慶應と関わりないのが気になりますが、
多数の著書があり、テレビの情報番組にも出演されている著名な方なので、
これ以上は気にしないことにします。
冒頭の
「天は人の上に人を造らず、人の下に人を造らず」
のフレーズは有名です。
ただ、本書を読むまではこのフレーズと「学問のすすめ」という本のタイトルが
どう関わっているのかについて、よく理解できていなかったです。
福澤諭吉が平等主義者であるかのような説明を聞いたこともある気がします。
2ページほど読むと関連性は理解できて、
人はみな生まれたときは上下の区別はないが、
その後学ぶか学ばないかで上下ができてしまいます。
だから学びましょう、ということのようです。
では何を学べばよいかについては、
普段の生活に役に立つ実学だそうです。
ここまでが初編に書かれており、
第2編~第17編までは、明治維新後の当時の国家と個人の関係だったり、
人生訓が書かれています。
前半は明治時代ならではの話が多く、当時の情勢を知ることができますし、
第6編では、国の法を犯して勝手に他人の罪を裁く「私裁」を許されない行為としています。
いままさにそのような行為をされる人がいると報道されていますが、
諭吉は当時から戒めています。
後半は、自分の解釈込みで書くと
・他人の幸福をねたんだり、うらんだりしてもよいことはない(第13編)
・保護と指図(ギブアンドテイク)のバランスが大事(第14編)
・人の話を鵜呑みにしない(第15編)
・周りに対して不満があったら、自分がその立場に立ったらどうかを考えてみる(第16編)
など、現代の自己啓発書にもありそうな、参考になる考え方がありました。
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